ハリウッド・コメディ映画 第1位 「お熱いのがお好き」 マリリン・モンローがエロい! | 人生・嵐も晴れもあり!

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「お熱いのがお好き」

(原題:Some Like It Hot)

 

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「お熱いのがお好き」 予告編

 

1959年3月29日公開。

ビリー・ワイルダー監督によるハリウッド映画の名作コメディ。

 

受賞歴:

アカデミー賞:

受賞
アカデミー衣装デザイン賞 白黒部門(オリー・ケリー)
ノミネート
アカデミー監督賞:ビリー・ワイルダー
アカデミー主演男優賞:ジャック・レモン
アカデミー脚色賞:ビリー・ワイルダー、I・A・L・ダイアモンド
アカデミー撮影賞 (白黒部門):チャールズ・ラング
アカデミー撮影賞 (白黒部門):テッド・ハワース(美術監督)、エドワード・G・ボイル(装置)

ゴールデングローブ賞:

受賞
ゴールデングローブ賞 作品賞 (ミュージカル・コメディ部門)
ゴールデングローブ賞 主演男優賞 (ミュージカル・コメディ部門):ジャック・レモン
ゴールデングローブ賞 主演女優賞 (ミュージカル・コメディ部門):マリリン・モンロー

 

脚本:ビリー・ワイルダー、I・A・L・ダイアモンド

監督:ビリー・ワイルダー

 

キャスト:

トニー・カーティス:ジョー
ジャック・レモン:ジェリー
マリリン・モンロー:シュガー

ジョージ・ラフト:スパッツ・コロンボ

ジョー・E・ブラウン:オスグッド3世

 

Some Like It Hot

 

あらすじ:

禁酒時代のシカゴのもぐり酒場。

サキソフォンを吹いていたジョー(トニー・カーティス)と、バス・ヴァイオルを弾いていたジェリー(ジャック・レモン)は、酒場に警察の手入れが入って失職した。

困った2人は新しい仕事場へ都落ちするため、ガレージに自動車を借りに出かける。

ところがそのガレージで、彼らはギャングの殺人を目撃する。

折からの聖ヴァレンタインの日を期して、2人がもと働いていた酒場の持ち主スパッツ・コロンボ(ジョージ・ラフト)が、もぐり営業を密告した男に機関銃弾をぶちこんだのである。

逃げ出した2人は、コロンボ一味に狙われる身の上となった。

生命の危険を感じた2人は、ジョーがジョセフィン、ジェリーがダフニと名を変えて、女装して女性オーケストラ一行にまぎれこみ、マイアミ演奏旅行に出発する。

オーケストラの一員に、ウクレレ奏者の金髪娘シュガー(マリリン・モンロー)がいた。

ジョーは一目でシュガーに惹かれたが、彼女は過去に6回もサキソフォン吹きとの恋愛に失敗し、今度は成金と結婚しようと狙っている娘だった。

それに女を装う身の上では、求愛もできない。

一方ジェリーのダフニは、マイアミで年輩の大金持の御曹子オスグッド3世(ジョー・E・ブラウン)に一目惚れされてしまう。

そこで一計を案じ、ジョーは男の姿に戻って石油成金と偽り、シュガーをつれ出す。

そしてジェリーの誘いで外出したオスグッド3世のヨットを使い、彼女と愛をささやくことに成功。

2人の二重生活が進行中のそんなある日、ギャング達の集会がマイアミで開かれ、スパッツ・コロンボが一味をつれてオーケストラ一行と同じホテルにやってきた。

びっくりした2人は、正体を見破られかけて逃げ出す仕度をする。

ギャングの集会では、勢力拡張を計るコロンボが組織の怒りを買い、集会の席上で突然射殺される事件が起こる。

そんな騒ぎのうちに、ジョーは実は自分は男だと打ち明けて、シュガーとともに安全なヨットに逃れる。

ヨットに向かう途中、ジェリーもオスグッド3世に、自分が男である身の上を打ち明ける。

しかしオスグッド3世は、平然として言った。

「誰でも完全な人間なんてありはしない」と。

 

SOME LIKE IT HOT - American Cinematheque

 

コメント:

 

マリリン・モンローの色香があふれる喜劇映画。

 

1920年代、禁酒時代のアメリカ風俗を背景に、ギャングやチャールストン・ダンスなどをからませたウィットに富むドラマが展開する。

劇中、カーティスとレモンは、作品全体の4分の3近くを女装で通すという趣向がこらされている。

 

葬儀屋の怪しげな車とパトカーの追いかけっこ。1929年禁酒法最中のシカゴ。葬儀屋の中では怪しげな宴会が???シリアスな幕開け。

そこで演奏していた二人の男が・・・。

 

マリリン・モンローが登場してからはコロコロと二人の立場が変わる面白さ。

何度見ても笑える数少ない映画で、オチも洒落ている。

 

マリリン・モンローが、亡くなる3年前の最後のヒット作である。

この人は、ハリウッド映画のセックスシンボルとして有名になったが、1962年8月4日、ロサンゼルスの自宅でバルビタールの過剰服用により36歳で死去した。

 

この映画は、有名なセントバレンタインデーの虐殺から発想を飛ばした見事なコメディなのだ。

 

