本願相応せざるゆへ 雑縁きたりみたるなり 信心乱失するをこそ 正念うすとはのべたまふ
自分の心で現実と向き合わないといけないと思っている人は、まだ本願に相応していない人であるから、自分の心でありながら、自分では思い通りにならない為に、様々な雑縁が起きた時に、自分の信心さえも吹き飛んでしまう。だから、信心が乱れたり失う人を、正念を失うとはいうのです。
他力の信心は自分の心がどうにもならない時でも、信心が崩れないから現実から逃げることなく、向き合い続けることができる。でも、自分の心で信心を作った人は、自分の心自体がどうにもならないものであるから、いざ現実とぶつかると、吹き飛んでしまう。結局、現実とぶつかった時に、自分の心が乱れても信心が乱れないのが真の信心なのです。