ハリウッド・スリラー映画 第29位「シャイニング」雪深い山中のホテルでの恐怖を描くスリラー! | 人生・嵐も晴れもあり!

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「シャイニング」

(原題:The Shining)

 

The Shining (1980) (Blu-ray)

「シャイニング」 プレビュー

 

1980年5月23日公開。

雪深い山中のホテルを舞台に怨念と狂気を描く。

興行収入:$94,984,856。

 

原作:スティーヴン・キング

脚本:スタンリー・キューブリック、ダイアン・ジョンソン

監督:スタンリー・キューブリック

 

キャスト:

ジャック・トランス
演 - ジャック・ニコルソン
作家志望の男。アルコール依存症を患っている。「管理人」の職を求めて、家族と共にオーバールック・ホテルに訪れた。
ウェンディ・トランス
演 - シェリー・デュヴァル
ジャックの妻。
ダニー・トランス
演 - ダニー・ロイド
ジャックとウェンディの一人息子。「シャイニング」の能力を持つ。
ディック・ハロラン
演 - スキャットマン・クローザース
ホテルの料理長。終盤、ジャックによって殺害される。
スチュアート・アルマン
演 - バリー・ネルソン
ホテルの支配人。
デルバート・グレイディ
演 - フィリップ・ストーン
ロイド
演 - ジョー・ターケル
バーテンダー
医師
演 - アン・ジャクソン
浴室の若い女
演 - リア・ベルダム
浴室の老女
演 - ビリー・ギブソン
グレイディの娘
演 - リサ・バーンズ、ルイーズ・バーンズ

 

The Shining (1980) | Horror movie art, The shining, Horror films

 

あらすじ:

ジャック・トランス(ジャック・ニコルソン)は、オーバー・ルック・ホテルで支配人と会い、そこに管理人として住み込む話を進めていた。

その頃、ジャックの家では、息子ダニー(ダニー・ロイド)が母親ウェンディ(シェリー・デュヴァル)と食事をしながら浮かない顔をしていた。

友だちのいない彼は、自分の中にトニーというもう一人の人間を育てており、そのトニーがホテルに行く事に賛成していないのであった。

その時、ダニーの目の前で幻想ともつかぬ恐ろしい光景がよぎる。

それはエレベーターの扉から滝のように流れ出る夥しい量の血と、その前に立ちつくす双児の少女の不気味な姿だった。

やがて、一家三人は大自然の中に建てられたオーバー・ルック・ホテルに到着し、一家三人だけの孤独な生活がはじまった。

ジャックの頭の中には、支配人が語ったある惨劇のことがちらついていた。

それは、ジャックの前任者の管理人グレイディ(フィリップ・ストーン)という男のことで、彼は、この生活のあまりの孤独のために気が狂い、妻と二人の娘を斧で殺し、自分も自殺したということだった。

ホテルが閉鎖される日、黒人の料理人ハロラン(スキャットマン・クローザース)と二人になった時、ダニーは“シャイニング”という、幻視超能力の話をハロランから聞き、何げなく237号室のことを訊くが、彼は驚きの表情を見せるだけだった。

その237号室の前の廊下をダニーが通る時、彼は決まって何か恐ろしい空気を感じていた。

一方、ジャックは、作家という仕事柄、静かなホテルの一室で書けることはこの上なく好都合だったが、いざ始めてみると苛立つばかりで進まない。

ウェンディは、そんなジャックの様子を見て不安になった。

そして、三人の緊張に満ちた不安定な生活が遂に惨事を生むまでにいたる。

237号に忍び込んだダニーが何者かに傷つけられ、作品を書いていると思われたジャックのタイプには一行のある言葉が何百枚もの用紙に書き綴られており、その用紙を目撃したウェンディをジャックが襲った。

必死で逃げるウェンディはまずダニーを部屋の窓から外に逃がした。

窓はウェンディが脱出するにはせますぎ、斧で扉をこわし始めたジャックの狂気の声を聞きながらウェンディは焦った。

そのころ、何か悪い予感を感じ猛雪の中をホテルに向かっていたハロランが到着し、一家を探して部屋の中に入ってきた。

そのハロランをジャックの斧が襲った。

ダニーの姿を目にしたジャックは、斧をかざして、庭にある迷路に逃げたダニーを追った。

複雑に交錯する迷路を巧みに逃げ通し、やがてウェンディとめぐり会ったダニー。

ニ人はハロランが乗ってきた車に逃げ込むと、恐ろしいホテルを後にした。

翌日、降り積った雪の中には、惨めに凍りついたジャックの姿があるのだった。

 

