最近の筋トレ業界について 1 | サウス・マーシャル・アーツ・クラブ(エイシャ身体文化アカデミー)のブログ

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気持ちよく生きるためのライフスタイルとしての南派拳法(カンフー)蔡李佛拳とエスクリマ(フィリピン武術)ラプンティ・アルニス・デ・アバニコを横浜、湘南、都内で練習しています。オンライン・レッスン一か月@10000で行っております。
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 最近、いくつか筋トレに関する本をまた仕入れました。

 その中の一冊が、フィンク・ジュリウス先生という方の著作です。

 これ、冒頭の序文を読んで気付いたのですが、海外で出版された翻訳本ではありませんでした。

 著者紹介を見てみたら、日体大で博士号を取り、順天堂大学で講師をなさっている、内分泌の専門家の先生でした。

 特にテストステロンがご専門らしく、この著書もホルモン分泌をメインとした生化学的ストレスを機序にしたトレーニングを紹介している一冊です。

 私自身、ウェイトをやらないようにしてから、もっぱらこの化学的負荷を研究して身体づくりをしてきました。

 なぜなら、私の本道である中国武術の気功の理論、東洋医学の理論では、この分泌物(生理物質)の部分が大切であるからです。

 これまでもここでの記事で扱ってきた筋トレに関する内容は、すべてその前提を土台としています。

 単なるウェイト・トレーニングではなく、自重のみで身体を変えようとするに当たって、生理物質の働きを頼みにしています。

 私がいつも、解剖学トレーナーをインチキ扱いしているのは、そういった部分が置き去りにされていて、単なる物質的な運動を言葉を言い換えるだけでさも何かしたようなふりをするビジネスだからです。

 肩関節を外旋して、前腕を回内させて、ローテーターカフを活用してください、なんてことを彼らはこのんで言いますが、やってることは言われても言われなくても一緒、ただ関節を動かして重りを動かしているだけです。

 同じことをやっているのに、言葉のパッケージングを変えているだけです。

 そのようなトレーナーがあまりに増えすぎたためか、昨年はパーソナル・トレーニング業界に公正取引委員会の監査の手が入って、社会問題となりました。

 そして現在では、パーソナル・トレーニング・ブームから激安ジムによるチョコトレブームに業界の流れは変わっています。

 要するに、彼等太鼓持ちのようなインチキ商売人は本当は必要なかったと言うことでしょう。

 そしてもう少し時代が進めば、いずれ程度の低いチョコトレジムも淘汰されてゆき、意識の高い人々は自分で自分の身体を育む段階が訪れるのではないでしょうか。

 そしてその時に初めて、質の高い本物のパーソナル・トレーナーのニーズが上がるのだと思っています。

 しかし現状、有名筋トレユーチューバーが経営しているパーソナル・トレーニング付きのジムが倒産しかかっているとうのが現実です。

 その一方で、ボディ・ビル大会ではステロイド・ユーザーが次々と摘発されています。

 そのことが報道された直後に、現在最も注目を集めている若手天才ボディ・ビルダーが、ステロイド無しのリーグを離れてアリのリーグに移籍すると言う発表をしていました。

 界隈の質の向上が待たれますね。

 以上のことから見えてくるのは、現状、筋トレ自体は人生を支えるためにも有効だし、イケてるライフ・スタイルに叶った良いツールだという認知が広まったのですが、一方でそのための経験がまだ多数の人にシェアされておらず、設備の良くない安物ジムが入り口となってすそ野を広げていることと、有識者の間ではとっくにそのようなただ重りを動かすだけのトレーニングは目を向けられなくなっており、生化学面でのアプローチこそが中心になりつつあるということです。

 

                                                 つづく