イタリア映画 「戦争 はだかの兵隊」 ヴェネツィア国際映画祭金獅子賞受賞! | 人生・嵐も晴れもあり!

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「戦争 はだかの兵隊」

(原題 : La grande guerra)

 

The Great War (1959 film) - Wikipedia

 

「戦争 はだかの兵隊」 プレビュー

 

1959年9月公開。

第一次世界大戦におけるイタリアの戦闘を描いた作品。

ヴェネツィア国際映画祭金獅子賞受賞。

 

脚本:アージェ、スカルペッリ、ルチアーノ・ヴィンチェンツォーニ、マリオ・モニチェリ

監督:マリオ・モニチェリ

 

キャスト:

  • アルベルト・ソルディ : オレステ 
  • ヴィットリオ・ガスマン : ジョバンニ 
  • シルヴァーナ・マンガーノ : コスタンチーナ 
  • フォルコ・ルリ : ボルディン 
  • ベルナール・ブリエ : カステリ 

 

The Great War (1959) - IMDb

 

あらすじ:

一九一七年、イタリア軍はオーストリア軍の攻撃で敗退を重ねていた。

--徴兵所で前科者のジョバンニ(ヴィットリオ・ガスマン)は衛生兵オレステ(アルベルト・ソルディ)に目をつけ、買収して、徴兵を逃れようとした。

だが、相手はただのネズミではなく、金をだましとられたあげく、入隊させられ、激しい訓練を受けた。

前線送りの汽車の中で、オレステに出会い、追いかけたが、結局二人はコンビになることになった。

チリアーノの町の宿舎で、彼らの隊は前線からひきあげてきた隊と合流した。

温厚なガリーナ中尉や兵士ボルディン(フォルコ・ルリ)などがいた。

町にはただ一人の女性コスタンチーナ(シルヴァーナ・マンガーノ)がいるが、ジョバンニは言葉たくみに家にはいりこみ、ものにしてしまった。

だが、敵もさるもの、彼の財布は抜き取られていて、気づいたのは、部隊の前線出発の時だった。

--壕は敵前二百メートル。

ジョバンニは鉄条網を切り開く役に指名されたが、ボルディンが代役を引き受けた。

彼はそんな金を家族に仕送りするのだ。

突破口が開き、突撃になった。

その最中に、彼ら二人は電話線敷設の役目を果した。

彼らの隊の強行策が成功し、戦いは勝利に終わった。

犠牲は大きかったが。雨季が来て、雪にかわり、また春がきた。

ガリーナ隊長は頑強な陣地を構築するため、彼ら二人に、鉄条網と杭を、師団本部の倉庫に取りにやらせた。

ジョバンニは仕事をオレステにおしつけ、コスタンチーナに会いに行く。

その夜、敵の猛砲撃が彼らの部隊に加えられるのが見えた。

翌朝帰った時、陣地は無残にふっとび、ボルディンたち多数の兵士が死んでいた。

--部隊は休暇命令で後方の町へ帰った。

ボロボロの兵士たちが人々を驚かせた。

オレステは歓迎会の席上で金を集め、ジョバンニと遊びに行こうとしたが、ボルディン夫人が夫を探しているのに会った。

彼が死んだとは、彼らも言えなかった。

集めた金を夫人に渡した。

--イタリア軍の敗退は続いた。

避難民のごったがえすポンテ・サン・フェデレの町で、ジョバンニはなつかしいコスタンチーナに出会った。

それが別れになろうとは、二人とも思わなかった。

--最後の抵抗線・ピアヴェ河畔の旅館に配属された。

カステリ守備隊長(ベルナール・ブリエ)は二人を砲兵隊へ連絡にやった。

仕事を果し、酒を飲んで砲兵隊の馬小屋に寝た。

その間、部隊は後退し、敵軍が入ってきた。

スパイとして二人は引き出された。

オレステがイタリア軍が河にかけた橋のことをつい話してしまい、その所在を追求された。

言わねば銃殺だ。

二人は一度は言う気になったが、ジョバンニがふみとどまった。

彼がまず銃殺され、臆病者のオレステも、何も知らねえと叫びながら撃たれた、

二人の身体は並んで横たわった。

--その後、反撃に成功したイタリア軍が死体の横を怒涛のように通りすぎた。

 

La Grande Guerra - Video Dailymotion

 

コメント:

 

第一次大戦のイタリア軍隊を背景に、兵士たちの人間ドラマを描いたもの。

 

