これまで難産だったアイテムって幾つもあるんですが、たいていはレアものの石を使う為、確保に苦労したというパターンが多かったですね。
ただ、今回は難産の角度?が少々違いまして。。
マスター様の御希望が、ガーネットをウーリー通しにせよということだったのですが、これを実現するのが一仕事でした。
そもそも、ガーネットは女性用の数珠に使われる素材で、工房ではマックスが10mmの親玉なのですね。
しかも、めっちゃ高くて10mmの親だと1万円くらいする訳(数珠の値段じゃないですよ、親玉一個ね)です。
今回のクールマーラーでは親=14mm、向親=12mmなのですが(作ってみて、向親は10mmでも良かったかな?という気がします)、これは市販の貫通型ビーズを使用することになりました。
問題はTホール化です。
私は何とかいつものオペロンゴム通しにして欲しかったのですが、マスター様はどうしてもウーリーを通せと仰います。
昨秋、親玉化のスキルを身に着けたのを言わなければ良かったのですが笑、もうあとの祭りです。
私のは所詮素人作業なので、売り物にするような綺麗な加工は出来ませんし、リューターでチマチマ穴を開けるとなると、数個程度が根気の限界になりそう。
もう暗礁に乗り上げたかに思われた矢先、品行方正なるそわか嬢に数珠の神が降臨したのです。
今では国内で数珠のパーツを制作している工房は殆どなく(中国に生産拠点が移ってしまいました)、数軒残された工房は国内作業となる為、大変な工賃を取られるのですが、一軒だけ現実的な価格を提示してくださったところがありました。
これで何とか14mmビーズを親玉化する目途がたったわけです。
が、問題はそれだけにとどまりませんでした。
と申しますのは、四天玉の6mmと向親の12mmは比較的安価に入手出来たものの、それらの穴は1mm程度の径しかなく、到底ウーリーを通すことは出来ません。
これまで外注に出すとなると、マーラーの単価がかなり上がってしまいます。
そこで、穴の拡張くらいなら私でも何とかならないこともないので頑張ったのですが、四天の6mm玉が112個、向親の12mm玉が28個ですから、リューターでやって行くとなりますと、かなりの数です。
指が途中でおかしくなり、絆創膏を貼りながらの作業となりましたが、丸二日でやり終えた時は空中浮揚に成功したくらいの達成感がありましたね。
ちなみに、外注に出して親玉化したのは初めてですが、そわかが穴拡張したアイテムが一つだけあり、アマゾナイトのチョーカーは全部私が作業して穴を拡げています。