イタリア映画 「特別な一日」 ヒトラーがやってきた日は特別な日だった! ソフィア・ローレン主演! | 人生・嵐も晴れもあり!

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「特別な一日」

(原題: Una giornata particolare

 

Amazon.co.jp: Una Giornata Particolare [Italian Edition] : Sophia Loren,  Marcello Mastroianni, Alessandra Mussolini, Armando Trovajoli, John Vernon,  Ettore Scola: DVD

 

「特別な一日」 全編

 

1977年5月17日公開。

イタリア・カナダ合作映画。

ある日の主婦の一日を描く傑作。

 

脚本:エットーレ・スコラ、マウリツィオ・コスタンツォ、ルッジェーロ・マッカーリ

監督:エットーレ・スコラ

 

キャスト:

  • アントニエッタ - ソフィア・ローレン
  • ガブリエーレ - マルチェロ・マストロヤンニ
  • エマヌエーレ - ジョン・ヴァーノン: アントニエッタの夫。

Una giornata particolare - Wikipedia

 

あらすじ:

第2次大戦の影がしのびよる一九三八年のローマ。

ドイツの権力者ヒトラーがローマにやって来るという記念すべき日。

式典が行なわれるその日は市民の殆どが広場ヘと赴いた。

アントニエッタ(ソフィア・ローレン)は、六人の子供を持つ主婦。

夫のエマヌエレ(ジョン・ヴァーノン)は、ムーソリーニの信奉者である。

悪い人間ではないが、妻に子供たちの面倒をまかせ、自分は友だちづき合いに忙しい。

夫や子供たちを見送るアントニエッタ。

静まりかえったアパートに一人残された彼女は、まだ残された山ほどある仕事を、うんざりしたような表情でやりはじめた。

九官鳥のロスモンドにエサをやるのも仕事の一つだ。

そのロスモンドが鳥かごから飛び出し、向かいの階段にとまった。

そのすぐそばの部屋に男の背中が見え、彼女は大急ぎで彼の部屋を訪ねた。

彼の助けをかりて、ロスモンドをつかまえた。

男はガブリエレ(マルチェロ・マストロヤンニ)と名のり、陽気に彼女に話しかけてきた。

コーヒーの誘いをことわったアントニエッタにダンスを誘い、二人はルンバを踊った。

その時、外からは、式典の実況を放送するラジオの音が響いてきた。

ガブリエレは、顔をかすかにくもらせ、アントニエッタは家にあわてて戻った。

信じられないひとときであった。

彼女は興奮している自分を感じた。

気になって向かいの窓をのぞくアントニエッタ。

ガブリエレは誰かに電話をかけていた。

彼女が掃除にかかった時、ドアのべルが鳴った。

ガブリエレだ。

とまどいながらも彼を中に入れ、共にコーヒーを飲んだ。

そんな時、べルが鳴った。

訪れた管理人の老女が「あんな売国奴とつきあうなんて」とアントニエッタを非難して帰っていった。

不安になってきた彼女は、仕事があるからと、洗濯ものをとりこむために屋上へ上がった。

なだめるように追って来たガブリエレと屋上で抱きあう彼女。

しかし次の瞬間には、ガブリエレは彼女を自分から離し、暗い表情になった。

恥ずかしくなったアントニエッタは言った。

「男なんて、みんな同じよ」。

その言葉に、ガブリエレが口走った。

「ぼくは違う。ぼくはホモなんだ」

……思いがけない告白に狼狽し、彼女は彼の頬を打って部屋にかけおりた。

しかし、時がたち心が静まると、いつも侮辱をうけてきたであろう男の心が痛いほど彼女にわかってきた。

彼女も同じように、冷たい夫との生活の中で、知らぬ間に心が閉ざされていたのだ。

彼女は彼の部屋を訪れ、お互いに、いたわり合うように愛しあった。

この特別な日に、二人は特別の時を過ごした。

夜、家族とのいつもの夕食を済ませた後、窓辺に立つアントニエッタ。

外には、刑事に連行されてゆくガブリエレの姿があった。

 

Una giornata particolare (1977) | MUBI

 

コメント:

 

1938年、ファシスト政権下のローマを舞台としており、エットーレ・スコラが監督、ソフィア・ローレンとマルチェロ・マストロヤンニが主演した作品である。

 

第二次大戦勃発直前のローマを舞台に、ヒトラーが訪れた歴史的な日に、一人の主婦が体験する特別な一日を描いている。

 

冒頭の実際のヒトラーとムッソリーニの映像が印象的。

ファシズム時代の抑圧の象徴の二人を映像に取り入れているのだ。


ヒトラーがローマに訪問したことで、アントニエッタの家族は、主婦のアントニエッタを残して集会に出掛ける。
この解放された時間にアントニエッタが遭遇したものとは?

飼っている九官鳥が逃げ出した先に、ガブリエーレ(マルチェロ・マストロヤンニ)という男がいたのだ。

 

そして、式典が終わって彼女の夫と子供たちが家に帰ってきて、家族そろって食事をとっていた最中、エマヌエーレは「20年後や30年後に子供たちに言えるだろう。"私はそこにいた"と…」と呟くのであった。

 

つまり、今日という日は、夫と妻の双方にとって、別な意味で特別な一日だったのだ。

 

実に意味深なエンディングになっている。

 

それがタイトルの「特別な一日」だ。


ガブリエーレとのつかの間の愛を交わすソフィア・ローレンの表情が美しく、色っぽい。
この男と出会うまでは、日々の生活に疲れた普通の主婦に見えるのだが。

この変わりようは、さすが大女優である。

 

この映画は、YouTubeで全編無料視聴可能。

 

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