イタリア映画 「カビリアの夜」フェデリコ・フェリーニの代表作! アカデミー賞外国語映画賞受賞! | 人生・嵐も晴れもあり!

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「カビリアの夜」

(原題: Le Notti di Cabiria)

 

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「カビリアの夜」 プレビュー

 

1957年5月26日公開。

1957年アカデミー賞外国語映画賞受賞。

1957年カンヌ映画賞主演女優賞受賞。

 

脚本:フェデリコ・フェリーニ、エンニオ・フライアーノ、トゥリオ・ピネッリ、ピエル・パオロ・パゾリーニ

監督:フェデリコ・フェリーニ

 

キャスト:

カビリア:ジュリエッタ・マシーナ

オスカー・ドノフォリ:フランソワ・ペリエ

ワンダ:フランカ・マルツィ

映画俳優:アメディオ・ナザーリ

ジュシイ:ドリアン・グレイ

 

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あらすじ:

娼婦のカビリア(ジュリエッタ・マシーナ)は不幸な生活を送りながらも、いつかは真面目な道に帰ろうと望んでいた。

恋人に河に突き落とされても彼女の性格は変わらなかった。

ワンダ(フランカ・マルツィ)を除いた仲間の女達は、夢想を語るカビリアを可哀そうな気違い女として扱っていた。

しかし、或る晩、カビリアの夢物語が実現した。

有名な映画俳優(アメディオ・ナザーリ)が豪華な自動車に彼女を乗せて、ナイトクラブから自分の豪邸へと連れていったのである。

これは自分の魅力のためと喜んだのも束の間、この著名なスターの昔の愛人ジュシイ(ドリアン・グレイ)が突然そこへ現れたとき、この冒険は悲喜劇的な終りを告げた。

浴室に入れられ俳優とその愛人の和解ばなしを聞かされても、幸福な想いにひたっているカビリアだったが、朝になると勝手口から追い出される始末だった。

とうとう自分が分らなくなったカビリアは、仲間と一緒に教会へ行き生活に奇蹟が起るように熱心に祈った。

それから幾晩か後、郊外の小さな映画館の舞台で、彼女は妙な踊りを披露したが、そこでオスカー・ドノフォリ(フランソワ・ペリエ)に会った。

このおとなしくて若い会計係の青年は彼女に大変親切な態度を示した。

オスカーの愛の言葉を聞き、カビリアは運命に感謝しながらも、自分の汚れた生活が分ってしまえば彼が去ってしまうと恐れるのだった。

だが、オスカーはカビリアの過去など全くかえりみなかった。

二人は旅行に出発した。

奇蹟が実現したと思われたが、湖の畔まで来た時突然オスカーはカビリアに躍りかかった。

オスカーが自分を殺すためにこの淋しい場所へ誘ったのだとカビリアは気づいた。

カビリアの夢は無残にも崩れ去った。

不幸にひしがれた彼女は、オスカーの前に膝まずき、自分を殺してくれるように懇願した。

しかし、これはオスカーから殺意を失わせ、カビリアは救われた。

セレナーデを奏でる子供達の一団を後に従え、カビリアは子供っぽい様子で立ち去って行くのだった。

 

菊沢将憲 Masanori Kikuzawa on X: "フェデリコ・フェリーニ監督の「カビリアの夜」。男と人生に裏切られ続けの娼婦カビリア の物語。ジュリエッタの演技が素晴らしい。ラストシーン、あの後カビリアはどこで何をするのだろう。「道」の延長線上にある映画だけど、そこ ...

 

コメント:

 

フェデリコ・フェリーニ監督のネオレアリズモ作品。

ジュリエッタ・マシーナ主演で描くヒューマン悲喜劇である。

 

「道」のコンビ、フェデリコ・フェリーニとトゥリオ・ピネリがエンニオ・フライアーノの協力を得て書いたオリジナル・ストーリーを同じく三人が脚色、フェリーニが監督した、女の哀歓を描いた一篇。

 

第30回アカデミー賞では外国語映画賞を受賞した。

当時映画評論家だったフランスのトリュフォーがこの作品を激賞したことでも有名。

 

名作「道」でヒロインを演じたジュリエッタ・マシーナが本作の主人公を熱演している。

まるで、「道」の続編でもあるかのように感じた観客が多かったという。

 

 

本作は、1960年代にはブロードウェイミュージカルとなり、『スイート・チャリティー』として、シャーリー・マクレーン主演でハリウッド・リメイクされた。

 

悲しい娼婦が新たな人生を求めて数多くの男たちと出会う。

だが、最後に出会った魅力的な男は、彼女を殺そうとするのだ。

こんな悲しい人生があるだろうか。

だが、難を逃れた彼女は、子供たちと共に立ち去って行く。

 

このクライマックスとエンディングは、フェリーニならでは最高のシーンである。

 

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