イタリア映画 「ラストタンゴ・イン・パリ」 世界を驚愕させたわいせつ映画! | 人生・嵐も晴れもあり!

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「ラストタンゴ・イン・パリ」

(原題:: Ultimo tango a Parigi)

 

Last Tango in Paris (1972)

 

「ラストタンゴ・イン・パリ」 プレビュー

 

1972年12月15日公開。

マーロン・ブランドの強姦シーンが話題になった問題作。

 

 

脚本:ベルナルド・ベルトルッチ、フランコ・アルカッリ、アニエス・ヴァルダ

監督:ベルナルド・ベルトルッチ

 

キャスト:

  • ポール: マーロン・ブランド - アメリカ人の中年男性。ホテルのオーナー。
  • ジャンヌ: マリア・シュナイダー - 若いパリジェンヌ。
  • トム: ジャン=ピエール・レオ - ジャンヌの婚約者。TVディレクター。
  • ローザ: ヴェロニカ・ラザール - ポールの亡妻。
  • ローザの母: マリア・ミーキ
  • マルセル: マッシモ・ジロッティ - ローザの元愛人。
  • カトリーヌ: カトリーヌ・アレグレ - ポールとローザのホテルのメイド。
  • ムシェット: カトリーヌ・ブレイヤ - 婦人服の仕立屋。

 

ラストタンゴ・イン・パリ (1972):作品情報|シネマトゥデイ

 

あらすじ:

ある冬の朝、パリのアパートの空室で男女が偶然に出会った。中年の男ポール(M・ブランド)と若い娘ジャンヌ(M・シュナイダー)は、お互に興味も持たず室内を点検していたが、間違い電話に刺激された男の強い腕がジャンヌを捕えた。行為が終ったあと、二人は何事もなかったように別れた。ジャンヌにはTVプロデューサーのトム(J・P・レオ)という婚約者があった。いまトムは、彼女を主人公に「少女の肖像」というドキュメントを製作している。ジャンヌはあのアパートでの悪夢にも似た一瞬の暴力が忘れられなかった。彼女は憑かれたように再び部屋を訪れた。彼女がひそかに予想していたように、ポールがいた。彼は提案した。ここにいる間はただの男と女。名も知らず、過去も一際明かさない。ここではセックス以外存在しない、と。ジャンヌはこの異様なアバンチュールに身を投じた。二人は孤島のようなアパートの一室で会い、オスとメスになって肉欲に身を焦がす。ポールは下町で簡易ホテルを経営していた。彼の妻ローザは自殺し、彼にはその理由が分らなかった。彼は、妻と肉体関係を結んでいたホテルの住人マルセル(M・ジロッティ)を訪れ、妻の話を聞いた。妻は自分よりもこの男を愛していたようだ。ポールはただ妻の肉体を恋こがれた。一方ジャンヌは次第に耐えられなくなってきた。ポールとの“隔絶した肉欲の時”とトムとの自然な愛の流れの使い分が困難になってきたのだ。この不思議な契約が消滅する日がきた。彼女は呪縛から解放され、トムをともない新しい生活の場としてこの部屋を見直した。その帰り道、ポールはジャンヌを待ち伏せていた。彼女はポールにはっきり宣告しなければならなかった。昼間のダンスホールは社交ダンス・コンテストが開かれていた。タンゴの曲が流れ、二人は酒に酔いしれた。逃げるジャンヌを、ポールは執拗に追い、彼女の家へ押し入った。恐怖がジャンヌを支配した。彼女は父の遺品の軍用ピストルを握り、ポールに向けて発砲した。やがてポールはベランダに崩れ折れた。「私はあなたを誰か知らない……」ジャンヌはうわ言のようにいい続けていた。

 

Last Tango in Paris (1972) - IMDb

 

コメント:

 

驚いたことに、この有名な作品はイタリア映画なのだ。

舞台は、フランスのパリ。

主役のマーロン・ブランドは、れっきとしたアメリカ人。

ヒロインを演じたジャンヌ: マリア・シュナイダーは、フランス人。

しかし、監督はイタリア人のベルナルド・ベルトルッチだ。

 

お互いに名前も素性も明かさずアパートの一室で動物的とも言える衝動で性にのめり込む2人の濃密な描写は、50年近く経った今でも色褪せずに艶やかな映像と音楽で味わい深く迫って来る。

若いマリア・シュナイダーを翻弄するマーロン・ブランドが徐々に色褪せて突き放されるラストはやはり印象的だ。

 

イタリアでは公開後四日にして上映禁止処分を受け、各国でも芸術かワイセツかで大きなセンセーショナルを起こした問題作なのだ。

 

なぜこの映画が問題作とされたのか。

ヘアヌードが見えるくらいなのにという意見もあるが。

 

『ラストタンゴ・イン・パリ』はベルナルド・ベルトルッチ監督、マーロン・ブランドとマリア・シュナイダー主演の1972年の映画だ。

この映画は、パリで借りるアパートを探しているときに出会った若いフランス人女性と性的関係を始めるアメリカ人駐在員の物語だ。

 

Last Tango in Paris (1972) - IMDb

 

