新田次郎の映画「風の中の瞳」田村高廣の教師もの! | 人生・嵐も晴れもあり!

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「風の中の瞳」

 

◇古い映画ポスター 松竹「風の中の瞳」監督/川頭義郎◇田村高広 有沢正子 平山芙美子 石川竜二(映画)|売買されたオークション情報、Yahoo!オークション(旧ヤフオク!)  の商品情報をアーカイブ公開 - オークファン(aucfan.com)

 

1959年6月9日公開。

 

原作:新田次郎「風の中の瞳」

脚本:楠田芳子 

監督:川頭義郎 

 

キャスト:

  田村高廣  寺島先生
  有沢正子  堀山先生
  富永ユキ  岩井まさ
  平山芙美子  荒木雪子
  瓜生登代子  澄田千穂
  高橋民子  望月さか江
  北竜二  さか江の父PTA会長
  永田靖  町工場主木村
  石川竜二  日野敏男
  坂井重男  川村広三
  杉本修  宮崎厚

 

風の中の瞳

 

あらすじ:

寺島(田村高廣)は飛塚中学に就職し、三年のあるクラスの担当教師となった。

このクラスの秀才は日野(石川竜二)で、彼はクラブ活動の議長をつとめ、女生徒・荒木雪子(平山芙美子)とコンビだった。

川村(坂井重男)は、小学校の頃から日野とせり合った仲だったが、家が貧しく、高校進学は諦めていた。

近くの八百屋を手伝い、自転車の配達をしていた。

関西へ修学旅行が行われた。川村は残留組にまじっていた。

このように川村だけが孤立していくのが、担任の寺島の心を痛めた。

--夏が来た。

有志が蓼科山へ行くことになった。

寺島は川村を誘った。

旅費は、川村が社会人となってから返済することにして、寺島が立替えたのだ。

ところが、頂上附近で雷雨にあい、一行は危うく遭難しかかった。

健脚の日野と荒木が下山し、救助隊に告げた。

全員が無事に救い出されたが、PTAが寺島の行動を非難した。

卒業期。

川村はある町工場へ就職が決まった。

高校進学組の生徒たちも、それぞれ合格の通知を受け取った。

だが、宮崎という生徒だけが失敗した。

宮崎は服毒自殺を図った。

川村がいち早く発見して救った。

かつて二人は犬猿の仲だったのだが。

卒業式の日、修学旅行の留守を気象観測していた川村らの論文が、新聞社の選考で一等に選ばれるという朗報が届いた。

寺島は川村の手を握った。

生徒たちを前にして、寺島はとっておきの歌を公開した。

 

コメント:

 

原作は、新田次郎の同名小説。

1958年に東都書房から刊行された。

 

風の中の瞳』(新田 次郎,亀倉 雄策,朝倉 摂):講談社文庫|講談社BOOK倶楽部

 

この当時の新田次郎は、気象庁の職員と作家との兼業をしていた。

山岳小説と並行して、青春を生きる若者の姿を描いたものも多い。

本作も、少年少女向けに書いた中学生の物語だ。

清々しい内容の本で、読んで心が洗われると、多くの人に人気を得た小説である。

 

映画は、富士山をバックにでっかく「グランドスコープ」。

中学校に赴任してきた新任教師を田村髙広が演じている。

3年B組の担任となる。

勉強はできるが貧乏なので進学をあきらめている子、医者の息子で受験に失敗する子などいろいろな生徒を描いている。

有名唱歌などのメロディが流れてくる。

中学校は木造2階建て校舎。

 

夏山登山で、生徒たちが蓼科山へ行くが、遭難してしまう。

幸いにして救助されるが、このあたりは『八甲田山死の彷徨』(1971年)を予感させる。

 

この映画は、今年2月にシネマヴェーラ渋谷で上映されたようだが、その後の上映の記録は不明。

動画配信もレンタルも見当たらない。