「13階段」
2003年2月8日公開。
死刑確定囚の冤罪を晴らすために奔走する仮出所中の青年と刑務官の姿を描く。
興行収入:5.4億円。
原作:高野和明『13階段』
脚本:森下直
監督:長澤雅彦
キャスト:
- 反町隆史 - 三上純一
- 山崎努 - 南郷正二
- 木内晶子 - 木下友里
- 笑福亭鶴瓶 - 杉浦弁護士
- 田中麗奈 - 南郷杏子
- 西田尚美 - 三上知子
- 深水三章 - 三上俊男
- 宮藤官九郎 - 樹原亮
- 宮迫博之 - 寺田実
- 伊藤幸純 - 宇津木耕平
- 別所哲也 - 中森検事
- 井川比佐志 - 佐村光男
- 水橋研二 - 佐村恭介
- 大杉漣 - 安藤紀夫
- 石橋蓮司 - 阿部所長
- 崔洋一 - 武藤所長
- 寺島進 - 岡崎刑務官
- 大滝秀治 - 久保
- 河原さぶ - 室戸英彦
あらすじ:
傷害致死罪で3年の刑に服し、4ヶ月の刑期を残して仮釈放された三上純一(反町隆史)は、服役していた刑務所の刑務主任・南郷(南郷正二)に、ある死刑確定囚の冤罪を晴らす調査を手伝って欲しいと頼まれる。
調査を依頼したクライアントの仲介役の弁護士・杉浦(笑福亭鶴瓶)の提示した報酬は、一千万円。
迷う三上だが、逼迫した家計の助けになればと、仕事を引き受ける。
死刑確定囚の名は樹原亮(宮藤官九郎)。
10年前、仮出所注に自分の保護司である宇津木夫妻を金目当てで殺害したとされているが、彼は事件直後の交通事故で犯行時の記憶をなくしていた。
手がかりは、「階段を上っていた」という記憶の断片のみ。
死刑執行まで残された時間はわずか。
三上と南郷の“階段”探しは難航を極めた。
そんな中、思わぬ事実が浮かび上がる。
それは、事件当夜、三上が同じ町にいたことだった。
恋人・友里(木内晶子)と旅行に来ていた三上は、そこで自分が死に至らしめた佐村(水橋研二)に友里をレイプされていた。
7年後、佐村と偶然にも再会した三上は、彼を殺す。
それは事故だったが、三上には殺意があった。
南郷は三上に言う「殺意と殺人は違う……」。
やがて、土砂に埋まった廃寺から“階段”と凶器が見つかった。
ところが、その凶器から検出されたのは、三上の指紋だった。
それは、三上を宇津木夫妻殺しの真犯人に仕立て、彼を死刑に追い込もうと目論む、樹原冤罪調査のクライアントである佐村の父の計画だったのだ。
息子が犯したレイプ事件を知らない彼は、なんとしても三上に極刑を下したかった。
しかし、真犯人は宇津木の知り合いであるホテルのオーナー・安藤と判明。
安藤は、過去の罪をネタに宇津木から強請られていたのだった。
こうして真犯人を見つけ出した三上と南郷は元の生活に戻り、一年後、再審の決定した樹原に無罪判決が下った。
コメント:
原作は、高野和明のデビュー作であり、江戸川乱歩賞を選考委員の満場一致で受賞したことから話題となった同名のミステリー小説。
40万部を売り上げ、乱歩賞受賞作品の中でもっとも速く高い売り上げ記録を達成している。
死刑確定囚の冤罪を晴らす調査を手伝って欲しいと頼まれる主人公を反町隆史が熱演。
その依頼をする刑務官を山崎努。
冤罪となる囚人役に、宮藤官九郎。
笑福亭鶴瓶が弁護士役。
今となってはもう芸能界から追放されてしまった宮迫博之が死刑囚。
いずれも印象的な役柄だ。
他人の冤罪を晴らそうとしていたが、自分の事件に関係があったという予期せぬ展開に。
この変化が面白く、引き込まれる。
さすが江戸川乱歩賞を受賞したミステリーの映画化だけある。
前半が素晴らしい動きになっていて期待されるが、後半はちょっと失速気味。
残念。
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