遺言書が2通あった場合、
基本は、日付が新しい方で、相続手続きを進めることになる。
もっとも、古い遺言書のときは、認知症でなかったが、新しい遺言書のときには、認知症が進んでいた、という場合には、新しい遺言書が無効となり、古い遺言書で相続手続きを進めることもある。
さらに、古い遺言書の内容と、新しい遺言書の内容で、重なっていない事項がある場合、古い遺言書の内容が、相続手続きに影響する場合がある。
例えば、古い遺言書に、甲乙丙の不動産を長男に相続させる、とあり、新しい遺言書に、甲乙の不動産を次男に相続させる、とある場合、丙の不動産については、長男に相続させる、という効力が残っていると考えられるのである。
もっとも、新しい遺言書に、以前の遺言書の内容は破棄する、と書いてある場合は、新しい遺言書のみが有効となる。