淀川長治が選んだベスト映画100本 「フィールド・オブ・ドリームス」 野球にまつわる夢の実現! | 人生・嵐も晴れもあり!

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「フィールド・オブ・ドリームス」

(原題:Field of Dreams

 

フィールド・オブ・ドリームス』 フィル・アルデン・ロビンソン 1989 : なにさま映画評

 

「フィールド・オブ・ドリームス」 予告編

 

1989年4月21日公開。

夢を求めて生きるある男の姿を、野球をべースにして描いたドラマ。

興行収入:$84,431,625

 

原作:ウイリアム・パトリック・キンセラ『シューレス・ジョー』

監督・脚本:フィル・アルデン・ロビンソン

 

キャスト:

レイ・キンセラ:ケヴィン・コスナー

ムーンライト・グラハム:バート・ランカスター

アニー:エイミー・マディガン

カリン:ギャビィー・ホフマン

シューレス・ジョー:レイ・リオッタ

マーク:ティモシー・バスフィールド

 

フィールド・オブ・ドリームス」球場はどこにある? MLBが名画の舞台を再現した球場のすべて - スポーティングニュース

 

あらすじ:

ある春の夕暮れ、アイオワ州のとうもろこし畑で働いていたレイ・キンセラ(ケヴィン・コスナー)は、突然「それを建てれば彼がくる」という幻の声を聞き、畑をつぶして野球場を建てる決心をする。

妻のアニー(エイミー・マディガン)は夫の思いを遂げさせようとレイを温かく見守るが、町の人々の反応は冷やかだった。

1年が過ぎたある日、娘のカリン(ギャビィー・ホフマン)が野球場に19年のワールド・シリーズで八百長試合のかどで球界を追放されたシューレス・ジョー(レイ・リオッタ)が現われるのを発見する。

その日を境に、シューレス・ジョーとともに球界を追放されたシカゴ・ホワイトソックスの8人のメンバーが次々と姿を現わした。

その時レイはまたしても「彼の苦痛を癒せ」という幻の声を聞き、彼は60年代の作家・テレンス・マン(ジェームズ・アール・ジョーンズ)を訪ねてシカゴヘ向かう。

そしてフェンウェイ・パークで野球を観戦中、レイとマンは電光掲示板に映ったメッセージを読みとり、今度はムーンライト・グラハムという野球選手を探すことになった。

2人はミネソタ州チゾムに彼を訪ねるが、すでにグラハムは亡く、その夜レイはなぜか60年代のムーンライト・グラハム(バート・ランカスター)と出会った。

しかしその頃アイオワでは、レイの野球場が人手に渡る危機を迎えようとしていた。

アニーからそれを聞いたレイは、マンとともに帰途につくが、道中ひとりの若き野球選手(フランク・ウェイリー)を車に乗せる。

実は彼こそが若き日のグラハム、その人であった。

アイオワに戻ったレイは、野球場売却を勧めるアニーの兄・マーク(ティモシー・バスフィールド)と口論するが、その最中カリンがケガをする。

そんなカリンを助けたのが、ドク“ムーンライト”・グラハムであった。

そしてその時初めて、マークもこの土地の持つ夢の大きさを知り、売却を撤回した。

そしてその夢は、限りない未来への希望で包まれてゆく--。

 

フィールド・オブ・ドリームス』 - 指田文夫の「さすらい日乗」

 

コメント:

 

野球を題材に、60年代をキーワードとして夢や希望、家族の絆といった、アメリカで讃えられる美徳を描き上げたファンタジー映画である。

これぞ、アメリカン・ドリームだ。

 

トウモロコシ畑でささやく声に導かれ、畑に野球場を作ってしまった男の話である。

なんとその野球場に現れたのは往年の野球選手のゴーストだった。

 

その最初のシーンがこちら:

 

 

 

MLBが、オハイオのとうもろこし畑に本当のスタジアムを作って公式戦を行ったと聞く。

この記念すべき試合のオープニングはおそらくメジャーで永遠に語り継がれるのではなかろうか。

ここで満員の席に向かってケビン・コスナーが”Is this heaven?”という問いに、満場の席から万雷の拍手と歓声が沸き起こる。この記念すべき1試合のゲームもまた凄まじく興奮する結末なのだが、ベースボールが、アメリカ、あるいはアメリカ人にとってかけがえのない天国のような世界であることを再認識させる作品だ。
 

名作「フィールド・オブ・ドリームス」メジャーの夢 宝物の歴史 - 70年代 80年代

 

ハートフルなユーレイとの心温まるファンタジーが泣かせる。
バート・ランカスターのドクは貫禄。

主人公のケビン・コスナー、妻役のエイミー・マディガン、娘役のギャビー・ホフマンが共に好演。

 

ジェームズ・アール・ジョーンズ演じる小説家テレンス・マン(サリンジャーをイメージ)がケビン・コスナーが諦めてUターンする行く手を遮るシーンや、ジョー・ジャクソン(レイ・リオッタ)にいざなわれて天国のとうもろこし畑へ入ってゆくときのやんちゃな仕草など、彼の存在感の大きさをさらの示す映画とも言える。

あとはやはりバート・ランカスターだろう。

もともとこの役はジェームズ・スチュワートにオファーされたらしい。

それはこの映画が『素晴らしき哉、人生!』にインスパイアされているからだ。

それでもやはりバート・ランカスターがこの映画に出演した効果は絶大だ。

アメリカ人でありながらイタリアのルキノ・ヴィスコンティ作品にまで出演した大俳優が、この映画でウィンクするシーンもまた永遠である。
 

 

特に野球が広く親しまれている国々においてヒットした。

特に、アメリカでは第62回アカデミー賞で作品賞、脚色賞、作曲賞にノミネートされた。

また日本でも、第33回ブルーリボン賞や第14回日本アカデミー賞で最優秀外国語作品賞を受賞。

全世界で8つのノミネートを受け5つの受賞を果たしたがそのうち4つは日本の映画賞である。

 

米国大手映画批評サイトRotten Tomatoesでの評価は、88点。

いかに米国人がこういう映画が好きかが改めて分かる数字になっている。

とにかくアメリカの人たちは、野球、ユメ、希望、家族、そして神の声のような恩寵の導きが大好きなのだ。

 

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