本物の世界 | サウス・マーシャル・アーツ・クラブ(エイシャ身体文化アカデミー)のブログ

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気持ちよく生きるためのライフスタイルとしての南派拳法(カンフー)蔡李佛拳とエスクリマ(フィリピン武術)ラプンティ・アルニス・デ・アバニコを横浜、湘南、都内で練習しています。オンライン・レッスン一か月@10000で行っております。
連絡southmartial@yahoo.co.jp

 先日の練習にも整体名人が来てくれました。

 今回は、嚢腫でやられて以来痛みが続いている右膝を始めとして、全身に施術をしてくれました。ありがたいことです。

 私の手は通称毒手と言われておりまして、発功すると色が変わります。

 中国のある老師曰く、その拳士の功が成っているかどうかは手を見れば分かるとのこと。

 人間の肩や肘は竹の節のように気が詰まるところがある。でも功が出来てくるとそこが通るようになるので、勁を用いた時に手の色が変わるというのです。

 平素の練習でその色が変わって戻るを繰り返しているうちに、色素が沈着してある程度普段も色が残るので、手を見れば分かるのだそうです。

 私の色も左様に日焼け痕のようになっており、とても手タレにはなれないのですがそれは序の口、拳を打てば気血が廻って手の甲から指が紫色に変色、膨れ上がって厚みが増します。

 朱砂掌というのは実際は砂の必要は無くて、ただ内功でこのように気血で手が変色する程度に成ることを目的としたのかもしれない。

 でね、名人に左手をやってもらうと右手が、右手をやってもらうと左手が、発功したときと同じく変色が起きました。

 つまり、きちんと整体で気血が巡っているということなのでしょうね。

 全身をやってもらうと大変に楽になりました。

 ほんとうに大したものです。

 さて、ここで陰陽思想です。

 私のライフスタイルというのはタオに則っているので、もらった気はきちんと相手にお返ししたい。

 整体をしてもらいながら名人に「これ、やってる間は私の身体の中の力の流れを読んで掴まえてますよね?」と質問をしていました。

 すると照れたように、整体なら出来るのだけれど武術だと上手くできないから両方できるようになりたいと言っていました。

 この会話も含めて、これだけ人の体内の気の流れを読んで動かせるのだから、この人なら大丈夫だろう、と思って名人の眉間を触らせておらいました。

「動かせますか?」

 と訊いてみたところ、掌に反応がありました。若干動いています。これで名人は自分の体内の力の感覚もあることが分かりました。よし。

 名人の手を取って、私の額の同じ部分に触らせてそこにある印堂穴、第三の目ともチャクラともいわれるところを動かしてみせました。

「あ、開くの!?」と感触で理解した名人、すぐに私の手にも彼の額の穴所が開く感触が伝わってきました。

 何度かそれを確認して覚醒したのを確認したので、次いで頭頂のチャクラともいわれる百会にも同じことをしてそこを開きました。

「あ、すげぇ!」

 と名人が喜んでいます。

 足の感覚が強くなって、足が凄く大きくなったみたいに感じているとのことです。

 これで立つ感覚が強くなった。

 こうして直接手を触れて伝えることをウェイと言います。私の気で誘導してチャクラ、中国では法輪と呼ばれる大きな穴所を開いて気の通りを変えたのです。

 百会が開くと対になっている足の裏とのつながりが強くなるので気で立つことが出来るようになります。

 このようにして全身の気と勁の通りが繋がったら、それで打つだけです。それが発勁。

 飛んだり跳ねたり地団太を踏んだりする必要はありません。すたすたと歩いてトンと触るだけです。

 ただこれを普段行わないのは、まだ内功が弱くて気の操作が出来ていない人をやってしまうと消耗したり偏差に陥ったりするためです。 

 そこまで自力で行けるだけの過程を通して気功を学んでいないと、コントロールが出来なくて困ってしまう。

 有名な高級武術団体でも、一定の実力を見に付ける段階にまで来れた弟子にだけこのようなイニシエーションが高額の謝礼のもとで行われて、武功を一人前にするというようなことが行われていると聴きました。

 私が平素からしつこく、まともに立てないとダメだと言っているのは、実はこのように気が頭から足の裏まで徹っているということを言っている訳です。

 これはやっぱりきちんと段階を踏んでしっかりとした指導を受けてでないとなかなか出来るようになりにくいところです。

 とはいえ時間も労力も金銭にも人間には限りがあります。

 普通にやっていたらまずそこまで行くのは難しい。

 でも、このようにしてタオの道に則っている師父がこの世に居れば、通りすがりの恩返しにおもってもいなかった物を渡すということがあるというのが中国式の伝統思想の世界観です。

 中国武術の伝承故事には、そのようにして遊行僧やら乞食道士やらから真伝を手渡されたという話が沢山あります。

 気の流れというのは停滞させてはけない。次に回して行ってこそ気の円環が成立し、正しくタオが通ります。

 こうして生きることで、本物の伝統文化の世界に生きているということをね、来てくれているみなさん一人一人にお伝えが出来てね、現代消費社会だけが世界の全ての面ではないのだよということをお伝えしてゆければ本懐というところです。

 

 注・ここで書いている気とは老子、荘子にあるものであり、昨今語られがちなオカルト、スピリチュアルの物とはまったく無縁の物です。

 当会ではこのようにはっきりと感じられ、目に見えて触れられる形での極意の教伝を行っており、口車や目くらましによる洗脳や囲い込みは一切行っておりません。