谷崎潤一郎の映画 「白日夢2」武智鉄二監督の本番映画第3弾! | 人生・嵐も晴れもあり!

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「白日夢2」

 

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「白日夢2」 プレビュー

 

1987年2月7日公開。

過激な性愛描写で話題を呼んだ武智鉄二監督の本番映画第3弾。

 

原作:谷崎潤一郎「白日夢」

監督・脚本:武智鉄二

 

キャスト:

  • 愛染恭子 - 葉室千枝子
  • 霧浪千寿 - 錦戸さかえ
  • 速水健二 - 田之辺慎吉
  • 谷口真樹 - 看護婦A
  • 松岡愛子 - 看護婦B
  • 金子英明 - 車掌
  • 菅貫太郎 - ドクトル

 

白日夢2 1987 武智鉄二/愛染恭子/霧浪千寿/速水健二/菅貫太郎の入札履歴 - 入札者の順位

 

あらすじ:

惹句は、“まどろみのあなたにハードな訪れ……「堕落を恐れてはいけません」―――”(ポスターより)
 
谷崎潤一郎の同名小説をもとに武智鉄二が三度目の映画化。
 
公開当時のチラシでは「武智鉄二がハードに描く続篇」と宣伝され、タイトルにも『~2』とあるが、愛染恭子が出演している以外は81年版との関連性は一切なく、もちろん続編でもない。
 
歯科で麻酔を投薬された主人公が朦朧とする冒頭だけが原作から使われた部分で、そこからラストに至るまで全て夢の中の出来事。
最後は現実世界へ戻って話にオチがつく64年版、81年版とは異なり、夢の世界ならではの脈絡のない展開と唐突な性描写が最後まで続く。
 
愛染は役名こそ葉室千枝子であるものの、役割は81年版で佐藤慶が演じたような、主人公を性の世界へ誘う水先案内人の立場である。
タキシードに黒マントを纏った菅貫太郎がドクトル役で出演しているが、夢の世界に数シーン現れるのみで本筋にほとんど絡まない。

 

白日夢2 | スタッフ・キャスト・作品情報 - 映画ナタリー

 

コメント:

 

武智監督が『白日夢』(1981年)、『花魁』(1983年)に続く商業作品として撮った、主演女優が撮影現場で男性と性交を行なう“本番映画”の3作目である(他に日本未公開作『高野聖』もあるが)。

公開時には「武智鉄二監督 最後のハード・コア」と宣伝されたが、武智はこの翌年に膵臓癌で他界したため、実際にこれが遺作となった。

 

主人公の錦戸さかえ役には、代々木忠が監督したアテナ映像のアダルトビデオに数本出演歴がある霧浪千寿(きりなみ・ちず)が新人として起用されている。

性交シーンは男女の身体同士や股間が完全に密着した、疑似セックスにも見えるような体位が多く、局部に男性器が入っているのが分かるアングルが僅かに確認できるのみ。

前作の愛染恭子、『花魁』の親王塚貴子のような、陰茎が出入りする女性器のアップ映像がないことから、ハード・コア映画としての訴求力は弱い。

ただし、愛染と霧浪のレズビアン描写に始まり、霧浪と速水健二が互いの性器を口で愛撫するオーラルセックスや、射精が迫ってきた速水が霧浪の膣から陰茎を抜いて、全裸の愛染の胸へ精液を放つ3Pなど、前作とは違った性描写のアプローチがある。

また、夢のビジュアルを具現化する大胆な特殊合成技術を随所に採り入れ、81年版と違うことに取り組もうという武智の気概は感じられる。

 

霧浪は本作以降、日活ロマンポルノ『六本木令嬢 ふ・し・だ・ら』(四ノ宮浩監督作 1987年6月20日公開)の出演が確認されているが、目立った活動がないまま引退している。

 

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