「ローマに散る」
(原題:Cadaveri eccellenti)
1976年2月12日公開。
ローマ警察とマフィアとの闘いを描くスリラー作品。
原作:レオナルド・シャーシャ「権力の朝」
脚本:フランチェスコ・ロージ、トニーノ・グエッラ、レオナルド・ジャヌッツィ
監督:フランチェスコ・ロージ
キャスト:
- ロガス警部:リノ・ヴァンチュラ
- 警視総監:ティノ・カラーロ
- ヴァルガ検事:シャルル・ヴァネル
- ラスト判事:アラン・キュニー
- リケス最高裁長官:マックス・フォン・シドー
- クサーノ:ルイジ・ピスティッリ
- 特捜刑事:レナート・サルヴァトーリ
- 売春婦:ティナ・オーモン
- マルセル・ボズフィ
- 公安担当大臣:フェルナンド・レイ
- サンツァ判事:フランチェスコ・カッラーリ
あらすじ:
ローマ近郊で法曹界最大級の大物司立官三人が連続的に殺害された。
いずれもベテラン狙撃者の一発によるものだ。
政府首脳はテロリスト摘発声明をした。
そして、事件はローマ警察の切れ者ロガス警部(リノ・ヴァンチュラ)に一任された。
当初マフィアと目ぼしをつけた彼だが、調べる内に元妻殺し未遂容疑で有罪をかせられたクレスが浮び上がってくる。
捜査に乗り出すロガスだが、クレスの手がかりはなかった。
そして四たび判事が殺された。
被害者も又、クレスの裁判の時の陪審判事だったのだ。
そして五人目が殺される。犯人は白のメルセデスで去ったらしい。
ロガスはローマに呼び戻され、捜査から手を引くよう勧告された。
だが彼にはやり残した仕事が一つあった。
それはクレス裁判の時の最後の一人、最高裁長官リケス(マックス・フォン・シドー)に身の危険を知らせる事なのだ。
リケス邸へ向かったロガスは面会を翌日にのばされたものの、裏門より続々と出てくる高級車の中にあの白のメルセデスを見る。
他にも陸海空三軍の軍高官や警視総監の車も見えた。
何かが起こっている。
翌日、リケスに会えたものの一笑されるロガス。
今や彼の中の疑惑はふくらむばかりだった。
ある夜、一日を終え帰宅するロガスを突然、ライトを消した車が襲う。
何者かが彼を抹殺しようとしているのだ。
ロガスは友人の刑事や共産党シンパのブンヤに相談を持ちかけた。
クレスはもはや単なる孤独な復讐ではなく、見えざる権力下に動く暗殺者ではないか。
リケスも殺された。
人気のない博物館の一室、ロガスと共産党秘書官が事件につき話し合う。
概要を説明するロガス。
だが、ライフルは静かに二人をスコープにとらえ、やがて銃声がこだました……。
コメント:
レオナルド・シャーシャ原作の小説「権力の朝」を映画化したポリティカル・スリラー映画。
第一級大物司法者たちが続々と殺されていく。
捜査する警部が突きつめた真実とは……。
76年カンヌ映画祭特別賞、D・D・ドナテロ賞受賞作品。
原題の「Cadaveri eccellenti」というのは、「立派な死体」という意味。
なかなかのネーミングだ。
ローマ近郊で法曹界最大級の大物司立官3人が連続して殺害された。
ローマ警察のロガス警部はこれらの事件の捜査を命じられる。
捜査を進めたロガスは、妻殺しの冤罪事件で有罪となったクレスに目星を付けるが、証拠はない。
その間にもさらに2人の判事が殺された。
被害者は5人ともクレスの裁判を担当した判事であった。
だがある日、ロガスは突然事件の捜査から外されてしまう。
しかし、彼にはやり残した仕事が1つあった。
それはクレスの裁判を担当した判事の最後の1人で、現在は最高裁長官となっているリケスに身の危険を知らせる事だった。
リケス邸へ向かったロガスは、裏門から出てくる軍の高官や警視総監の車を目撃、事件の裏に国家絡みの不気味な影が潜んでいることを確信するが、やがてロガス自身の身にも魔の手が忍び寄る。
フランチェスコ・ロージの傑作である。
リノ・ヴァンチュラがすばらしい。
この人はフランス映画に何度も出演して存在感を示したが、イタリア生まれ。
イタリア・パルマ出身の俳優。
この映画は、YouTubeで全編無料視聴可能。