欧州映画50+50 ドイツ 第94作 「善き人のためのソナタ」 各賞総なめの傑作! | 人生・嵐も晴れもあり!

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「善き人のためのソナタ」

(原題: Das Leben der Anderen)

 

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「善き人のためのソナタ」 予告編

 

2006年3月23日公開。

1980年代の東ドイツを描いた大ヒット作。

各国の映画賞総なめの傑作。

興行収入:$77,356,942

 

受賞歴:

  • アカデミー賞:外国語映画賞
  • ニューヨーク映画批評家協会賞:外国語映画賞
  • ロサンゼルス映画批評家協会賞:外国語映画賞
  • ヨーロッパ映画賞:作品賞、脚本賞、男優賞
  • ドイツ映画賞:作品賞、監督賞、脚本賞、主演男優賞、助演男優賞、美術賞、撮影賞
  • バイエルン映画賞:監督賞、脚本賞、男優賞
  • ミュンヘン映画祭:ベルンハルト・ヴィッキ映画賞
  • ロカルノ国際映画祭:観客賞
  • インディペンデント・スピリット賞:外国語映画賞
  • 英国インディペンデント映画賞:外国語映画賞
  • 英国アカデミー賞:外国語映画賞
  • セザール賞:外国語映画賞

 

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監督・脚本:フロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク

 

キャスト:

  • ゲルト・ヴィースラー大尉: ウルリッヒ・ミューエ - シュタージのベテラン尋問官。
  • クリスタ=マリア・ジーラント: マルティナ・ゲデック - 人気女優。
  • ゲオルク・ドライマン: セバスチャン・コッホ - 劇作家。クリスタの同棲中の恋人。
  • アントン・グルビッツ中佐: ウルリッヒ・トゥクル - ゲオルクの旧友で上司。俗物。
  • ブルーノ・ハムプフ大臣: トーマス・ティーメ - クリスタに執心。ゲオルクの監視を命令。
  • パウル・ハウザー: ハンス=ウーヴェ・バウアー - ゲオルクの演劇仲間。反体制派の活動家。
  • アルベルト・イェルスカ: フォルクマー・クライネルト - 活動を禁止された著名な舞台演出家。
  • カール・ヴァルナー: マティアス・ブレンナー - ゲオルクの演劇仲間。
  • アクセル・スティグラー少尉: ヒンネルク・シェーネマン 

 

心に響く映画 『善き人のためのソナタ』 [ドイツ] All About

 

あらすじ:

1984年11月の東ベルリン、DDR(東ドイツ国家)は国民の統制と監視のシステムを強化しようとしていた。

劇作家ドライマン(セバスチャン・コッホ)の舞台初日。

上演後のパーティーで国家保安省(シュタージ)のヘムプフ大臣(トーマス・ティーメ)は、主演女優でドライマンの恋人でもある魅力的なクリスタ(マルティナ・ゲデック)から目が離せなくなる。

党に忠実なヴィースラー大尉(ウルリッヒ・ミューエ)はドライマンとクリスタの監視および反体制的であることの証拠をつかむよう命じられる。

早速ヴィースラーは彼らのアパートに向かい、屋根裏に監視室を作り盗聴を始め、詳細に記した日々の報告書を書き続けた。

既にクリスタと関係を持っていたヘムプフ大臣は「君のためだ」と脅し関係を続けるよう迫っていた。

その一方で、ヴィースラーは毎日の監視を終えて自分の生活に戻る度に混乱していく自分を感じていた。

そんな中、ドライマンは、DDRが公表しない、東ドイツの高い自殺率のことを西ドイツのメディアに報道させようと雑誌の記者に連絡を取った。

監視されていないと確信したドライマンは雑誌の記者を家に呼ぶ。

匿名の記事が雑誌に載ると、緊張が走った。

DORはドライマンのアパートを家宅捜査するが、何も見つけることはできなかった。

クリスタに約束を破られた大臣は、薬物の不正購入を理由に彼女を逮捕させ、刑務所へ連行する。

そこではヴィースラーが担当官として尋問にあたることになった。

複雑な再会に戸惑いながらも、記事はドライマンによるものであると認めなければ二度と舞台に立つことはできないだろう、と脅す。

クリスタは尋問に屈し、証拠となるタイプライターの隠し場所を教えてしまう。

そして捜査官は、今度は確信を持ってドライマンのアパートに踏み込み、ドアの敷居を持ち上げさせるが……。

 

善き人のためのソナタ:フロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク

 

コメント:

 

東ドイツのシュタージという組織(密偵組織 ゲシュタポ的)がこの映画の80年代まで存在し、監視社会が続いてた事実に驚きをかくせない。
ナチス映画と同じく重苦しい映画で、シュタージによる犠牲も多く、事実ではあるが憂鬱。
 

主人公・ヴィ―スラーが物悲しい。

シュタージに対して忠実で仕事に実直な様子が冒頭の学校での講義で良く描かれている 

また寝かせない取り調べも後につながる。


上司や大臣の出世欲(個人欲)や作家ドライマンと恋人クリスタのまっすくな思いに触れ、無口ではあるが徐々に心変わり エレベーターでの少年との絡みが良かった。


クリスタが大臣との愛人関係清算から取り調べを受け、作家の証拠タイプライターを暴露し、結果的にヴィ―スラーが隠したものの、彼や国家との関係を悲観し自死してしまう。

実にむなしい。


ドナースマルクが社会派監督として、東ドイツの色の無い閉塞した社会を良く描いている。

1989年のベルリンの壁崩壊の7年後に公開されている東ドイツの内情を描いた作品であり、世界各地の映画賞を受賞して同監督の代表作となった。

当時33歳の若さだった。

この人は、ケルン出身で、ベルリンにも少年期に住んだことがある。

ドイツとオーストリアの市民権を持つ。現在はロサンゼルス在住。

本作以外の代表作は、アンジェリーナ・ジョリー、ジョニー・デップが共演した2010年のアメリカのロマンティック・スリラー映画『ツーリスト』である。

 

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