覚悟の片付け | 心と暮らしの整理 覚書き

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空気が澄んで
気持ちの良い週末でした



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子供の弁当袋を見るたび
思い出す人がいます
10年ちかく前にご近所だった
先輩女性Oさん


子育てにバタバタしていて
手芸を楽しむ余裕も無ければ
日々のこともおぼつかなさそうな私に

子供達お揃いの、便利そうな袋物を
作ってくれた方



ある夜、私のところを訪れて
突然の病気で
手術を予定していることを
うちあけられました。
田舎のご両親よりも先に
いかねばならないかも、という
悲痛な話
気の利いた言葉も掛けられずに
ただ話を聴くだけしかできなかった私



涙を見せていらしたOさんは
そのよく日から
覚悟の身辺整理を始められたのです。


いつも綺麗に片付いている
夫婦二人暮らしのお宅


それでもため込んでいるものなのよね、
貰ってくれる?
と、笑いながら
保存食や、手芸の作品
娘にはピアノの楽譜や
手作りのぬいぐるみ
赤ん坊だった息子には、
パッチワークのおくるみなど。

片付けなのよ、身辺整理
と言いつつも
私の暮らしに役立ちそうなものばかり
吟味して、持ってきて下さっているのは
すぐにわかりました。


もし手術後に何かあっても
残されたご主人に片付けの負担を
なるべく掛けたくない
身体の動くうちに、
やろうと思って…と。

優しい彼女の
芯の強さと、潔い覚悟に
頭の下がる思いがしたものです。



幸いに、Oさんは
手術と療養も乗り越え
その後
ご両親の住む街に、
夫婦で移って行かれました。

お元気にされているようで
暖かな手紙のやり取りの
関係が続いています。




万一に備えるというと
防災グッズを増やしたり
保険の特約を 検討したり の
足し算を考えがちだけれど

増えすぎ、複雑化した
モノや人間関係、家計などを
引き算してシンプルに

分かりやすくしておくことが
残された家族にとって
一番 有り難いのですね

自分の足元を見つめなおして
はじめて
病の不安に向き合う覚悟も
うまれるのかも知れません

あの時のOさんの年代に差し掛かった
今の私
健康の心配をしつつも
漠然と怖れているだけで、
準備をしているとは
まだまだ言えない


彼女のことを思い出しながら

暮らしを見直しています