この映画は、2人の主人公の間で起こる生々しいレイプシーンにより物議を醸したという。

この映画をめぐる論争は、レイプシーンが当初の脚本には含まれておらず、当時まだ19歳だったマリア・シュナイダーの知識も同意もなしに、俳優のマーロン・ブランドが即興で作ったとされる事実に焦点が当てられている。 

シュナイダーは後に、その経験によって屈辱と侵害を感じたことを公に語り、現場に向けて適切な準備ができていなかった、あるいは何が起こるかについて知らされていなかったと述べた。 

 

レイプシーンをめぐる論争に加えて、この映画は女性の描写や性暴力の描写でも批判されている。

多くの視聴者や批評家は、この映画は人間関係やセクシュアリティについて不穏で女性蔑視的な見方を示しており、同意や女性の対象化についての有害な考えを助長していると主張している。 

全体として、『ラストタンゴ・イン・パリ』をめぐる論争は、性暴力描写と若い女性スターへの虐待疑惑に端を発しており、多くの視聴者や批評家が不快で問題があると感じているという。

 

BBCによると、以下のような情報があったという:

 

1972年の公開当時から性描写が議論になった映画「ラスト・タンゴ・イン・パリ」の撮影で強姦場面の撮影が女優の同意を得ていなかったのではないかとインターネットで騒ぎになったことを受け、ベルナルド・ベルトルッチ監督(76)が「ばかげた誤解だ」と反論した。

 

映画の撮影があらためて物議を醸すきっかけになったのは、ベルトルッチ監督の2013年のインタビューだ。

強姦場面でバターを使うと決めたのは、撮影当日の朝で、強姦される役の女優マリア・シュナイダーの同意を事前に得ていなかったと話していた。

このビデオが今月初めになって再び浮上し、ソーシャルメディアで映画関係者を含めて大勢が怒りを表明した。

シュナイダーが実際に強姦されたと思い、怒る意見も多く飛び交った。

 

ベルトルッチ監督は反論の声明を発表。

強姦場面は脚本に含まれていたのだからシュナイダーは事前に知っていた、知らせなかったのはバターを使うという点だけだったと説明し、実際の性行為はなかったと言明した。

 

映画では、マーロン・ブランド演じる主役ポールがシュナイダー演じるジャンヌを強姦する際、バターを潤滑剤として使ったというのだ。

 

Image gallery for Last Tango in Paris - FilmAffinity

(これが問題シーン?)

 

2011年にがんのため58歳で亡くなったシュナイダーは、2007年に英紙デイリー・メールとのインタビューで、実際の性交はなかったものの、場面は脚本になかったため、撮影は「屈辱的」で、「マーロンとベルトルッチの両方に少し強姦されたような気分だった」と話していた。

またシュナイダーは、自分が後に薬物依存症となり自殺未遂を繰り返したのは、この映画でいきなり世界的な注目を浴びたせいだと述べていた。

 

2013年のインタビューでベルトルッチ監督は、バターを使う場面についてシュナイダーと十分な事前打ち合わせをしなかったと認め、理由として、演技ではなく本物の「屈辱」を表現してもらいたかったからだと説明していた。

この中で監督は、「ある意味でマリアにひどいことをした。何がどうなるか言わなかったので。なぜかというと、女優ではなく女の子としての反応が欲しかったからだ」と話し、「罪の意識は感じる」ものの撮影手法について「後悔はしていない」と述べた。

 

さらに2013年のインタビューで監督は、シュナイダーはその結果「その後一生、僕を憎んでいた」と認めた。

「ラスト・タンゴ・イン・パリ」は公開当時、イタリアで上映禁止となり、米英など複数の国で検閲を求める訴えが起こされた。

 

 

イタリア人ならではの、けっこう思い切った演出があり、それをマスコミが騒ぎ立てたことで、この映画はとんでもない作品だというイメージが確定してしまったのだ。

だが、そんなことでこの映画は一気に世界に知れ渡り、今でもほとんどの映画ファンの記憶に残ることとなったのだ。

 

この映画には、ほかにもこんな情報がある。

1970年代前半の映画にして大胆な性描写(一般映画として、アナル・セックスの描写がある初の映画と言われる)が世界中に物議を醸し、本国イタリアに至っては公開後4日にして上映禁止処分を受け、日本でも下世話な話題ばかりが先行し、当時の興行成績は芳しくなかった。

反対に支持者も多く、ミッキー・ロークはこの映画の大ファンであり『ナインハーフ』を作るきっかけになった。

主演のマーロン・ブランドにとっては辛い映画であり「役者として拷問のような体験だった」と語っており、私生活でも泥沼の裁判劇のあげく敗訴という憂き目に遭った。

ヒロイン役のマリア・シュナイダーに至っては波乱万丈の人生を余儀なくされ、この映画に出演した事を「人生最大の痛恨」と語っている。

 

しかし両名の演技の評価は高く、特にブランドの中年男の悲哀感をたっぷりにじませた迫真の演技は圧倒的なものであり、本作でブランドはニューヨーク映画批評家協会賞を受賞している。

 

 

この映画は、TSUTAYAでレンタル可能:

https://movie-tsutaya.tsite.jp/netdvd/dvd/goodsDetail.do?titleID=0080296377