本師道綽禅師は 聖道万行さしおきて 唯有浄土一門を 通入すべきみちととく
私の先生である道綽禅師は、この世の仏教界を見られて、聖道仏教の人たちは皆、自力の心で善を実践している。自力とは、世界を善人と悪人に分けて、悪人を否定し、自分は善人という所に立ちたいから、善を実践している心。だから、悪を否定する心で善に励んでいるから、悪人を責めるし、自分だけ善に励まないといけなくなると、心の中でなんで自分だけ善に励まないといけないのかという心が起きる。だから、やってない人を見下して、あいつらのようにはならないぞと自分を奮い立たして頑張る。そんな心で求めているのが聖道仏教の人たち。それは全く修行にならないから、悟りを開くことはできない。だから、道綽禅師はそんな聖道仏教をさしおきて、ただ自分は間違っている悪人なんだと認める浄土一門こそ、正しい道なんだと明らかにされた。
私たちは自分は善人なんだという所に立ちたいが、本当の悟りとは、自分は悪人なんだと認めるところにある。