新しい功夫映画の中の傑作 2 | サウス・マーシャル・アーツ・クラブ(エイシャ身体文化アカデミー)のブログ

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気持ちよく生きるためのライフスタイルとしての南派拳法(カンフー)蔡李佛拳とエスクリマ(フィリピン武術)ラプンティ・アルニス・デ・アバニコを横浜、湘南、都内で練習しています。オンライン・レッスン一か月@10000で行っております。
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 前回は、古きを踏まえて新しいアイディアで作った面白い功夫映画が近年出てきているということを書きましたが、今回も一つ紹介しようと思います。

「太極」という名の映画です。

 こちらは、1、2の二作セットとなっていて、太極拳の初代である楊露禅師が主人公のお話です。

 若き日の楊師が天才的な気の持主として反政府革命に参加する物の、偏差によってそのままだと死ぬと宣告され、治療のためには陳家溝に伝わる陳家拳を体得して気の流れを健全化させるしかないと教わり、なんとかその秘拳を体得しようというお話です。

 とはいえ、陳家拳は秘伝の必殺武術、外部の人間には教えないと言う掟があります。

 そこで若き露禅は陳家拳を体得している露店の叔父さんやらおばさんたちに戦いを挑み、ぼこぼこにされながら自得してゆくという様が、なんと物凄く軽~いコメディ・タッチで描かれています。

 外から来たバカだ間抜けだと言われていた青年が苦心して武術を身に着けた結果認められて、つじつまを合わせるために陳一族の娘と結婚して入り婿になる物の、あくまで命を助けるための便宜上のことなのでベッドには入れてもらえなくて床で寝ることになる、というちょっとしたラブコメ要素もあるくらい軽い。

 最終的には娘の方が主人公にほれ込む形になり、ベッドで寝てもいいんだからねっ! と招かれるホントに心底軽々しい展開もあり。

 ちなみに、最近の功夫映画で必ず登場するペアダンスシーンもあり。

 という訳でこれで命も助かったかと思うと、今度は入り婿として陳家溝の危機に立ち向かわないといけなくなります。

 これが、侵略してきている列強に対抗すべく国内に鉄道を走らせることになったために陳家溝に政府が地上げを仕掛けてくるという物。

 おわかりでしょうか。

 またも悪の黒幕は政府であり、主人公が立ち向かうべき危機とは「政策」なのですね。

   

                                           つづく