相続のことを考えて、被保険者:親(自分)、契約者(=保険料負担者):子、保険金受取人:子という生命保険契約をすることがあります。


この場合、110万円の贈与税の非課税枠を使って現金を贈与し、それを生命保険料に充てることがありますが、この110万円までが非課税という贈与だけとらわれることはありません。


もう1つの贈与である2,500万円までに特別控除がある相続時精算課税制度の贈与を使って贈与し、これで一時払いの終身保険などに加入する方法もあるのです。


確かに、この方法の場合は贈与した額が相続時に相続財産に加算されてしまいます。


しかし、それはあくまでも贈与額だけであって、贈与額を超えて支払われた保険金部分までもが加算される訳ではありません。


また、この超えた部分は一時所得なので、超えた額の半分に課税されるだけです。


生命保険料相当額を贈与し、上記の形態の生命保険に加入されている場合がありますが、これを使うなら、110万円の非課税枠にとらわれすぐてはいけないのです。


どちらの方法を使うべきかは、被相続人の財産の額や税率、相続人の状況によって変わってくるのです。

相続税対策として生前贈与を行なうことがあります。


この場合、相続税の税率と贈与税の税率を比較し、「相続税の税率>贈与税の税率」という範囲で行うことがよくありますが、表面上の税率だけで考えていることがよくあります。


そこで、今日はもう少し突っ込んだ実質税率で計算してみましょう。


前提条件として、遺産総額3億8,000万円(債務は0円)、相続人は子供3人とします。


この場合の3人分の相続税は6,900万円となります。


ということは、「6,900万円÷3億8,000万円=18.1%」となり、遺産総額に対する実質的な税率は20%弱です。


ちなみに、この場合に適用している相続税の税率表に記載されている税率は30%です。


つまり、税率表から採用した税率は30%でも、実際の税率は18.1%なのです。




贈与税の税率も同様に考えてみましょう。


前提条件として、710万円を3人に毎年贈与したとします。


710万円を贈与された場合、贈与を受けた子は115万円の贈与税を支払います。


同様に実質的な税率を計算すると「115万円÷710万円=16.1%」となりますが、この場合も税率表から採用している贈与税の税率は30%です。


結果として、相続にせよ、贈与にせよ、実質的な税率で比較して、生前贈与の額を決めるべきですので、上記の前提条件の場合でいえば、710万円程度の贈与であれば、「相続税の実質税率>贈与税の実質税率」という範囲で資産の移転ができるのです。


ただし、ここで注意点があります。


それは生前贈与を繰り返せば、親の財産は減っていき、他界した場合の相続税の税率も下がるということです。


たとえば、3人の子供に710万円の贈与を5年間行なったとしましょう。


生前贈与した総額は「710万円×3人×5年間=1億650万円」となり、親の遺産は「3億8,000万円-1億650万円=2億7,350万円」となっています。


この2億7,350万円をベースに相続税を計算すると、3,705万円となります。


この実質的な税率を計算すると、「3,705万円÷2億7,350万円=13.5%」となり、「相続税の実質的な税率<贈与税の実質的な税率」となってしまうのです。


つまり、逆転してしまうのです。


だから、同じ額(710万円)の贈与を続けることは【逆】相続税対策になっているのです。


ちなみに、遺産が2億7,350万円の場合採用している相続税の税率表の税率は30%です。


当然、親の財産も常に一定ではないので、それも含めて考えなければなりませんが、相続税対策のつもりで生前贈与をしていたのに、逆に余分に贈与税を支払っていたとなっては本末転倒です。だから、きちんと毎年のシミュレーションをした上で、生前贈与の額を決めるべきなのです。


ここまで考えて生前贈与している方は少ないと思いますが、【逆】相続税対策にならないようにご注意くださいね。


★贈与税の計算

http://www.nta.go.jp/taxanswer/zoyo/4408.htm


★相続税の計算

http://www.nta.go.jp/taxanswer/sozoku/4155.htm

今までも相続税の還付を請求することはできましたが、納税者側の権利としては原則として、申告期限から1年以内という法律でした。


実務的には、嘆願書というものを作成し、原則として申告期限から5年以内であれば、請求することができましたが。


この納税者側の権利が拡大され、これも5年となりました。


ちなみに、これが適用されるのは平成23年12月2日以後に申告書の提出期限が到来する相続税又は贈与税です。


参考URL(国税庁)

