「ロビンフッドの冒険」
(原題: The Adventures of Robin Hood)
1938年5月14日公開。
英国の歴史物語を美しく映画化した名作。
興行収集:$3,981,000
脚本:マイケル・カーティス、ウィリアム・キーリー
監督:ノーマン・ライリー・レイン、シートン・I・ミラー
キャスト:
- ロビン・フッド:エロール・フリン
- マリアン姫:オリヴィア・デ・ハヴィランド
- ガイ・オブ・ギスボーン:ベイジル・ラスボーン
- ジョン王子:クロード・レインズ
- ウィル・スカーレット:パトリック・ノウルズ
- タック修道士:ユージン・ポーレット
- リトル・ジョン:アラン・ハイル
- マッチ:ハーバート・ムンディン
- ノッティンガム州長官:メルヴィル・クーパー
- ベス:ウナ・オコナー
- 獅子心王リチャード:イアン・ハンター
- 司教:モンタギュー・ラブ
- ディコン:ハリー・コーディング
あらすじ:
リチャード王(イアン・ハンター)が十字軍に従軍して出征した後のイギリスは、摂政ジョン公(クロード・レインズ)の支配下におかれたが、暴逆非道のジョンは盛んに悪政を行い、ことにサクソン人に対しては、前代未聞の重税を課して苦しめた。
この時戦線のリチャード王は異郷で土賊に捕えられ、土賊は巨額の身代金を要求して来た。
するとジョン公はその金を作るという名目で更に一層の重税を課してそれを着服し、これにいささかでも従わない者は容赦なく殺害するのであった。
この悪政に対して、敢然と起こったのがサクソン貴族第一の快男児たるロビン・フッド(エロール・フリン)であった。
彼は天人共に許さざるジョン公と一戦を交えんと同志を募り、シャーウッドの森に立篭って神出鬼没の早業でノルマンの軍勢を悩ました。
ジョン公とその腹心のサー・ガイ(ベイジル・ラスボーン)は、ロビン・フッドの傍若無人の活躍に激怒し、ロビン一味の首に莫大な賞金をかけて討伐せんとしたが、ノルマン軍は戦うたびに敗北するのであった。
ロビン・フッドはノルマンの貴族を襲って財宝を掠め、その3分の1は貧民たちに分け与え、残りは積立ててリチャード王救出の身代金を作ろうとした。
そしてサー・ガイがサクソン人から奪った食料や宝物を山と積んで、ノッティンガムの代官等と行列を作って帰ると知るや、その途中を襲い、一行を捕らえ、サー・ガイや代官を散々侮辱して解放した。
何とかして彼を捕えんと一計を案じたジョン公とサー・ガイは、日頃から弓の名人として自他共に許しているロビンをおびきき寄せるためノッティンガム城内で弓術試合を催す。
大胆にも変装したロビン・フッドは、ジョン公の鼻を明さんと城内に乗り込み、見事優勝してマリアン姫(オリヴィア・デ・ハヴィランド)から黄金の矢を授けられんとした時、サー・ガイに正体を見破られて城門を閉ざされ、無念や捕えられて投獄された。
処刑の日が近づいた時、日頃から彼への愛を秘めていたマリアン姫に救われて辛くも逃亡することが出来たが、ジョン公の謀叛の計画を知った姫は、ロビンに知らそうとしてサー・ガイに見つけられ、反逆者として投獄された。
その頃、土賊の手から逃れ僧に身をやつして帰国せられたリチャード王は、ジョン公の野望と姫の危急を知り部下を集めて出動しようとしているロビン・フッドの忠誠を喜び、初めて身分を明かして軍の戦闘に立たれる。
載冠式を挙げんとしていたジョン公と逆臣一味は捕えられて追放された。
そしてリチャード王は、ロビン・フッドとマリアン姫の結婚に、心からなる祝福を賜った。
コメント:
何度も手を変え品を変えして映画化されてきた、ロビン・フッドの物語。
伝説上の人物なので、ストーリーはいろいろあるが、ここでは定番の、リチャード1世と王弟ジョンを巡る歴史劇と組なっている。
公開以来、本作は批評家から高い評価を得ており、1995年には「文化的、歴史的、芸術的に重要な映画」としてアメリカ国立フィルム登録簿に登録された。
本作は、ワーナー・ブラザースが1938年に製作した映画の中で最高額の200万ドルの製作費が投入された。
また、テクニカラーで撮影した映画としても当時の最高額を記録している。ロビン・フッド役にはジェームズ・キャグニーが予定されていたが、彼がワーナーとの契約を解除したため、代わってエロール・フリンが主演に起用されることになったが、その影響で撮影が3年遅れている。
撮影はカリフォルニア州の各地で行われ、チコのビッドウェル公園ではシャーウッドの森のシーン、パサデナのロワー・アロー公園では弓腕大会のシーンが撮影された。
『ニューヨーク・タイムズ』は、「豊かに生み出された勇敢でロマンティック、そしてカラフルな物語は、今年の最優秀賞の前に飛び出してくる」と評価した。
『フィルム・デイリー』は、主演のフリンについて「優れた方向性」と「理想的な選択肢」と評価し、本作を「最高のエンターテインメント」と評価している。
『ハリソンズ・レポート』は「素晴らしいエンターテインメント」と絶賛し、「冒険、ロマンス、コメディ、そして人間の魅力が全ての観客を満足させるために巧みに取り込まれています…ロビンとガイの一騎打ちは、これまでに撮影された剣戟の中で最高にエキサイティングなものです」と批評した。
Rotten Tomatoesでは、44件のレビューが寄せられ、平均8.9/10点、支持率100%となっており、同サイトで29位の順位を記録している。
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