イタリア映画 「ノー・スキン」 あるカップルと神経障害の男との愛の軌跡を描く! | 人生・嵐も晴れもあり!

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「ノー・スキン」

(原題: Senza pelle

 

Senza pelle (1994) - IMDb

 

「ノー・スキン」 プレビュー

 

1994年公開。

日本未公開。

恋愛と神経障害者の救済をテーマにした異色の名作。

 

監督・脚本:アレッサンドロ・ダラトリ

 

キャスト:

サヴェリオ:キム・ロッシ・スチュアート 

ジーナ:アンナ・ガリエナ 

リッカルド:マッシモ・ジーニ 

マドレ・ディ・ジーナ:レイラ・デュランテ 

マドレ・ディ・サヴェリオ:マリア・グラッツィア・グラッシーニ 

パオラ:マリーナ・タグリアフェッリ 

ロッサナ:パオラ・ティツィアーナ・クルチアーニ

 

Senza pelle 狂戀吉娜@ Rossignol 夜鶯的流浪筆記:: 痞客邦::

 

あらすじ:

ジーナは、美人の郵便局員だった。

そして、リッカルドはバスの運転手だった。

二人は3年間同棲してきたが、結婚はせず、ごく普通の生活を送り、ささいなことに喜びを見出していた。

ある日、ジーナは匿名の崇拝者から情熱的なラヴレターを受け取った。

それは、サヴェリオからの手紙だった。

サヴェリオは、中産階級のハンサムな若者であったが、神経障害にかかっていた。

そのため、彼は極端に傷つきやすく、周囲の人たちから孤立していた。

サヴェリオの人生には母親がいるだけだった。

彼の母親は、何とか彼の病気が良くなるように心を砕いていた。

サヴェリオは、ジーナに激しい恋をしていた。

彼は、手紙や詩や花に彼の愛を託し、やさしさでジーナを圧倒した。

サヴェリオのジーナへの情熱は、リッカルドとジーナの生活を根底から崩してしまった。

衝動的なリッカルドは、サヴェリオの家に押しかけて乱暴な行動をとった。

一方ジーナは、初めはすげない態度をとっていたが、次第にサヴェリオに同情するようになっていった。

リッカルドとサヴェリオとの男同士の戦いになって行った。

リッカルドは、必死の思いで戦い、ついにジーナを取り戻すことに成功した。

一方サヴェリオは、ジーナの励ましで神経障害の治療を受けることにした。

その後、施設でジーナとは別の入院患者の女性との心のふれあいを見出すのであった。

 

Movie Trailer - Senza.Pelle.flv - YouTube

 

コメント:

 

本作は、アレッサンドロ・ダラトリが脚本・監督した1994年のイタリアのドラマ映画。

第47回カンヌ国際映画祭の監督週間部門に出品された。

 

原題の「Senza pelle」とは、「皮膚無し」という意味。

まさに、「ノースキン」である。

 

これは、神経障害という精神病を病んでいる若者の心を表現しているのだろう。

心を守れるものが無いため、全ての刺激が直に神経を圧迫するのだ。

 

本作の監督・脚本をつとめたダラトリは、ダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞、ナストロ・ダルジェント賞、チャック・ドーロ賞の脚本賞を受賞した。 

 

幸せな夫婦の生活が、妻がうつ病で精神的に不安定な青年の注目の的となることによって一変する様子を描く異色のラブ・ストーリーである。

 

キム・ロッシ・スチュアートは、献身的で社会的に安定した女性ジーナと恋に落ちるアウトサイダーな若い男性サヴェリオを演じている。

特別な感性を持つ人々への配慮で見える世界を表現することに成功している作品である。

 

並行世界が衝突し、アンナ・ガリエナ演じるジーナの、非常に深く、非常に繊細な心理が現れ、彼女自身の繊細で優しい勇気に圧倒されるという、痛みを伴うプロットが展開する。

この女性の心の変化が巧みに演出されており、恋愛映画の最も重要な部分を描くことに成功している。

 

 

キム・ロッシ・スチュアートは、スコットランド系イタリア人俳優の父ジャコモ・ロッシ・スチュアートと、ドイツ系およびオランダ系の元モデルの母クララ・ミュラーの間に生まれた。

1984年、14歳で初めてテレビシリーズの主演を務める。1987年公開の『カラテ・キッド』および翌年公開の続編『カラテ・キッド/激闘編』を経て、ランベルト・バーヴァ(Lamberto Bava)監督のファンタジー大作『Fantaghirò』シリーズによって広く知られるようになる。

1994年には、本作『ノースキン』と『Cuore cattivo』に相次いで出演し、いずれも高い評価を得た。

続いて、ミケランジェロ・アントニオーニとヴィム・ヴェンダースの共同監督によるオムニバス映画『愛のめぐりあい』(1995年)、スタンダールの同名小説を原作としたテレビ映画『赤と黒』(1998年)等、数多くの映画やテレビドラマに出演して人気を博し、2002年公開のロベルト・ベニーニ監督作『ピノッキオ』ではルシーニョロ役を演じる。

その後、ジャンニ・アメリオ監督作『家の鍵』(2004年)でイタリア・ゴールデングローブ主演男優賞、ミケーレ・プラチド監督作『野良犬たちの掟』(2005年)でナストロ・ダルジェント主演男優賞を受賞し、俳優としての地位を不動のものとする。

2007年には初監督作品『気ままに生きて』がカンヌ国際映画祭で上映され、同作によりダヴィッド・ディ・ドナテッロ新人監督賞を受賞する。

2009年公開のフランチェスカ・アルキブージ監督作『ハートの問題』ではアントニオ・アルバネーゼ(Antonio Albanese)とともにダヴィッド・ディ・ドナテッロ主演男優賞およびナストロ・ダルジェント主演男優賞にノミネートされ、再びミケーレ・プラチドとタッグを組んだ『Vallanzasca - Gli angeli del male』(2011年公開)では実在のマフィアを演じてナストロ・ダルジェント主演男優賞を受賞した。

その後の出演作としては、ダニエーレ・ルケッティ(Daniele Luchetti)監督作『ハッピー・イヤーズ』(2013年)、タヴィアーニ兄弟監督作『素晴らしきボッカッチョ』(2015年)などがある。2016年には11年ぶりの監督作品となる『Tommaso』が公開された(兼脚本・主演)。