南天竺に比丘あらん 龍樹菩薩となづくべし 有無の邪見を破すべしと 世尊はかねてときたもふ
南インドに龍樹菩薩という一人の僧侶があらわれ、死後はあるかないかという有無の邪見を破られると釈迦は予言されている。
有無の邪見とは、私たちには不滅の魂があって死んでも魂が残って、次の生に生まれると思っている有の見。そして、私たちには魂は存在せず、死んだら何もかもなくなるという無の見。この両方が間違いだと破られた。では、真実は何かと言えば、私たちには魂はあるが、それは変わらないものではなく、変わり続けてゆくもの。そして、ちゃんと大事にしないと一つの形を保つことができず、バラバラになってしまうもの。多くの人は、死んだら魂を維持することができず、死後は魂がバラバラになって私はなくなる。でも、みんな無くなる訳ではなくて、死後に魂が続く人もある。だから、過去世がある人もいれば、過去世のない人もいる。この未来へと魂が続くようになることが仏教の目的でもあるのです。