パーフェクト・デイズ 3 | サウス・マーシャル・アーツ・クラブ(エイシャ身体文化アカデミー)のブログ

サウス・マーシャル・アーツ・クラブ(エイシャ身体文化アカデミー)のブログ

気持ちよく生きるためのライフスタイルとしての南派拳法(カンフー)蔡李佛拳とエスクリマ(フィリピン武術)ラプンティ・アルニス・デ・アバニコを横浜、湘南、都内で練習しています。オンライン・レッスン一か月@10000で行っております。
連絡southmartial@yahoo.co.jp

 ヴェンダース監督の「PERFECT DAYS」には相応の社会的見地からの批判もあったのですが、逆に「選択的没落貴族の映画である」という評もありました。

 これが私が劇場に足を運ぶ最後の一押しとなりました。

 決して批判をしたいわけではないのですが、貧しい老人が幸せに暮らしている映画だからと言って、そこにプロパガンダ以外の要素がない訳ではないのですよね。

 もちろんその批判は充分に理解が出来るし、必要なものです。

 しかし、同時に孤独で貧しい老人だからと言って、それがすべてを悪いとは言い切れないのではないか、という思いがあったのです。

 経済的条件と承認欲求が満たされることが良いという価値観は、私には無かったのです。前に書いたような理由で。

 ですので、そこに共感をして映画を観に行きました。

 すごい映画でした。

 まさに、私のパーフェクト・ライフそのものでした。

 そこには、他人に承認されたいとか、経済的に豊かでありたいとか、そういうこととは違う人間が生きていく上での幸せの概念をきちんと描き出すだけの物があったと感じています。

 それは私が求めてきた物でした。

 パーフェクト・ライフを模索していた日々の中で、私は師父と出会いました。

 当時の私は、アルコール中毒のアウトローでした。

 教えを乞うて三年の月日が経った後、蔡李佛拳を学べることにました。

 そして、その拳には天字拳という名の套路があることを知りました。

 私の身体には、天と言う字が掘ってあります。

 そこでこれも縁だと思い、その天字拳を教えてくれるように師父に頼み込みました。

 それだけ覚えたら、それから誰も居ない処に行くので、あとは一人でずっとそれを打って暮らしていく、とお伝えしました。

 すると師父は天字拳を教えてよいかどうか、当時まだ総裁の崔廣源大師がご存命だった当時の香港に問い合わせてくださいました。

 結果「教えても良いがあれは高級套路だから他の全てをマスターしてからにしろ」と言う答えが返ってきたのだとおっしゃられました。

「ですので、これから全部やることになりました」と師父が仰って、私はすべてを教われることになりました。

 秘伝をすべて教わるというのは師父になるということですので、結果私は師父になりました。

 もしもあの時、アルコール中毒の暴れ者が、師父になりたいから全部教えてくれと言ったとしても、恐らくは教えてもらえなかったことでしょう。

 パーフェクト・ライフを求めていたからこそ、結果的にこちらの道に導かれたのです。

 そうなった結果、私には責任という物が発生して、師父の生き方を学んで世界のために自分を使うようになりました。

 そういった生活すべてが、私にとっては瞑想と行の生活、すなわちパーフェクト・デイズです。

 思っても居なかった形で、私はそこにたどり着きました。

 その後のことはいつも書いている通り。あまりにも沢山の宝の山の中で暮らすことになりました。

 人類の宝のような武術をいくつも学んで体得してゆくと言う、夢にも見なかった日々の中に居ます。

 そして、それを求める人々のために、こうして発信をし、拳を教授しているのです。