イギリス映画ベスト100 第52作 「三十九夜 」 ヒッチコック監督の初期作品! | 人生・嵐も晴れもあり!

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「三十九夜 」  

(原題:The 39 Steps

 

The 39 Steps (1935) | The Criterion Collection

 

「三十九夜 」 全編(英語字幕付き) 

 

1935年6月6日公開。

ヒッチコック監督による傑作サスペンス。

 

原作:ジョン・バカン『三十九階段』

脚本:チャールズ・ベネット、アルマ・レヴィル(撮影用台本)、イアン・ヘイ(台詞)

監督:アルフレッド・ヒッチコック

 

キャスト:

  • リチャード・ハネイ: ロバート・ドーナット
  • パメラ: マデリーン・キャロル
  • アナベラ・スミス: ルーシー・マンハイム
  • ジョーダン教授: ゴッドフリー・タール
  • マーガレット: ペギー・アシュクロフト - 小作人の若妻。
  • ジョン: ジョン・ローリー - 小作人。
  • ルイーザ・ジョーダン: ヘレン・ヘイ - ジョーダン教授の妻。
  • “シェリフ”・ワトソン: フランク・セリアー - ジョーダン教授の友人。
  • ミスター・メモリー: ワイリー・ワトソン - 記憶屋。

 

The 39 Steps (1935) | The Criterion Collection

 

あらすじ:

ロンドンのイーストエンドの或る寄席に、最近カナダから帰ったハネーは入った。

舞台にミスタ・メモリーと称する記憶の達人が客から出され凡ゆる質問に答えていた。

その時突如一発の銃声が起こった。

観客は舞台を後へに出口へ殺到した。

ハネーは自分の身体にぴたりとついて来る女に助けを乞われ、自分のアパートへ取りあえず同行した。

女は灯をつけるなと頼む。

そして女が言う通り、街角には怪しい男が二人立っている。

女は自ら国際スパイであると語った。

イギリスの国防に関する秘密を某国に売ろうとしているスパイ団を追跡中、寄席まで跡をつけた処を敵に感づかれ、ピストルを発射して混雑に紛れて逃げたのである、という。

この事件の首謀者はスコットランド高原に居る、小指の無い男で、彼女は其処へ急行するのだ、ということである。

ハネーが一寝入りした所へ女が倒れて来た。

その背にはナイフが立っている。

「私の代わりにスコットランドへ行って下さい。」と言うと女は絶命した。

ハネーは女殺しの下手人と目されることは必然である。

当のスパイを捕らえて身の潔白を証明する外はない。

ハネーは未明のスコットランド行の急行列車に乗り込んだ。

エジンバラ駅で見た新聞には、アパートの女殺し犯人ハネーの行方厳探中、とある。

そして車中も捜索され始めた。

ハネーは一女性に急場を救って貰おうとして却って警官に渡されようとしたが、橋梁に身を潜めて逮捕を免れた。

死んだ女から聞いた宛名は有名な学者の家だった。

そのジョーダン教授こそ小指の無い男で、彼は自分をスパイの首領とは誰も信じないから君は自殺しろ、と勧めた。

ハネーは教授邸を脱出して警察に斯くと訴え出ると却って捕縛された。

諦め切れぬハネーは警官の手から逃れて、或る公会堂に跳び込んだ。

そこで彼は列車中で遇った女性と邂逅した。

彼を殺人犯と思っている彼女は折柄来た警官にハネーを引き渡すと、警官は彼女とハネーに一つの手錠をはめた。

警官と思ったのは教授の部下だった。

ハネーは手錠で繋がれたまま逃げて小さい宿屋に泊まった。

其の夜ハネーが眠っている間に手錠を抜いた彼女--パメラは逃げようとして、昼間のスパイの部下が電話を借りに来ての話を聞いた。

初めてハネーが殺人者でない事を知ったパメラはハネーに電話の件を話した。

其の夜ハネーはロンドンのパラディアム座に入った。

舞台にはミスター・メモリーが立っている。

そして第一のボックスにはジョーダン教授が居る。

ハネーは『39ステップス』とは何か、と訊ねた。

それは或るスパイ団の名称で某国の秘密を……と答え出した瞬間に、銃声と共にミスター・メモリーは倒れた。

発射した教授は警官隊に押さえられた。

メモリー氏は虫の息で、教授から此の国の防空の秘密を暗記させられ、今夜国外へ連れて行かれる筈だった、と語った。

 

The 39 Steps (1935) | MUBI

 

コメント:

 

1935年のイギリスのサスペンス映画の名作である。

監督はアルフレッド・ヒッチコック。

ジョン・バカンの小説『三十九階段』を原作としている。

同原作の映像化作品の中では最も有名で、英国映画協会が1999年にアンケート調査した20世紀の英国映画トップ100では、第4位にランクされている。

 

The 39 Steps (1935) - Turner Classic Movies

 

原題は原作の小説『三十九階段』と同様に「The 39 Steps」になっている。

おそらく『三十九階段』だと、全く意味不明で、サスペンス風でもないので『三十九夜』にしたのだろう。

これは良い改題かも。

 

「三十九夜( The 39 Steps )」は、アルフレッド・ヒッチコック( Alfred Hitchcock )が1935年にイギリスで作った作品である。

イギリス人は周知のようにミステリー小説が好きで、シャーロック・ホームズ・シリーズを始め多くのミステリー小説の傑作を生んできたが、映画のほうでもそうしたミステリー小説を好んで題材にした。

ミステリー映画を作っていれば、それなりの興行成績が見込めるからだ。

そんな中でアルフレッド・ヒッチコックは、ミステリー映画の巨匠と言われた。

彼の活動は、サイレント時代から1970年代までの半世紀にも及ぶが、その間にせっせとミステリー映画を作り続け、それらがことごとく評判をとったのであった。

 

現在連載中の「イギリス映画ベスト100」は、英国のエンパイア誌が選んだ映画100作であって、世界で人気があるイギリス映画100作ではない。イギリス人好みの100作なのだ。

日本人が全然知らない作品も多い。

このシリーズ終了後は、ミステリー、童話、文芸作品に特化した映画を集中してアップしたい。

 

 

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