http://www.nta.go.jp/sonota/sonota/osirase/encho/index.htm


逆にいえば、これよりも前に申告期限が来た申告書に関する相続税の還付請求は嘆願書を付けて行えばいいのです。


前回に書いた記事の広大地の評価減のミスが代表例ですが、相続税の過大納付は一般の方が思っていらっしゃるよりもかなり多いです。


昔、国税で相続などの資産税の仕事を長年された税理士の方とお話ししたことがありますが、「提出された申告書のうち3割は過大納付ですね」とおっしゃっていました。


もちろん、過大納付だからといって、税務署から電話があり、還付してくれることにはなりません。


相続税などの申告は税理士の中でも専門性が高い仕事なので、これに詳しい税理士に依頼することが本当に大切なのですが、外から見ていてもこれは分かりません。


だからこそ、申告書にハンコを押す前にセカンドオピニオンを聞いてみることが大切ですね。


多くの方がこれをやらないので、申告書の3割は過大納付という現実になってしまうのです。

駐車場として利用している土地に賃貸マンションや賃貸アパートを建てると相続税対策になる。


こんな話を聞いたことはありませんか?


確かに、駐車場や空き地に賃貸マンションや賃貸アパートを建てると、土地の評価額は建築前に比べ、約80%になります。


だから、これは正しい理屈なのですが、その土地がある地域や広さによっては、逆に駐車場や空き地のままでも評価額が低い(賃貸マンションなどを建てるよりも低い)ということがあります。


それは「広大地」と呼ばれる一定以上の面積の土地です。


この一定以上の面積は地域によっても違ってくるのですが、三大都市圏の場合で「原則として」500㎡以上です。


ちなみに、墨田区の開発指導要綱を見ると、下記の記載があります。

(2) 宅地開発事業
分譲又は賃貸のための戸建住宅、長屋、店舗等併用住宅及び共同住宅等の建設を前提とする事業区域面積300平方メートル以上の土地の分割又は区画・形質の変更を行う事業


だから、墨田区の場合は300㎡以上ということになり、ここは各地域の開発指導要綱を確認する必要があります。


なお、広大地に該当するかどうかは面積の基準だけではありませんが、難しくなるので、ここでは割愛します。




この広大地に該当した場合、土地の評価額は「路線価×(0.6-0.05×その土地の面積÷1,000㎡)×その土地の面積」となります。


簡単に言えば、「路線価×その土地の面積」に「(0.6-0.05×その土地の面積÷1,000㎡)」という減額割合が加わるということです。


たとえば、その土地の面積が300㎡であれば、「0.6-0.05×300㎡÷1,000㎡=0.585」となります。


つまり、駐車場や空き地のままでも土地の評価額が60%未満になるのです。


だから、この広大地に該当する場合はわざわざリスクを負って賃貸マンションや賃貸アパートを建てなくても(=駐車場や空き地のままでも)、土地の評価はかなり減額できるのです。


「駐車場に賃貸マンションや賃貸アパートを建てる=相続税対策になる」と思っていらっしゃる方もいますが、そうではない場合もあるのです。


この広大地の評価減は該当するかどうかが微妙な判断になることも多いし、そもそも税理士でも詳しくない方が多い部分です。


結果として、広大地の評価減ができるのにしていない申告書も数多く存在します。


もちろん、そうなってしまった場合は「更正の請求」という還付の手続きをすればいいのですが、注意点があります。


それは広大地に該当するかどうかが微妙である場合、広大地の評価が認められる確率は「最初の申告で広大地の評価を採用>更正の請求で広大地の評価を採用」となるのです。


おかしな話かもしれませんが、実務上はこうなっているのです。


だから、本来であれば、広大地の評価を採用するのは最初の申告の段階で採用すべきなのです。


この広大地は減額が大きいだけに忘れると相続税の過大納付も多額になります。


ご注意くださいね。

今日のメルマガを転載します。


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○○さん、朝4時起きの税理士見田村です。

いつもありがとうございます。


めっきり寒くなってきましたね・・・。

私は毎朝、5時前に家を出るのですが、そろそろ薄いコートが必要です。


ちなみに、よく聞かれるご質問があるので、ここで回答します。

○何時に寝ていますか?→10時です。

○本当に4時に起きていますか?→起きてます(笑)。

○何時間くらい寝ていますか?→6時間くらいです。


昨日は9時に寝て、今日は3時に起き、

家で仕事をした後、5時前に家を出てきました。


だからどうなんだということもありませんが(笑)、

ここで回答しておきます。



では、1分セミナーにいきましょう。

今回は「養子縁組、相続税の税務調査の否認リスク」をお伝えします。


先日、ある方からこんなご相談を頂きました。

-------------------------------------------------------------
父がガンになり、余命6ヶ月と医師から宣告されました。


