リンゴの唄(並木路子、霧島昇) | 鈴木の一日一善・一日一曲

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フォークソング好きからニューミュージック好きへ、ヤン久ポップス好きから歌謡曲好きへ、ということで、お気に入りの楽曲についてダラダラ書いています。
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リンゴの唄

(歌:並木路子、霧島昇 / 作詞:サトウハチロー / 作曲:万城目正)

 

今日は、並木路子、霧島昇が歌う「リンゴの唄」を聴いています。

子供の頃見ていた『懐かしのメロディー』的な番組で必ず歌われたのが「リンゴの唄」でした。そして「リンゴの唄」の紹介時には、『戦後昭和歌謡の最初のヒット曲』とか、『戦後昭和歌謡はこの歌から始まりました。』とかが必ず入り、『敗戦で元気を失った日本を勇気づけた歌』、と続けられていました。

ウィキペディアを確認すると、レコードリリースは1946年1月、1945年8月の敗戦から半年後に発売されていました。「リンゴの唄」自体は、戦後映画の第1号『そよかぜ』の主題歌及び挿入歌として、1945年10月に世に出ていたとのことです。「リンゴの唄」が世間に流れたのは8月の敗戦からわずか2ヶ月後だったんですね。まさに、戦後復興の端緒となった歌だと得心しています。

 

戦後もずいぶん経ってから生まれた僕には、「リンゴの唄」というと、戦後の白黒動画のBGMとして流れている印象があります。ウイキペディアでも『戦後と復興の象徴として』という項目だてがされていて、『テレビ番組などの資料映像として終戦直後の焼け跡の空撮、闇市、買い出し列車などが流れる際、必ずと言っていいほどBGMに使われる“定番BGM”としても知られている。』と記載されています。ああ、なるほど、闇市・買い出し列車の白黒の暗い動画のBGMは「リンゴの唄」だったと思い当たります。白黒の重い画面に「リンゴの唄」をつけることで、希望というか明るさ・活気を持たせたんだと思います。「リンゴの唄」にはそういう力が備わっていますね。サトウハチローの詞、万城目正の曲、並木路子、霧島昇の歌唱、敗戦直後という時代背景、すべてが合わさっての歌の力、すごいです。

 

戦後歌謡曲のはじまりの歌「リンゴの唄」。是非お楽しみください。