ハリウッド・スリラー映画 第82位「地球の静止する日」 地球に飛来した宇宙人との接触! | 人生・嵐も晴れもあり!

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「地球の静止する日」

(原題:The Day the Earth Stood Still

 

Amazon.co.jp: ロバート・ワイズ作 THE DAY THE EARTH STOOD STILL 1951年 映画ポスター 24X36インチ  レア(複製、オリジナルではありません) : ホーム&キッチン

 

「地球の静止する日」 プレビュー

 

1951年9月28日公開。

SF映画の古典的名作。

 

原作:ハリー・ベイツ『主人への告別』

脚本:エドムンド・H・ノース

監督:ロバート・ワイズ

 

キャスト:

クラートゥ:マイケル・レニー

ヘレン:パトリシア・ニール

トム:ヒュー・マーロウ

バーンハート教授:サム・ジャッフェ

ボビー:ビリー・グレイ

 

The Day the Earth Stood Still (1951) – The Movie Screen Scene

 

あらすじ:

ワシントン上空に奇怪な船体が現われ、着陸すると、奇妙な服をまとい英語を喋るクラートゥ(マイケル・レニー)という男が現れた。

彼は他の遊星から飛来し、危害を加えるものでないと云ったが、警備兵は彼に向かって発砲した。

すると船体から巨大なロボットのゴートが現われ、周囲の武器をすべて破壊しようとした。

だがクラートゥはロボットをとどめた。

彼は大統領秘書に、地球上の指導者たちが他の天体の征服を企画する限り、他の遊星からの攻撃を受けるから忠告したいと申し入れた。

だが指導者たちは彼と同席することを拒んだ。

クラートゥは姿を消した。

実は彼は普通の服を着て、仮名を使って宿屋に住み着いたのであった。

彼は美しい戦争未亡人ヘレン(パトリシア・ニール)とその息子ボビー、それに彼女の許婚トム(ヒュー・マーロウ)と知り合った。

有名な科学者バーンハート教授(サム・ジャッフェ)1人が、クラートゥの使命遂行を助けた。

クラートゥは使命の重大さを認識させるため、翌日の正午に世界中の電気を止めてみせたが、彼の意図は誤解され、クラートゥを逮捕せよと命令が出された。

トムはクラートゥの正体を知り、軍隊に通報した。

逮捕されるとき、クラートゥは致命傷を負った。

ヘレンは彼から托されたタブーの文句をゴートにきかせ、ゴートによる市の破壊は免れた。

ゴートはクラートゥをとりかえし、彼は生き返った。

地球の科学者会議が開かれ、一同はクラートゥの警告を受け入れた。

クラートゥはヘレンらに見送られて再び地球を去って行った。

 

The Day the Earth Stood Still (1951) – Review - Mana Pop

 

コメント:

 

1950年代はSF映画ブームとなったが、「空想科学映画」は子供向けのお伽話であり、異星人は敵対するモンスターとして描かれ、スペクタクルが優先されるジャンルの映画と思われていた。

その風潮の中で、本作は、ストーリーを重視して高い知性と友好的な異星人像を提示し、人類と異星人のファースト・コンタクトとそれに対する人類の動向をシミュレーション風に展開させた本格SF映画の先駆的な作品といわれている。

 

異星人「クラトゥ」とロボット「ゴート」は、1977年『未知との遭遇』が公開されるまで、友好的宇宙人の代表的な名前になっていた。

だが後年、ゴート出現シーンのスチール写真だけが取り上げられることが多く、映画の本質が見誤られていることもある。

 

The Day the Earth Stood Still” (1951): 70 years later, and still standing…  – Musings of a Middle-Aged Geek

 

製作にあたり、企画段階で、プロデューサーのジュリアン・ブロースタインは、冷戦時代の国家対立を危惧し、なんらかの形で世界情勢を表わす映画を作ろうと考えた。

そして、SF小説『主人への告別』のテーマである「人が見知らぬものにどのように反応するか」が気に入り、『主人への告別』を原作として採用した。

 

小説の設定で映画に使用されたのは、異星人のクラトゥ、巨大ロボット、ワシントンD.C.に出現したロケットだけで、先行する企画に合った小説を探したことから、ストーリーは全く異なったものになっているようだ。

 

不思議な飛行物体が香港、カルカッタ、イギリスと周りながら、北米のワシントンにフワッと着陸する。

街と軍は一体となって騒然とし、ラジオ、テレビ、新聞が騒ぎ出せば、政治も動き出す。

大統領の秘書官(フランク・コンロイ)は、円盤から出てきた人クラトゥ(マイケル・レニー)と会談する。

円盤から出てきたロボットのゴートは、軍の武力を発光させることによって無力化する。

そして、そして不気味に静止しており、その円盤のような船もただそこにある。
テレビではキャスターが宇宙からの飛来を報道しており、その放送を見ているお茶の間に、クラトゥがカーペンターを名乗り、不敵に笑いながら棒立ちして現れる。
ヘレンの息子ボビー(ビリー・グレイ)とクラトゥは、この都市をめぐる。

アーリントン墓地、ワシントン像、映画などが、彼らのコースであるが、少年のふとした言葉から二人はバーンハート教授(サム・ジャッフェ)を訪れることになる。

黒板には天体力学の数式が書かれているが、クラトゥはそれにヒントを足すことで、存在を示す。
クラトゥの助言は、地球の原子力とロケットであり、兵器化するそれらが地球を破滅に追い込むという。

あわせてクラトゥからは暴力が示威され、教授を従わせる。

ボビーのベッドの下からはミニチュアの鉄道と列車が引き出され、クラトゥは懐中電灯を手に入れる。

この電灯を点滅させながらロボットを操り、船に入ると、船の中でも様々な小さな光や点滅できる光が群れている。
世界の電力とエネルギーは正午を境に停止する。

パリ、モスクワなどの都市も当然ながら、都市から田舎までが30分間、停止する。

トム(ヒュー・マーロウ)と女ヘレン(パトリシア・ニール)がクラトゥとの駆け引きの鍵を握っている。

夜、車両は目のようにヘッドライトを光らせながら、封鎖されたワシントンの街路を走り、物語とこの光たちは、クラトゥの元に収束しようとするかにも見える。

ダイヤは多面に光を屈折させている。

ゴートはきっかけを得て、動き出そうとしている。

ヘレンは悲鳴をあげる。ゴートの目の部分の覆いが開いては閉じる。

彼の無機と無言は、奇怪な音楽で演出されている。

サウンドは高音化し、クラトゥを世界に引き戻す。

教授の演説があり、ワシントンさながらの位置から、ゴートという暴力を背景に、クラトゥは演説をぶつ。

ラストのクラトゥの演説は説得力がある。

クラトゥは地球に選択肢を示し、発光する船とともに星空の中心へと小さく消えていく。

 

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