現代の「La grande guerra」とは『第一次世界大戦』の事。

本作は、マリオ・モニチェリ監督による 1959 年公開のイタリアのコメディドラマ戦争映画。

第一次世界大戦における、要領の良い二人の若い兵士の軍隊生活を描いた作品である。

 

この映画はコメディタッチで演じられているが、塹壕戦の恐ろしさと厳しさを視聴者から隠していない。

ヴェネツィア国際映画祭で金獅子賞を受賞した。

アカデミー賞外国語映画賞にもノミネートされた。 

 

2008年、この映画はイタリア文化遺産省の保存すべきイタリア映画100本、つまり「1942年から1978年までのこの国の集団的記憶を変えた」100本のリストに選ばれている。

 

いかつい男たちに混じって存在感を見せるのは、『にがい米』に主演した、セックス・アピール万点の女優・シルヴァーナ・マンガーノだ。

彼女を観るためにこの映画を見に行った人が多いという。

 

THE GREAT WAR, (aka LA GRANDE GUERRA), Silvana Mangano, 1959 Stock Photo -  Alamy

 

監督をつとめたマリオ・モニチェリイタリアの映画監督、脚本家。

トスカーナ州ヴィアレッジョ出身。

イタリア式コメディの第一人者として知られた。

主な作品は以下の通り:

  • 『大尉の娘』 La figlia del capitano : 監督マリオ・カメリーニ、1947年 - 脚本
  • 『無法者の掟』 In nome della legge : 監督ピエトロ・ジェルミ、1948年 - 脚本
  • 『騎士の到着』 È arrivato il cavaliere : 共同監督ステーノ、1950年
  • 『刑事と泥棒』 Guardie e ladri : 共同監督ステーノ、1951年 - 第5回カンヌ国際映画祭脚本賞受賞
  • 『父と息子たち』 Padri e figli : 1957年 - 第7回ベルリン国際映画祭銀熊賞監督賞受賞
  • 『美女の中の美女』 La donna più bella del mondo : 監督ロバート・Z・レナード、1955年 - 脚本
  • 『いつもの見知らぬ男たち』 I soliti ignoti : 1958年
  • 『戦争・はだかの兵隊』 La grande guerra : 1959年 - 第32回アカデミー賞外国語映画賞ノミネート、第20回ヴェネチア国際映画祭金獅子賞受賞
  • ボッカチオ'70 - Boccaccio '70 (第1話 『レンツォとルチアーナ』): 1962年
  • 『明日に生きる』 I compagni : 1963年 - マール・デル・プラタ国際映画祭最優秀作品賞受賞
  • 『ゴールデン・ハンター』 Casanova '70 : 1965年 - ビデオ題『カサノヴァ'70』、第38回アカデミー賞脚本賞ノミネート
  • Donatella : 1956年 - 第6回ベルリン国際映画祭金熊賞ノミネート
  • 『結婚大追跡』 La ragazza con la pistola : 1968年 - 第41回アカデミー賞外国語映画賞ノミネート
  • 『ちゃちなブルジョワ』 Un Borghese piccolo piccolo : 1968年 - 第30回カンヌ国際映画祭パルムドールノミネート
  • 『求む大佐』 Vogliamo i colonnelli : 1973年 - 第26回カンヌ国際映画祭パルムドールノミネート
  • 『私の友だち』 Amici miei : 1975年
  • 『親愛なるミケーレ』 Caro Michele : 1976年 - 第26回ベルリン国際映画祭銀熊賞監督賞受賞
  • 『新怪物たち』 I Nuovi mostri : 1978年 - 第51回アカデミー賞外国語映画賞ノミネート
  • 『アニタと子猫と…』 Viaggio con Anita : 1979年
  • Il marchese del Grillo : 1982年 - 第32回ベルリン国際映画祭銀熊賞監督賞受賞
  • Le due vite di Mattia Pascal : 1985年 - 第38回カンヌ国際映画祭パルムドールノミネート
  • 『女たちのテーブル』 Speriamo che sia femmina : 1986年 - ナストロ・ダルジェント最優秀作品監督賞受賞
  • 『マンマ・ミーア人生』 I picari : 1987年
  • Cari fottutissimi amici : 1993年 - 第44回ベルリン国際映画祭金熊賞ノミネート
  • 『トスカーナの休日』 Under the Tuscan Sun : 監督オードリー・ウェルズ、2003年 - 出演
  • 『マルチェロ・マストロヤンニ 甘い追憶』 Marcello, una vita dolce : 監督マリオ・カナーレ / アンナローザ・モッリ、2006年 - 出演
  • 『砂漠の薔薇』 Le rose del deserto : 2006年 - 長篇遺作