上申書(事情説明書)の書き方(総論1・上申書が必要な場合とは) | 【相続放棄体験記】自分で手続きをして初めてわかった重要なこと!

【相続放棄体験記】自分で手続きをして初めてわかった重要なこと!

このブログでは、父が死亡した際、母と姉と私の3人が相続放棄を決意し、書類作成から提出、相続放棄申述書の受理通知書を受け取るまでについて、手続き上の問題点や書類の記載内容、費用などの疑問点を調べ、解決した方法について体験記の形で綴っていきます。

またまた時間が空いてしまいましたが、事実上、私が申請した父の兄弟姉妹の相続放棄の申立てが、すべて無事に受理されました。

そこで、以前、お約束した通り、これから4記事に渡って、事情説明書の書き方について説明していきたいと思います。


 

 

 

 

★上申書(事情説明書)が必要なときとは?

 

最初に、これから私が説明する上申書が、どのようなもので、どんなときに必要なのかについて説明していきます。


まず、被相続人(故人)が亡くなって3か月以内であれば、

 

1・相続放棄申述書
2・故人との関係に応じて必要な戸籍謄本等


を提出すれば、原則として相続放棄は認められます


(必要書類参照)

・配偶者(故人の妻または夫)の場合
・被相続人(故人)の子供の場合
・被相続人(故人)の両親の場合
・被相続人(故人)の兄弟姉妹の場合

 

 

 

しかし、上記の書類を提出しただけでは、裁判官が相続放棄を認めるべきか否かを判断できない場合があります。

たとえば、
 

●被相続人(故人)が死亡してから1年が経過している

けれども

●相続放棄を申し立てる人が、被相続人(故人)の死亡を知ってから未だ3か月を経過していない

 

…という場合、

 

 ●故人の死亡後、相続人が故人名義の預金口座からお金を引き出した
 
けれども
 
●引き出したお金のすべてを故人のお葬式の費用に使った

 

…というような場合です。


そこで、このように上記の書類だけでは裁判官が受理すべきか否か判断できないと予想される場合や、一見、相続放棄が認められない(単純承認となってしまう)ような事情がある場合に、相続放棄を申し立てる相続人が審理を担当する裁判官に対して、補足的に事情を説明する書類が上申書(事情説明書)ということになります。


 

 

★素人でも自分で作成できる場合とは?

素人の私たちでも作成できると考えられるケースについて、もう少し詳しく説明してみましょう。

私たちが、最も作成すること多いと考えられるケースは、故人が亡くなってから(あるいは先順位の相続人の相続放棄の申立てが受理されてから)客観的に3か月が経過しているが、相続人が事情を知ってから3か月以内に相続放棄の申立てを行ったという場合です。

 

民法915条1項本文は、

 

「相続人は、自己のために相続の開始があったことを知った時から三箇月以内に、相続について、単純若しくは限定の承認又は放棄をしなければならない。」

 

…と規定しています。


つまり、3か月のカウントダウンの開始は、相続放棄の申立てを行う者が、
 

●被相続人(故人)が死亡したこと
自分が相続人になったこと


…の両方を知った日(正確には翌日の午前0時)であることは、すでに説明した通りです。

⇒(参照…3か月の開始時期について



ですが、戸籍等の書類で証明できる事実は、
 

●被相続人(故人)が死亡した事実(死亡日を含む)
●被相続人(故人)の死亡時の住所地
●申立人が相続人であるという事実


…という客観的な事実のみです。


そこで、あなたの主観が介在することになる

 

●被相続人(故人)が死亡したこと
●自分が相続人になったこと


…を「知った日」が、具体的にいつだったのかについて、

(できれば証拠などを挙げながら)審査を担当する裁判官に説明する書類を作成することになるわけですが、これが上申書(事情説明書)ということになります。

 

 

 

 

 

 

★今回紹介する上申書ひな形のパターン

上申書を作成するケースとしては、

上記ですでに説明したように、被相続人(故人)の死亡後、相続人が故人名義の銀行口座から預金を引き出した場合に、相続放棄を認めてもらいたいとき、上申書を作成することもあります。

しかし、この場合には、上記の「知った日」よりもはるかに定型化しづらいこと、私自身が作成したものが受理されたという実績がないことの2点から、ひな形を提示するのは控えることにします。

ただ、一応の考え方については、次回の記事の中で説明し、別サイトの参照ページも併せて紹介していきたいと思います。

 

 

 

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