まず、この映画の原題「Some Like It Hot」の意味するところから。

タイトルはマザー・グースの『Pease Porridge Hot(英語: Pease Porridge Hot)』(熱々の豆がゆ)の一節に由来する。

 

これは、日本の『せっせっせ』に似た手遊び歌だという。
『Pease Porridge Hot』とは:

 

 

 

1番♪

2番♪

Pease porridge hot / Pease porridge cold
Pease porridge in the pot / Nine days old
熱い豆粥もあれば 冷たい豆粥もある
この鍋の豆粥なら 9日前の残りもの

 

Some like it hot / Some like it cold
Some like it in the pot / Nine days old
熱いのが好きな人もいれば 冷たいのが好きな人もいる
中には9日前から鍋に残っているのが好きな人もいる

 

ここで「it」は「豆粥」のことをさしている。

そして、この代名詞「it」は省略できない。

 

「like+もの+状態」=「ものがその状態であることを好む」

○「like it hot」=「その豆粥が熱い状態であることを好む」⇒「熱い豆粥が好き」

×「like hot」=「熱いを好む」???

 

こうして歌詞全体を読むと、「Some like it hot」は「好みは人それぞれ」という意味になるという。

 

つまり、日本語タイトルの「お熱いのがお好き」というのは、この歌の一部だけをピックアップしているので、的を得ているとはいえないが。

 

原題「Some like it hot」が、「好みは人それぞれ」なのだから。

 

マリリン・モンローが出ているから「お熱いのがお好き」というのは、相当意味深なエロいことではないかなどと想像したりしてしまう。

 

だが、たしかにマリリン・モンローのこの姿を見ると、「お熱いのがお好き」というタイトルもまんざらダメということにはならないだろう。

やっぱり、モンローはエロかった!

 

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聖バレンタインデーの虐殺( St. Valentine's Day Massacre)というのは、1929年2月14日にシカゴで起きたノースサイド・ギャングとサウスサイド・ギャング(後のシカゴ・アウトフィット)との間で起きた抗争事件である。

 

犯行はサウスサイド・ギャングのボスであるアル・カポネが指揮していたと言われ、抗争を繰り広げていたバッグズ・モラン率いるノースサイド・ギャングの構成員4人及び一般人3人の計7人が殺害された。

この事件は犯人たちがパトカーを使い警官に扮していたこともあり、全米中のマスコミの注目を浴びた。

 

モラン率いるノースサイド・ギャングとカポネ率いるサウスサイド・ギャングは血で血を洗う抗争を繰り返しており、モランは頻繁にカポネの命を狙っていた。危機を感じたカポネはモラン一味に密造酒の偽取引を持ち掛けて抹殺すべく、カポネと部下のジャック・"マシンガン"・マクガーンにより計画され、サウスサイド・ギャングと協力関係にあったデトロイトに本拠を構えるパープル・ギャングの協力を得て実行された。

マクガーンは暗殺部隊としてカポネの用心棒フレッド・“キラー”・バーク (Fred Burke)、ジョン・スカリーゼ、アルバート・アンセルミ、ジョゼフ・ロロルド、キューウェル兄弟(パープル・ギャングのメンバー)の6人のチームを編成した。一部資料によると、ヒットマンの中にトニー・アッカルド、サム・ジアンカーナもいたという説もある。

1929年2月14日の午前10時半頃、モランと関係者たちはパープルギャングが強奪したウィスキーを、シカゴ北部のSMC運送会社の倉庫にあるモランの本部に配送することになっていた。

モラン組の関係者6人が倉庫に入り、たまたまそこを通りかかった眼鏡屋のラインハルト・シュヴィマーと話をしていると、5人の警察官が倉庫にやってきて全員に壁に並ぶよう命じた。

7人は素直に指示に従ったが、実はこの警察官はカポネ側のヒットマンが扮装した偽警察官であり、トンプソン・サブマシンガンとショットガンを取り出して一斉に発砲し彼らを蜂の巣にした。

時間はわずか8分ほどで素早く行われた。

本物の警察官が現場に駆け付けた時にはフランク・グーゼンバーグのみ生存しており、病院に搬送されたが3時間後に死亡した。

しかし、モランは倉庫に到着するのが数分遅れたため倉庫の前に(偽物の)パトカーが止まっているのを見て警察の手入れを恐れて、連れのマークスとニューベリーの2人とその場を逃げ出し、事なきを得た。

カポネは事件当時はフロリダで事情聴取を受けていた。

マクガーン、アンセルミ、スカリーゼは事件後起訴されたが、アリバイを主張して無罪となった。結局、この虐殺の罪では一人も逮捕されなかった。

事件後、ノースサイド・ギャングはカポネに対して最早重要な脅威ではなくなり、モランは1957年まで生き永らえた。

この凄惨な事件がマスコミによって大々的に取り上げられると、これまで大衆の人気者だったカポネは一転憎悪の的となり、警察は総力を挙げてカポネ起訴に乗り出すことになる。

ちなみに事件現場の倉庫は1967年に取り壊され、現在は隣接する老人ホームの庭園及び駐車場となっているという。

 

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