また、以前から相続税対策のことを考え、

私の妻を父の養子にいれることを検討していました。


そして、時間もあまりないので実行しようと思い、

顧問税理士に相談ました。


そうしたら、

「相続税法に『養子縁組が相続税を不当に減少させる場合は否認』

と書いてあるから止めた方がよい」

と言われました。


私はどうしたらいいのでしょうか?
-------------------------------------------------------------



養子縁組は相続税対策によく使われる手法の1つです。


ただし、過度な養子縁組による節税を防ぐため、

下記の取り扱いになっています。


○民法上【は】何人と養子縁組をしてもOK

○相続税の計算上【は】下記の制限あり

・実子がいる場合・・・1人まで

・実子がいない場合・・・2人まで


具体的な事例で計算してみると、下記となります。

○前提条件

・被相続人の財産額:2億円

・相続人:長男、次男


○相続税の比較

・養子縁組をせず、そのままの場合・・・2,500万円

・長男の妻と父が養子縁組をした場合・・1,800万円

・養子縁組による節税効果・・・700万円


このように養子縁組をすれば、

【自動的に】相続税は節税になってしまうのです。


では、これはいけないことなのでしょうか?


確かに、相続税法(63条)には

「養子縁組が相続税を不当に減少させる場合は否認できる」

と書いてあります。


しかし、この63条は【不当に減少させる】ことを前提にしています。


具体的に、この条文を簡単に書くと下記となります。
-------------------------------------------------------------
養子縁組をしたことにより、相続税が不当に減少する場合、

税務署長は養子を相続人に数えないで、

相続税の更正または決定※をすることができる。

※「更正または決定」とは税務署が税額を決める行為をいいます。
-------------------------------------------------------------


おそらく、ご相談者の顧問税理士はこの63条をご存知で、かつ、

お父様の余命が残り少ないため、こうお答えになったのでしょう。


しかし、これはそうではありません。


繰り返しになりますが、

あくまでも、この63条は「不当に減少させる」ことを前提にしています。


養子縁組をすれば、「自動的に」相続税は減少してしまうので、

不当かどうかということが論点になるのです。


しかし、「これが不当である」ということは難しいでしょう。


なぜならば、

○「不当」と否認する以上は、税務署に不当性の立証責任がある

○余命6ヶ月と不当性は関係ない

○税務署がこれを立証することは難しい

→何をもって、不当というのか???

からです。


実際、税務のデータベースを調べてみましたが、

これで否認された事例は見つかりませんでした。


もちろん、父が認知症などで、

子供が養子縁組を誘導した場合は不当な行為です。


ここは医師の証言などにより、否認の根拠を見出すことは可能です。


事例は違いますが、平成22年7月15日の東京高裁で

認知症で作成した公正証書遺言が無効とされた判決もあります。



結果として、この養子縁組による節税を

税務調査で否認することはかなり難しいでしょう。


先日、国税OB税理士で資産税一筋だった方と話す機会があったので、

このことも確認してみました。


そうしたら、私と同じことをおっしゃっていたし、

実際に否認したこともないとの話でした。



養子縁組は「短期的に効果を生むことができる」節税対策です。


ただし、相続人が増えるということは良いことばかりではなく、

人間関係に微妙な影響を与える場合もあります。


争わない相続だったのに、争うことになる可能性もあります。


こういうことも踏まえた上で実行するならば、

効果のある相続税対策なのです。

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(株)日本中央会計事務所・日本中央税理士法人
代表取締役・代表社員・税理士見田村元宣

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■編集後記(見田村)


