日本の文芸映画 藤沢周平「橋ものがたり 小さな橋で」 時代劇専門チャンネルのオリジナル作品! | 人生・嵐も晴れもあり!

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「橋ものがたり 小さな橋で」

 

BSフジサタデースペシャル>橋ものがたり『小さな橋で』|BSフジ

 

「橋ものがたり 小さな橋で」 予告編

 

2017年11月18日公開。

時代劇専門チャンネルのオリジナル作品。

TVドラマ『北の国から』シリーズの杉田成道監督が映像化したヒューマンドラマ。

 

原作:藤沢周平「小さな橋で」

脚本:小林政広 

監督:杉田成道

制作:時代劇専門チャンネル、スカパー!、松竹

 

キャスト:

おまき:松雪泰子
民蔵:江口洋介
広次:田中奏生
おりょう:藤野涼子
銀平:筧利夫
周兵衛:笹野高史
おとみ:松井玲奈
惣平衛:中村梅雀

 

BSフジサタデースペシャル>橋ものがたり『小さな橋で』|BSフジ

 

あらすじ:

慣れぬ博打によって父・民蔵(江口洋介)が姿を消してから4年。

10歳の少年・広次(田中奏生)は母・おまき(松雪泰子)、姉・おりょう(藤野涼子)と3人で暮らしている。

飲み屋で懸命に働きながらも自分の元を去った父に恨み言をこぼす母。

広次はそんな母を複雑な思いで見つめていた。

ある日、母との諍いが絶えなかったおりょうも妻子持ちの男と駆け落ちしてしまう。

娘も失った母は心身ともに疲れ果て、飲み屋の常連客の男にすがろうとする。

そんな母の様子に、広次は嫌気がさし、家の仕事を放り出して葭原で寝転んでいると、男たちに追われている父と偶然再会する……。

 

時代劇専門チャンネル on Twitter: "これまでに映像化された 『#橋ものがたり』3作品を2週にわたり放送🍃 #松雪泰子 #江口洋介  「#小さな橋で」 📺1/23(日)よる7時~ 「橋」を舞台に 時代劇版「#北の国から」ともいえる家族の物語✍️ シリーズ最新作「#殺すな」とあわせ  ...

 

コメント:

 

時代劇専門チャンネルのオリジナル作品。

原作は、藤沢周平の短編集『橋ものがたり』に収録されている『小さな橋で』。

 

藤沢周平 『橋ものがたり』 | 新潮社

 

 

江戸の町で肩を寄せ合って生きるひと組の家族の絆を描き出す。

松雪泰子、江口洋介が夫婦に扮し、娘を『ソロモンの偽証』の藤野涼子、息子をオーディションで抜擢された子役の田中奏生が熱演している。

 

新たな時代劇の挑戦だが、BGMはクラシックからさだまさしの「秋桜」までかかるバラエティさに時代劇らしからぬところがありって新鮮。

物語は少年独白形式で展開され、展開だけでなく、時代劇で少年が主人公というのも珍しいが。

これが成功している。
この少年の家庭は、父が借金により家を出て、姉は16才だが、不倫の上に駆け落ちする。
二人とも小さな橋を渡ったために、家に帰ることがない。
まさに、渡った人は帰らない。

橋ものがたり|時代劇専門チャンネル

そんな家庭で母は飲んだくれるが、考え方はいたってまとも。
この境遇を子供にあたることもなく、寂しさを母は酒でまぎらわせているのがわかる。
母役は松雪泰子。

やさぐれ感が逆に色気を誘う。
そんな母の濡れ場のシーン。

家庭の状況で、恐らく、小学校の高学年くらいの少年が、心にいろんなものを溜め込む。
言葉にすることも出来ないくらいに思い詰めるところが真面目な少年だと感じさせる。
どうにもやるせなくなった少年が、橋を渡るか渡らないか迷ってしまう。
そこに貧乏長屋で仲の良い少女が迎えにくる。
月を眺めながらいい雰囲気を醸し出し、少女をグッと抱き締める。
そこで少年が心の中で言った「デキタ」の一言に、思わず笑ってしまう。

このデキタ(男と女がくっつく)は、姉の不倫で近所の人たちが噂する時に使った言葉。
子供はデキタなんて言うんじゃないと言われる。
そんな子供の禁句を最後に持ってくる。
散々、陰気臭くしておきながらのこの一言は、笑激のインパクトがあって、爽快感がある。
少年から男への成長を感じさせる。

 

この映画は、時代劇専門チャンネルで動画配信中。