The Shining (1980) | FlickDirect

 

コメント:

 

本作は、『時計じかけのオレンジ』のスタンリー・キューブリックが製作・監督し、小説家のダイアン・ジョンソンと共同脚本を務めた、1980年公開のサイコロジカル・ホラー映画。

原作は1977年に出版されたスティーヴン・キングの同名小説。

 

出演は、ジャック・ニコルソン、シェリー・デュヴァル、スキャットマン・クローザース、ダニー・ロイド。

 

コロラドの雪深い山中にあって冬期は閉鎖されている由緒あるリゾート・ホテルを舞台に、その管理にやって来たある親子三人に取り憑く怨念と狂気を描く恐怖映画。

 

スタンリー・キューブリックの名作ホラー映画である。


シーズンオフの豪華リゾートホテルに移り住む主人公一家。

しかし、ホテルの場所はもともとインディアンの墓地があった場所で、過去にいわくつきの事件があったところだった。

そのため、ホテルの邪悪な意思によって夫ジャックが少しずつ壊れていく。

息子は霊感が強く、ホテルの異変に気付くも、その影響をもろに受けてしまい恐怖でふさぎ込んでしまう。

妻ウェンディは、夫の奇行と息子の謎の病状に悩まされ、ついには自分に迫る身の危険を察知して、パニックになりながらも息子と共にホテルを脱出するよう試みる。


ジャック・ニコルソンが斧でドアを壊すシーンはあまりにも有名で、恐怖で発狂するウェンディに扮するシェリー・デュヴァルの顔は真に迫る名演技だ。

 

タイトルの「シャイニング」と呼ばれる心霊能力は、東洋的なイメージが強く、西洋的には珍しいホラーの形に感じるとされている。

 

実際70年代ホラーのヒット作のほとんどは、襲う側は既に常軌を逸している状態からはじまるから、時間の経過とともに精神汚染されていくようなものは極めて少ない。

希少価値のある作品である。

 

不穏なBGMは終始続き、鑑賞者の気持ちを不安でかき乱すような演出がたまらない。


この作品の映画化に伴い、キューブリックと原作者スティーヴン・キングが作品の内容改変でかなり揉めたことは有名である。

特に、後半については結末が全然違うので、キングがかなり激怒したという。

しかも、別のエンディングを撮っていたにもかかわらず、それを監督本人が破棄して途中で終わらしている。

最終的にこの不可解な終わり方こそが、のちに観客者にイマジネーションを与え、名作になったのだといわれている。

 

ジャケットにも採用された、この映画の象徴ともいえる「叩き割ったドアの裂け目から顔を出したジャック・ニコルソンの狂気に満ちた表情」が凄まじい。

これを撮るためにキューブリックはわずか2秒程度のシーンを2週間かけ、190以上のテイクを費やしたという。

 

本作の舞台となるオーバールック・ホテルの外観として使用されたのは、アメリカ・オレゴン州にあるフッド山の南側に建つティンバーライン・ロッジである。

 

マウント・フッドの宿 | オレゴン州ポートランド

 

内装は、カリフォルニア州ヨセミテ国立公園のアワニー・ホテルをモデルとしている。

外観に使われた当ロッジは原作通りの217号室が実在するため、号室の変更を要求し、映画では237号室に変更された。

 

The Majestic Yosemite Hotel|海外旅行のSTW

 

当時はホラーの傑作として評されたが、今観ると色遣いや美術の方に目が行く。
まずはタイトルバックの文字の色に薄い青を使っていたり、今見ると古臭いフォントや、当時は最先端の技術だったコロラドの山を下から撮ってみたり上から俯瞰してみたりという撮影方法が面白い。

 

ホテルの白い壁紙にインディアン調のカーペットやバーの雰囲気、また「時計仕掛けのオレンジ」を思わせるような白と赤を中心とした近未来的なトイレ、黒人のコック長のマイアミの自宅と思われる少しリゾート的な雰囲気など、雪山と対比させる様な美術も、また面白い。

 

ホラー映画の中でも最も偉大で影響力のある作品の一つとされ、ポップカルチャーの定番となっている。

 

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