私が今までに食べたもので、

本当に美味しいと思った飲食店を5つ、ご紹介します。


ネットで注文できるものもあるので、是非、ご賞味ください。


○某メジャーリーガーが帰国したら、必ず、立ち寄る寿司屋

http://ameblo.jp/mitamura1023/entry-11062205881.html


○飛騨牛、鰻、米

http://ameblo.jp/mitamura1023/entry-11057391955.html

今日は相続税の税務調査と名義預金※についてお伝えします。


※被相続人以外の名義にはなっていても、実態は被相続人の預貯金とされるもの


相続税の税務調査があれば、被相続人名義以外の預金は必ずチェックされます。


なぜならば、それが相続人名義や他の親族名義であっても、相続税の税務調査で被相続人名義の預貯金ということで否認されることがあるからです。


この場合、意外な部分から預貯金の管理の実態がばれることがあります。


それは「預金取引に関する書類の筆跡」です。


たとえば、相続人名義の定期預金であれば、相続人自身が管理し、こういう書類(例:満期の書き換えなどの書類)も相続人の筆跡で記載されていることが本来の形です。


しかし、これが被相続人名義の筆跡で書かれていることがあるのです。


もちろん、この事実だけをもって名義預金であるということはできないのですが、管理の実態を表す1つの証拠ではあります。


相続税の税務調査があれば、金融機関、証券会社などはガラス張りとなります。


こういう細かい書類に関しても日頃から書くべき人が書き、不要な疑いをかけられないようにしておくことが大切なのです。

昨日のメルマガで「相続税の税務調査の対象になる人とは?」というメルマガを書きました。


ただ、メルマガの内容をいつもブログに記載するわけではないので、ご興味がある方は是非、ご登録ください。


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○○さん、朝4時起きの税理士見田村です。


いつもありがとうございます。


9/16(金)の「税務調査の徹底対策セミナー」ですが、残席2名ですので、お早めにどうぞ。


また、内容の一部をご紹介します。


○反論するための具体的根拠、資料とは何か?


○重加算税を回避するためのポイントとは?


○税務調査の事前準備のポイントとは?


正直な話、「本当の方法論」を知らないまま、税務調査の対応、交渉をしていることは「よく」あります。


また、秋はセカンドオピニオンを求めて、いらっしゃるお客様も増えます。


是非、今回のセミナーで「適正な」方法を身に付けて頂ければと思います。


1件だけ、お客様の声を紹介させて頂きます。
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大阪府大阪市株式会社ゴトー代表取締役後藤健様

昨年、税務調査があり、10月~4月迄、約6ヶ月間掛かりました。

判決文等もっと早く知識として勉強しておくべきでした。

絶対節税の裏技77と共に活用致したく思います。
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どうぞ、ご参加くださいね。


