キャサリン・ヘプバーンの映画 「女性No.1」 家事が大の苦手だった仕事No.1の新妻! | 人生・嵐も晴れもあり!

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「女性No.1」

(原題: Woman of the Year)

 

Woman of the Year (1942) - IMDb

 

「女性No.1」 プレビュー

 

1942年1月19日公開。

家事が不得意の「今年第1位の女性」を描くコメディ。

興行収入:$2,708,000。

 

脚本:リング・ラードナー・ジュニア、マイケル・ケニン

監督:ジョージ・スティーヴンス

 

キャスト:

  • サム・クレイグ:スペンサー・トレイシー
  • テス・ハーディング:キャサリン・ヘプバーン
  • エレン(テスの叔母):フェイ・ベインター

47 Woman Of The Year (1942 Movie) Stock Photos, High-Res Pictures, and  Images - Getty Images

 

あらすじ:

サム・クレイグ(スペンサー・トレイシー)とテス・ハーディング(キャサリン・ヘプバーン)はニューヨーク・クロニクル紙の記者である。

サムはスポーツ欄を、テスは国際ニュース欄を担当している花形記者で、二人の記者は大きな見出しで報道され、互いに人気を競っていたが、一度も会ったことはなかった。

ところがある日、ふと顔を合わせて互いに愛情を抱くようになって結婚した。

ニューヨークの立派なアパートメントで結婚生活が始められることになるが、結婚当夜から二人の職業が邪魔に入ってくる。

その夜突然テスを訪ねて来たセルビアの亡命政治家のために、新婚の二人きりの大切な時間がつぶされてしまったのである。

初めからケチがついた二人の結婚生活は、時が立つにつれ融和するどころか、ますます食い違いが出来て来た。

妻のテスが新聞記事を書くことに没頭すると、良人のサムがいやいや台所で食事の仕度やら皿洗いをしなくてはならないような始末である。

こんな有様で二人の気持ちさえも落ち着かないので、テスは打開策としてギリシャの亡命少年クリスをアパートに引き取ってくる。

ところがたまたま世論調査の結果、テスは「ナンバー・ワン女性」に選ばれて、ますます仕事が多忙となりクリスを顧みる暇もなくなる。

子守までも背負い込まなければならなくなったサムは、クリス少年をギリシャ亡命少年援護所に返し、やけ酒に浸り出す。すれ違いのままのある日、テスの父が再婚することになり、結婚式に招待されたが、その日にアメリカン・フットボールの決勝があり、サムは仕事を優先して欠席した。

ひとりで結婚式に出席したテスは、結婚の誓いをたてる2人の姿を見て、自分の結婚生活を深く反省した。

急遽帰宅した彼女は、初めて夫の好物を料理しようとするが、全くうまくいかない。

呆れる夫に、仕事を辞めて専業主婦になると言うが、サムはテスが専業主婦には向かないことを承知している。

二人は今までのやり方を改め、お互いを深く理解し合って、円満に結婚生活を続けて行くことを誓うのであった。

 

WOMAN OF THE YEAR” ( 1942 ) – In The Good Old Days Of Classic Hollywood.

 

コメント:

 

「ウーマン・オブ・ザ・イヤー」(「今年の女性ナンバーワン」)に選ばれた国際情勢特派員のテス・ハーディングと、スポーツライターのサム・クレイグの出会い、結婚、そして仕事へのひるむことのない献身の結果として、さまざまな問題に遭遇する夫婦を描いたものである。 

 

1999年、この映画は「文化的、歴史的、または美的意味を持つ」として米国議会図書館により米国国立フィルム登録簿に保存されるよう選ばれた。

 

キャサリン・ヘプバーンの才能あふれる佳作である。

 

時間が有って無いような仕事である記者の二人が結婚しても、二人ともそれぞれ仕事と結婚しているようなものだから、上手くいかないだろうと思ったら、全くそうではなかった。

スペンサー・トレイシー(サム役)には日常生活力があって、キャサリン・ヘップバーン(テス役)が全くそうではないという役柄設定になっているコメディである。


他面、キャサリン・ヘップバーンが記事を口述筆記させ電信や来客、出張、講演と仕事が超多忙なのに、スペンサー・トレイシーは仕事がヒマで恋愛にかまけているとしか見えない。

そんなスペンサー・トレイシーが甘えた小ボケをかますのは嫌味しか感じなかった。


今年の№1に選ばれた女性のプライベートは、こんなもんだと、女性の社会進出を皮肉ることが目的かも。

 

万能の女性を演じているのがキャサリン・ヘップバーンだから成立する映画だと言って良いだろう。

そのくらい、この映画の公開時は、この女優の人気は突出していた。


テス(キャサリン・ヘプバーン)はバリバリ仕事ができる、語学も堪能なワーキング・レディである。
冒頭、テスのラジオ放送から始まるが、「スポーツは疎いけど、野球の本塁から一塁に走ることが一番多いなんて、体力の無駄」なる発言をラジオで聴いている男は「アメリカ人にとって、野球は生活の一部だ」と憤慨するあたり、実にアメリカらしい。

その放送を聞いていたサム(スペンサー・トレイシー)は、テスを野球場に誘って、記者席に座らすが、野球を全く知らないだけでなく、非常にデカい帽子をかぶってきたテスが面白い。

キャサリン・ヘプバーンの料理姿が、みごとであった。

 

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