白鶴拳は、太極拳に似ていると台湾では言われているようです。
合わせて一門としている派もありますし、結局白鶴拳の方がいわゆる喧嘩や腕試しでは強いので、太極拳の形にこれを入れているという考えもあるようです。
まだまだ未熟な私には、太極拳の勁がどうなのかは分かりませんし言えません。
しかし、白鶴拳をしていて、これは心意拳と似ているなと思う処がありました。
ヒントになったのは、老師の教えて下さった水行の発勁です。
体内を水が流れるように段階的に発勁を行う。
これを練習していると、以前教わった十二節力という言葉を思い出しました。
十二節力は五祖拳の発勁で、五祖拳には鶴拳的な発勁と羅漢拳的な発勁があります。
私はどうも、羅漢拳的な発勁の方にばかり目が言っていたようなのですが、柔らかい動きの発勁はこれとは違うようなのですね。
その違いが、白鶴拳の五行拳を繰り返していたところ少しわかってきたような気がしてきました。
十二節力は身体の関節を順番に使って発勁をする物です。
これまで私がしてきた発勁は、動きがまったく見えない、真っ暗な勁です。
なので触った時には予備動作がなくもう放たれています。
これは非常に良い物なのですが、他の武術の勁とはまた別です。
ですので他の武術をするときには、その武術の発勁を学ばないと意味がありません。
白鶴拳の勁は鉄環の練功法とよく似ている気がしました。
順番に力を通して重さを投げる。
体内を順番に水が通ってゆくように。
勁と放鬆のバランスだと思いました。
蔡李佛では、バットでぶん殴るように勁を完全に通し続けます。
しかし、十二節では放鬆による時間的なラグを用いると解釈しました。
こうすると、完全に勁を通して整勁で繋げていた身体もまた、順番に勁と放鬆の移動をしたなら、軸を維持したまま身体はうねることになります。
これは客家拳法の龍波勁に似ています。
心意拳の中にも、完全に整勁で繋げっぱなしの物とうねる派があります。
ある意味で同様なのですが、勁の使い方が違っています。
五祖拳は両方やるかもしれませんが、白鶴拳ではうねります。
それを考えると、やはりどうも、心意拳類が伝播してきて白鶴拳になったと考えてもおかしくはない気がしてまいりました。