カンフー地力養成法 | サウス・マーシャル・アーツ・クラブ(エイシャ身体文化アカデミー)のブログ

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気持ちよく生きるためのライフスタイルとしての南派拳法(カンフー)蔡李佛拳とエスクリマ(フィリピン武術)ラプンティ・アルニス・デ・アバニコを横浜、湘南、都内で練習しています。オンライン・レッスン一か月@10000で行っております。
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 最近、よく太拳の練習をしてみます。

 振り返ってみれば、COVID19で対面活動を制限する直前に公開をしていたのがこれだったので、その続きに戻ってきたという感じもします。

 この拳は、以前から書いているように蔡李佛伝の古式ムエタイです。

 ですので練習をしていると、なんだか格闘技を練習しているような感じなってきます。

 これは正確にはおかしな話で、本来はどんな伝統武術も現代格闘技より前よりあったのですが、単にその中でポピュリテイを得たものが我々現代人が思う「格闘技」のイメージになったというだけですね。

 当然ムエタイと言えば現代格闘技の大スタンダード、現代人が馴染みやすいのは間違いありません。

 そういう意味では、ハードコアな蔡李佛を体得するよりも、太拳の部分に先に馴染めば、こと用法に関しては使いやすい部分を体得できるような気がします。

 私自身、まだ何もわかっていなかった蔡李佛初心者の頃は「半分格闘技みたいな武術だなあ。こりゃ強いって言われるわけだわ」と思っていました。

 高級技法を身につけるのは難しいですが、すぐ使える用法は素人にも理解しやすいですからね。

 ですが、これを師父に言ったところ、本質は格闘技ではないと当たり前のことを言われました。そのとおりです。

 格闘技をやりたければ格闘技をやればよろしい。

 伝統武術をやる必要はありません。

 格闘技的要素はあくまで入口の入りやすさです。

 それが伝統武術と一本に繋がっている処に価値があります。

 こと、太拳に関してはフツーにムエタイ的練習も可能です。

 ミットを打ち、投げをして、コンビネーションに対してディフェンスをする練習で地力が養えます。

 その部分はね、すごく大切だと思うのですよ。

 武術家として以前に、人間としてとか、生命として大切です。

 当て感や、殴られた時の逃がし方もさることながら、力のぶつかり合いになれることや受け身を取れるようになることが大切です。

 私の中学生の頃の体育の先生が柔道出身だったのですが、武道なんてできるようにならなくてもいいから、受け身と水泳はできるようにしておくのがいいと言っていたことを思い出します。

 加えて、格闘技ではなくて武術をやろうという現代人は、普通よりも運動神経が悪くて貧弱な人が多いように感じます。

 ですので、普通にコンビネーションやディフェンス練習、受け身やミット打ちという練習を通して、基礎体力や無理のない動きをして負担を減らすというエッセンシャルな能力を高めることが大変価値があると思うのです。

 実は少し前から、そういうクラスをやりたいと思っているところがあります。

 受け身、投げの作り、力の方向を感じる能力など、格闘技経験者なら当たり前のレベルの地力を、武術に役立てることを目的として育成するというクラスをしたいのですね。

 でないとあまりにも、いまの日本の武術愛好家はレベルが低すぎる。

 だからコンプレックスが募っておかしなことになるのでしょう。

 昔から蔡李佛拳は強い武術として知られていますが、中にムエタイのプログラムが組まれてるんだから、ある意味当たり前なんですよ。

 ウィキペディアでも、ムエタイと互角の実力がある武術として知られているとか書かれているけれど、だってムエタイ入ってるんだもん。

 それをやった上で、高級技法にごく自然に繋がってゆくのがいいところなんですよ。

 これはね、イキリオタクが安全なところで強がるばかりのいまの日本の武術界の現状とは真反対の志ですよ。

 低いところから脱却して健全な生き方をしたいと思っている有志の方々、なにかプレゼンしてくれないかなあ。