「ボイス・オブ・ムーン」
(原題:La Voce della Luna)
1990年公開。
フェデリコ・フェリーニ監督の遺作。
イタリアのある田舎町での出来事を描く。
監督・脚本:フェデリコ・フェリーニ
キャスト:
サルヴィーニ:ロベルト・ベニーニ
アルディーナ:ナディア・オッタヴィアーニ
マリーザ:マリーザ・トマージ
ゴンネッラ:パオロ・ヴィラッジョ
あらすじ:
どこにでもありそうなイタリアの田舎町、レッジョーロ。
皆にちょっとばかりおかしいと思われている詩人のサルヴィーニ(ロベルト・ベニーニ)は井戸の側で不思議な声を聞いた晩、墓地でオーボエで悪魔の音を吹く男に出会う。
サルヴィーニは満月のように美しい女性アルディーナ(ナディア・オッタヴィアーニ)に会いに出かけるが、驚いた彼女に追い出され、偶然出会った友人ネストレ(アンジェロ・オルランド)から、彼の異常性欲の妻マリーザ(マリーザ・トマージ)との恋の思い出を聞かされる。
周りの全てが虚偽だという妄想に取りつかれている元知事ゴンネッラ(パオロ・ヴィラッジョ)とサルヴィーニは初めて出会って、二人でミス・小麦粉コンテストに出かけるが、そこでサルヴィーニは愛しのアルディーナに幻滅する。
一方、ゴンネッラはそんな彼に静寂の素晴しさを説くのだった。
しかし、そこは急に騒音の支配する巨大ディスコに変化する。
怒り狂うゴンネッラの前に彼の愛人が姿を現わし、二人は流れだしたウィンナワルツに合わせて美しいダンスを踊る。
サルヴィーニは妹夫婦の家へ向かうが、そこへネストレが現われクレーン車に乗った3兄弟が月を誘拐しようとしていると告げる。
駆けつけた群衆たちは大騒ぎをしているが、そこへ月に向けて銃弾が一発打ち込まれ、皆は飛び散って逃げてしまう。
辺りはやっと静寂を取り戻し、サルヴィーニは井戸の側に一人佇んで月の声にじっと耳を傾けるのだった。
コメント:
イタリアの田舎町を舞台に、月の声を聞こうとする愚か者と周囲の人々が繰り広げるお祭り騒ぎを、空想と現実をないまぜにして描く。
二人の気のふれた男たちと、周りの人々が織りなす変てこりんな物語だが、フェリーニの独特の映像に酔えるファンタジー作品。
フェデリコ・フェリーニの「インテルビスタ」に続く作品であり、彼の遺作である。
登場人物はみんな言ってる事がハチャメチャ。
だが、映像がキレイで見入ってしまう。
ロベルト・ベニーニは普段のようなマシンガン・トークではなく落ち着いている。
でも、やっぱり変だ。
でも、愛すべきキャラクターで、優しい気持ちになれる。
一歩間違うと、ストーカーだが。
夜の闇とか、お祭りの花火とか、とっても幻想的でキレイな映像だ。
これが、フェリーニの遺作だ。
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前半:
後半: