「永遠のマリー」
(原題:Mery Per Sempre)
1989年公開。
犯罪を犯した少年たちの更生のために情熱を燃やす若い教師の姿を描く。
1989年モントリオール映画祭審査員大賞受賞作。
脚本:サンドロ・ペトラリア、ステファーノ・ルッリ
監督:マルコ・リージ
キャスト:
教師・マルコ:ミケーレ・プラチド
ピエトロ:クラウディオ・アメンドラ
男娼・マリー:アレッサンドロ・ディ・サンツォ
あらすじ:
シチリア島の町パレルモにある、少年院の教師になったマルコ(ミケーレ・プラチド)は、窃盗、恐喝の常習者ピエトロ(クラウディオ・アメンドラ)や、男娼のマリー(アレッサンドロ・ディ・サンツォ)らの反抗に対し、ひたむきな努力を続けていた。
暴力や強姦未遂など何一つ問題を解決できず、そしてマリーに愛を告白され、苦悩するマルコ。
ある日ピエトロがマルコに脱走計画を打ち明ける。
マルコは思い止まるよう説得するが、ピエトロの決意は固かった。
彼の脱走がきっかけとなり、少年院の規則は更に厳しくなり、マルコはピエトロの協力者として追及を受ける。
ピエトロはおもちゃのピストルを片手にデパートを襲い警官に撃たれ、病院のベッドでマルコの手を握りながら死んだ。ピエトロの死を少年たちに伝えたマルコは、彼らの前で高校教師への復職任命書を破り捨て、少年院に残ることを決意するのだった。
コメント:
少年院を舞台に犯罪を犯した少年たちの更生のために情熱を燃やす若い教師の姿を描く人間ドラマ。
不良たちを必死で更生しようと奔走する主人公の教師・マルコの姿が健気だ。
タイトルの「永遠のマリー」とは、男娼のマリーのこと。
つまり、主人公の教師を慕うホモのことだ。
厭らしさがなく、純粋な感じがする。
エンドで、マルコが彼らの前で高校教師への復職任命書を破り捨て、少年院に残ることを決意するシーンはじんとくる。
こういうヒューマニズムの溢れる作品は、イタリア映画としては珍しい。
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