「ラベンダー・ヒル・モブ」
(原題:The Lavender Hill Mob)
1951年6月28日公開。
日本未公開。
ロンドン・パリを舞台にした犯罪コメディ。
イギリス・コメディの最高傑作。
オードリーはちょい役。
受賞歴:
アカデミー賞:
受賞:
最優秀脚本賞:T・E・B・クラーク
主演男優賞:アレック・ギネス
英国アカデミー賞:
受賞: 最優秀英国作品賞
ノミネート: 最優秀総合作品賞
全米監督協会賞:
ノミネート:
長編映画監督賞:チャールズ・クライトン
ヴェネツィア国際映画祭:
受賞:
最優秀脚本賞:T・E・B・クラーク
ノミネート:
金獅子賞:チャールズ・クライトン
- ナストロ・ダルジェント賞:
- 受賞:
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最優秀外国男優賞:アレック・ギネス
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脚本:マイケル・バルコン
監督:チャールズ・クライトン
キャスト:
- ヘンリー・ホランド: アレック・ギネス
- ペンドルベリー: スタンリー・ホロウェイ
- ラッカリー: シドニー・ジェームス
- ショーティ: アルフィー・バス
- ミセス・チョーク: マージョリー・フィールディング
- ファロー: ジョン・グレッグソン
- ミス・イーヴスハム: エディー・マーティン
- 巡査: クライヴ・モートン
- ターナー: ロナルド・アダム
- クレイトン: シドニー・タフラー
- 役人: ジャック・ブルニアス
- P・C・ウィリアムズ: メレディス・エドワーズ
- ゴッドウィン: ギブ・マクロフリン
- 監査役: パトリック・バー
- セニョーラ・ガラルド: マリー・バーク
- チキータ: オードリー・ヘプバーン
あらすじ:
ヘンリー・ホランド(アレック・ギネス)はリオデジャネイロで贅沢な生活を送り、夜は英国人訪問者と外食を楽しんでいた。
彼は、訪問者に対して、複雑な金塊強盗を扇動して自分の人生をどのように変えたかについての話をし始める。
ホランドはロンドンの野心的な銀行員として20年間、地金の配達を担当していた。
細かいことにこだわることで知られる彼は仕事に専念していたが、預けられた金塊を盗む計画を立て始めていた。
しかし、彼の計画には課題があった。
英国の闇市場で販売するのは危険が大きすぎるし、国外に密輸する方法もわからず、途方に暮れていたのだ。
ある晩彼は、ラベンダーヒルに存在する下宿屋で、アーティストのアルフレッド・ペンドルベリー(スタンリー・ホロウェイ)と出会って耳寄りな情報を得る。
ペンドルベリーは、観光地で販売されるプレゼントやお土産を製造する鋳物工場を所有しているというのだ。
観光地の一つはパリである。
ペンドルベリーがこの計画の成功の鍵であることに気づいたホランドは計画を説明する。
二人はすぐに計画を実行に移し、コソ泥のラッカーリー・ウッドとショーティ・フィッシャーの二人に協力を求める。
強盗の日、ウッドとフィッシャーは地金運送のバンを乗っ取り、金をペンドルベリーの作業バンに乗せ替えた。
ホランドは、事故で溺れそうになった後、警鐘を鳴らした英雄として称賛されるという不運な犠牲者の役を演じる。
仲間たちが金塊を溶かし、エッフェル塔の模型文鎮として再鋳造して海外に輸送する作業の中、ホランドはファロー警部率いる警察に虚偽の供述をしてごまかす。
盗まれた金の最後の荷物がパリに送られた翌日、ホランドとペンドルベリーは、ペンドルベリーの会社が提携しているエッフェル塔の頂上にある土産物売店から金を回収するためにフランスへ向かう。
しかし、二人は、金の文鎮が入っている箱の一つが、外国語の通訳ミスにより間違って開けられていることに気づき、愕然とする。
6つがイギリスの女子学生グループに売られているのを発見した二人は、イギリスに戻るために猛追する。
二人はなんとか女子生徒を追跡することができたが、文鎮は5つしか取り戻せなかった。
6つ目を持った少女は友人の警察官に届けようとしていた。
ホランドとペンドルベリーは少女を追跡するが、ヘンドン警察大学にある歴史展示会に連れて行かれる少女を恐怖の表情で見守る。
真実に気づき始めたファロー警部が文鎮を見つけて化学検査を命じたとき、ホランドの最悪の懸念がついに現実となる。
仕方なくホランドはそれを奪い、ペンドルベリーとともに盗んだパトカーで逃走する。
ホランドはパトカーの無線機を使って二人を追跡する警察官に誤解を招くニセの情報を流す。
そのため、ロンドン全土で追跡が始まる。
その後二人は、通りすがりの警察官に偶然発見されることになってしまう。
ペンドルベリーが罠にかかるが、ホランドは6つの黄金の文鎮を持って脱出に成功し、新しい生活を楽しむための十分な金額を彼に残した。
訪問者への話を終えた後、ホランドはお金がもうなくなってしまったと認めた。
だが、訪問者が実は警察官であることが明らかになり、ホランドはついにその場で逮捕されたのであった。
コメント:
イギリスのクライムコメディである。
金塊の輸送を管理する真面目な銀行員が、土産物屋と協力して金塊を強奪し、それをミニチュアのエッフェル塔に作り替えて国外に密輸しようとするが、計画は思いがけない方向に転がっていく。
本作は、例によって日本の映画界でほとんど相手にされなかった英国映画作品で、未だに日本未公開のままである。
1951年夏、日本で英国映画を配給していたNCC(ヘラルド映画の前身)でこの作品の試写が行われたが、出演者が中高年ばかりという渋さで、商売になりそうもないと公開されずに終わったという。
当時の日本は、見る目が無い人たちばかりだったと言うしかない。
そのため、タイトルも原題をそのままカタカナ表示した形になっているようだ。
原題にある「The Lavender Hill」というのは、主犯の二人が初めて犯罪を計画する起点となった「ラベンダーヒルにある下宿屋」を表している。
「Mob」というのは「ギャング」「犯罪集団」という意味である。
盗んだパトカーで逃走するシーンは笑える。
それがこちら:
とにかく奇想天外なストーリーになっていて大いに笑える作品である。
そして最後は、主犯者が御用となり、悪が栄えることはないという勧善懲悪の結末になっている。
この映画は、「イギリスのコメディの最高傑作」とも評される作品。
1951年度の英国アカデミー賞の最優秀英国作品賞を受賞したほか、アカデミー賞の脚本賞も受賞しており、ヴェネツィア国際映画祭の金獅子賞(作品賞)にもノミネートされている(同年の金獅子賞は黒澤明監督の『羅生門』)。
オードリー・ヘプバーンも出演しているが、チキータというチョイ役である。
10秒くらい出ているだけなのだ。
あの「ローマの休日」の2年前だ。
だが、やはり彼女は十分美しい!
この映画は、ソフト化されていて、TSUTAYAでレンタル可能:
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