既に定員のため、申し込み用URLは割愛いたします。


遠方のため、ご参加頂けない方は下記をご覧下さい。


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では、今日の1分セミナーにいきましょう。


今回は「相続税の税務調査の対象になる人とは?」をお伝えします。


先々週のメルマガで相続税の税務調査のことを書いたら、多くの方からご返信を頂きました。


本当にありがとうございます。


そこで、相続税の税務調査の話を別の角度からしていきます。



相続税の税務調査は人生初の税務調査という方も多く、「どんな場合に税務調査があるのか」が気になる方も多いでしょう。


そこで、どんな場合に税務調査になりやすいのかをお話しします。


まず、課税対象になる遺産総額が3億円以上の場合、税務調査の確率が高くなると一般的に言われています。


ただ、ここは被相続人が遺してくれた財産額の話で、どうすることもできません。


もちろん、遺産増額がもっと少なくても税務調査はあります。


逆に、財産がもっと多くても税務調査がなかった事例もあります。



また、預金通帳の動きがおかしい場合も税務調査の対象になりやすくなります。


たとえば、事前の反面調査(銀行)で被相続人の預金を調べた場合、


○一定額以上の金額の出入りが激しいもの

通帳の左右の動きが激しい状態で下に下りていくので、「稲妻型」と呼ばれます。


○入金(通帳の右側)が続いた後に大きな出金(通帳の左側)があるもの

これはその形から「逆L字型」と呼ばれます。


という状態だと、税務調査に発展する可能性が高くなります。


なぜならば、通常はこうはならず、こういう場合は怪しいお金、財産隠しという可能性があるからです。


通帳は5~10年くらいは見られると思った方がいいでしょう。



それから、事前の反面調査は銀行だけではなく、生命保険会社や証券会社などにもされます。


この場合、反面調査の資料と申告書の内容が合わなければ、税務調査になる可能性は高くなります。



さらに、税務署では


○被相続人の生前の確定申告の状況


○法人からの役員報酬の額


などを把握しています。


これらと比べて相続税の申告書に記載された財産額が少ないと「なぜだろう。これはおかしいから調べてみよう。」となる訳です。



その他にも


○相続税の申告書に添付された資料が少ない


○この資料に不備がある


という場合、税務調査になる確率が高くなります。


なぜならば、


○財産の評価方法をミスしている


○税法の適用を間違えている


という可能性が高くなるからです。


たとえば、毎年の税務調査で否認されている財産のうち、約16%は土地です。


ただし、ここは土地そのものを申告書に載せ忘れたというよりも、評価方法のミスによるものもかなりあると思われます。


ここは一般の方が行なう部分ではありませんが、税理士として丁寧な仕事が求められる部分です。



それから、家族名義の預金などをチェックしたことも記載しておくべき事項です。


なぜならば、


○預金の名義人は子供や孫(形式)


○実態としては、被相続人の預金(実質)


ということで、否認されるケースが【よく】あるからです。


贈与した【つもり】でも、【法的に】贈与が成り立っていないケースも【よく】あります。


だから、ここがきちんとチェックされているかどうかも税務調査官は見ているのです。


実際、現預金は毎年の税務調査における申告漏れ財産の約35%を占めています。


そのため、これをチェックしたことを記載した資料などを申告書に添付しておいた方が税務調査になる確率は低くなります。



さらに、最近は海外資産に対する税務調査の件数も増えています。


実際に、国税庁が発表している資料の中でも下記の記載があります。

-------------------------------------------------------------
納税者の資産運用の国際化に対応し、(中略)、

特に、資料情報や相続人・被相続人の居住形態等から海外資産の相続が

想定される事案については、積極的に調査を実施しているほか、

調査の過程において海外資産の取得が把握された場合にも、

深度ある調査によりその解明に努めています。
-------------------------------------------------------------


ちなみに、海外資産に対する税務調査の件数(最新データ)は


○平成19年度407件


○平成20年度475件


○平成21年度531件


となっています。



いずれにせよ、「この場合は100%税務調査がある、無い」とはいえません。


しかし、最低限でも


○被相続人の生前の預金の動かし方


○税務調査の確率が低くなるような申告書の作成


○詳細な根拠資料の添付


○子供や孫名義の預金をチェックした経緯の記載


などを注意することにより、その確率は下げることができるのです。


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敢えて詳細な要件などは省略していることもございます。

お伝えした方法を実行する際は当社までご相談ください。



■編集後記(見田村)

先日の週刊朝日に

「松下幸之助さんが語った松下政経塾の入塾面接の基準」

が掲載されていました。


非常にいい内容だったので8/31のブログに記載しました。

どうぞ、ご覧下さいね。

http://ameblo.jp/mitamura1023/entry-11003054646.html

自宅の評価などの減額がある場合、遺産分割協議書の書き方際には注意点があります。


たとえば、財産の構成が①自宅の土地が200㎡で5,000万円、②自宅の建物1,000万円、③預金6,000万円としましょう。


そして、相続人が子供2人(兄弟)のみで、兄は自宅の土地建物、弟は預金6,000万円を相続したとしましょう。


ただし、兄が相続した自宅の土地は80%の減額という特例を使い、相続税の申告上は2,000万円の評価額です。


こういう場合、相続した財産額は同じ額でも、結果としての課税される額が違うので、納税額に差が出てしまうのです。


相続した財産額は同じでも納税額に差が出て、後でもめるということもあります。


だから、そういうことも考えて、遺産分割協議書の書き方を考えないといけないのです。

相続税の税務調査があると、約85%のケースで否認され、相続税本税だけでなく、過少申告加算税(本税×10%)、延滞税などまでも取られてしまいます。


では、これらを防ぐためにはどうしたらいいのでしょうか?


それは税務調査がある前にチェックをし、金額の大きなミスがあった場合「は」事前に修正申告してしまうということです。


そうすれば、多くのケースでは過少申告加算税はかかりません。


また、かかったとしても少額で済みます。


もちろん、これはれっきとして国税通則法という法律の65条に書いてあることですから、根拠のある話です。


相続税の税務調査は否認額が大きくなることもあり、それはイコール余分な税金も大きくなることを意味しています。


相続税の税務調査の連絡があったら、当日を迎えるまでに事前にチェックし、大きな金額のミスがあれば、修正申告をしてしまいましょう。


特に、相続税に詳しくない税理士が担当した申告書、一般の方が税理士に依頼せずに作成した申告書の場合は注意が必要です。