山崎努の映画 「クライマーズ・ハイ」! | 人生・嵐も晴れもあり!

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「クライマーズ・ハイ」

 

 

クライマーズ・ハイ 予告編

 

「クライマーズ・ハイ」全編(1/2)

「クライマーズ・ハイ」全編(2/2)

 

2008年7月5日公開。

興行収入:11.9億円。

 

 

脚本: 加藤正人、成島出、原田眞人

監督: 原田眞人

 

キャスト:

  • 悠木和雅(遊軍・日航機事故担当全権デスク):堤真一
  • 佐山達哉(社会部・県警キャップ):堺雅人
  • 玉置千鶴子(地域報道班):尾野真千子
  • 等々力庸平(社会部長):遠藤憲一
  • 岸円治(政経部デスク):田口トモロヲ
  • 田沢善吉(社会部デスク):堀部圭亮
  • 山田厳(地方部デスク):金子和
  • 吉井弁次郎(整理部):マギー
  • 神沢周作(地域報道班):滝藤賢一
  • 伊東康男(販売局長):皆川猿時
  • 亀嶋正雄(整理部長):でんでん
  • 守屋政志(政経部長):矢島健一
  • 暮坂直樹(広告部長):樋渡真司
  • 稲岡信也(投稿欄担当):山田明郷
  • 森脇時彦(地域報道班):矢柴俊博
  • 藤浪鼎(事故調査委員長):大鷹明良
  • 黒田美波(元・社長秘書)野波麻帆
  • 安西小百合(安西耿一郎の妻):西田尚美
  • 粕谷隆明(編集局長):中村育二
  • 追村穣(編集局次長):螢雪次朗
  • 安西燐太郎(安西耿一郎の息子・成長後):小澤征悦
  • 安西耿一郎(販売部):髙嶋政宏
  • 白河頼三(社長):山崎努

 

 

 

あらすじ:

御巣鷹山で日本航空123便が消息を絶った。

地方紙の新聞記者である悠木(堤真一)は一報を受け、事故の全権デスクを任されることに。

県警キャップの佐山(堺雅人)たちは現地へ赴き、事故現場のレポートを始める。

谷川岳へ友人の安西(髙嶋政宏)と登るという悠木の予定は立ち消え、その安西も報道の渦中で過労で倒れ、亡くなってしまう。

佐山のレポートは社内の人間関係や対立などに呑まれ、握りつぶされてしまった。

様々な報道が飛び交い、新聞社の人間たちの思惑や関係が交錯する中、デスクは次第に興奮状態になっていく。

悠木は、登山におけるクライマーズハイに近い状態に自分たちがいると感じる。

興奮状態が極限に達した状態は最もミスを犯しやすい時であることを分かっている悠木は、新たに飛び込んできたスクープ「事故の原因」について慎重な姿勢で臨む。

悠木はネタを出した玉置(尾野真千子)に佐山を付けて確実なウラ取りを指示。

翌日の原稿締切が迫る中、このスクープを世に出すべきかどうか二者択一の決断を迫られる。

完璧なウラを取れなかったこともあり、悠木はスクープの掲載を見送る。

翌日、他社がその特ダネを抜いた。

そして悠木は責任を取って会社を辞める。

時を経て、あの時立ち消えた谷川岳登山に悠木は安西の息子と挑む。

悠木は音信不通にしていた息子の自分を想う気持ちを安西の息子から聞き、会いに行くことを決意する。

 

 

コメント:

 

原作は、横山秀夫による同名のミステリー小説。

週刊文春ミステリーベストテン2003年第1位、2004年本屋大賞第2位受賞。

著者が上毛新聞社の記者時代に遭遇した日本航空123便墜落事故を題材としている。

群馬県の架空の地方新聞社を舞台に未曾有の大事故を取材する新聞記者の奮闘を描く。

 

「クライマーズ・ハイ」とは、登山者の興奮状態が極限まで達し、恐怖感が麻痺してしまう状態のこと。

本作は、日航123便の事故をセンセーショナルに描いたものではない。

地元新聞社(モデルは上毛新聞)の記者を通しての「あの長い夏」の記憶だ。

 

とにかく全編に漂う緊張感がタダものではない。

皆が本当に現場にいた新聞記者に見えてくる。

 

クライマーズ・ハイ || ファミリー劇場

 

実直だが一本芯の通った堤真一。

クールな熱血漢記者の堺雅人のすさまじいまでの気迫と、最後に気が狂ってしまう地域報道班の男を演じる滝藤のあり得ない狂演がハンパない。

この映画は、その後大活躍しているこの3人の役者の片りんがはっきりと映像に残っている。

 

クライマーズ・ハイ』 : Rabiovsky計画

 

また尾野真千子が、カッコいい女性記者を颯爽と演じていたのも印象的だ。

堤真一と大喧嘩をする遠藤憲一の姿も切れている。

 

☆ 『クライマーズ・ハイ』(映画版) | 映画の感想文日記

 

地方新聞社の社長を演じている山崎努の圧倒的な存在感がすごい。

ワンマンでやりたい放題のワルで好色な地方新聞のボスが良く似合っている。

 

新聞社員や自衛隊の役もエキストラは使わず、俳優オンリーで通したことが成功要因だろう。

 

事故現場の凄惨さを再現していて、当時の陰鬱な気持ちを思い出させる。

忘れてはいけない記憶を映画が紡ぐというのは「活動写真」の役割のひとつだ。

原田監督の作品はどこかアメリカナイズされたものが多く「大好き」といえるものがなかったが、本作は掛け値なしに凄いシャシンだ。

現在までの原田組の最高傑作である。

 

男の社会がずっと繰り広げられる。
何といっても、山岳撮影が素晴らしい。

絶壁を登頂する光景や大自然の輝き、山肌の事故現場を再現したシーンも迫力満点。

 

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