司法書士・行政書士の山口です。
「父が持っている不動産が全て把握できない…」
「一部の不動産の権利証(登記識別情報)が見当たらない…」
不動産をたくさん持っている方が亡くなった場合。
相続人であるお子さんが、これを全て把握できていない。
こんな時もあります。
不動産を相続したら、相続人に移転(登記)が必要です。
メインの土地・建物以外に、地方の農地や別荘。
全ての不動産を抜け目なく…
特に、道路は注意。
道路持分の移転が抜けると、後々大変なことになります。
非課税だし、タダみたいなもんだから…
こんな風に甘く見ていると、痛い目に合います。
道路持分の移転を忘れていると、物件売却の段階でこれができないことも…
そして、その段階で相続登記を入れようとすると、また他の相続人の協力を得ることになる。
これでも状況としてはきついですが、できるだけまだマシ。
20、30年の時を経てこれが必要になると、当時の人は無くなっていて、次世代が相続人になります。
そこに、相続人の1人が不明・協力してくれないなんてことが起きると、その不動産を動かせなくなってしまうのです。。
さて、本題。
故人の不動産を調査する方法について。
まずは、残っている資料から確認します。
家にある権利証(登記識別情報)や課税明細書。
これに、登記簿謄本を取得して、情報を比較。
これが最初の作業です。
そして、名寄帳(なよせちょう)の取寄せ。
これは、故人の所有している物件(固定資産税課税台帳に登録されているもの)の一覧を確認できます。
(名寄帳が役立つ時)
・固定資産税課税明細書を紛失した場合
・非課税不動産(公衆用道路等)を所有していた場合
・共有名義の不動産を所有していた場合(共有代表者にしか課税明細書が送られない)
名寄帳に記載されている内容は、1月1日時点の情報。
それ以降に不動産を取得し、売却した。
その場合の情報は載っていません。
直近のものなので、なにがしかの資料は残っているので特に大きな問題にはなりませんが、念のため注意は必要です。
また、あくまでその市区町村のものだけ。
県外の物件などあれば、それは分かりません。
この場合は、固定資産税課税明細書や登記簿の記録などをヒントに探します。
複数の物件を購入されている場合、それぞれの物件を「共同担保にする」場合もあります。
この共同担保目録の記載も、大いに物件調査の参考になります。
直近の確定申告書なども、参考になる資料の1つです。
また、故人が不動産投資家の方の場合。
個人・法人の両方で買い付けしていた場合。
この場合、法人取得分は、個人の名寄せでは出てこないので注意しましょう。
以上のことをまとめると、
故人の所有不動産を調べる場合、
課税明細書・登記簿謄本・権利証(登記識別情報)・名寄帳・確定申告書…こうした資料を使って調べます。
複数の物件を購入されている場合には「共同担保にする」場合もあります。
共同担保目録の記載なども、大いに物件調査の参考になります。
・不動産を複数持っている方(別荘や田舎に森林を持っている)
・不動産投資家の方
こんなケースでは、生前に不動産情報を整理しておくと、相続人に負担がかからないと言えるでしょう。
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