古谷一行のドラマ 「横溝正史シリーズI・獄門島」 香川照之の母・浜木綿子が大活躍! | 人生・嵐も晴れもあり!

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横溝正史シリーズI・獄門島」

 

横溝正史・金田一耕助シリーズ「獄門島」 | 無料ドラマ・映画 | BS無料放送ならBS12(トゥエルビ)

 

「横溝正史シリーズI・獄門島」全編

 

TBS系列で1977年7月30日から8月20日まで毎週土曜日22時 - 22時55分に放送された。

全4回。

毎日放送製作。

 

脚本 - 石松愛弘

監督 - 斎藤光正

キャスト
  • 金田一 - 古谷一行
  • 磯川警部 - 有島一郎
  • 早苗 - 島村佳江
  • 月代 - 梶原恵
  • 雪枝 - 立枝歩
  • 花子 - 萩奈穂美
  • 嘉右衛門 - 滝沢修
  • お志保 - 浜木綿子
  • 儀兵衛 - 富田仲次郎
  • 千万太 - 角野卓造
  • 与三松 - 仲谷昇
  • お小夜 - 葉山葉子
  • 了然 - 中村翫右衛門
  • 荒木村長 - 河原崎国太郎
  • 幸庵 - 金子信雄
  • 鵜飼章三 - 三善英史
  • 竹蔵 - 江幡高志
  • 清公 - 三遊亭若円遊
  • 清水巡査 - 河原崎長一郎
  • お勝 - 斎藤美和

 

第4話【終】 | 横溝正史・金田一耕助シリーズ「獄門島」 | 無料ドラマ・映画 | BS無料放送ならBS12(トゥエルビ)

 

あらすじ:

 

終戦から1年経った1946年(昭和21年)9月下旬。

金田一耕助は、戦友・鬼頭千万太(きとう ちまた)の訃報を知らせるため、千万太の故郷である瀬戸内海に浮かぶ孤島、獄門島へ向かう船に乗っていた。

金田一は、千万太が今際の際に残した「おれが帰ってやらないと、3人の妹たちが殺される…」という言葉を思い出していた。

その前年、千万太は引き揚げ船の中で、来たるべき事件を未然に防ぐため、マラリアのため余命いくばくもない自分の代わりに獄門島に行ってくれるように戦友の金田一に頼んでいた。

千万太は金田一が本陣殺人事件を解決した探偵であることを知っていたのである。

金田一は獄門島へ向かう船の中で、戦争中供出されていた千光寺の釣鐘が鋳潰されずに返還されることになったことと、出征していた千万太のいとこである一(ひとし)の生存情報を耳にする。

獄門島は封建的な因習が残っている孤島で、島の網元である鬼頭家は、本鬼頭(ほんきとう)と分鬼頭(わけきとう)とに分かれて対立していた。千万太は本鬼頭の本家、一は本鬼頭の分家である。

本鬼頭家には、千万太の異母妹である三姉妹、月代・雪枝・花子。

そして美しくしっかり者の一の妹・早苗がいたが、当主である千万太の父・与三松は発狂して座敷牢に入れられており、千光寺の住職・了然と村長の荒木真喜平、医者の村瀬幸庵がその後見人となっていた。

それから10日あまり経って釣鐘が戻ってきた同じ日に千万太の正式な戦病死の公報が届き、葬儀が営まれた。

その夜、末妹の花子が行方不明となり、了然の指示で捜索が行われたが見つからない。

寺に戻ることにした金田一が千光寺の典座・了沢や潮つくり・竹蔵と合流し、提灯を持って先を行く了然の後を追っていたところ、境内に入った了然があわてて3人を呼びつけた。

その指差す先を見ると、庭にある梅の古木に足を帯で縛られた花子が逆さまにぶら下げられて死んでいた。

金田一は了然が念仏を唱える中「きちがいじゃが仕方がない」とつぶやくのを耳にする。

了然が発狂した千万太の父を犯人だと思っているのなら「きちがいだから」であるはずが、なぜ「きちがいじゃが」なのかと疑問を抱く。

翌日、金田一は逗留させてもらっている千光寺で、千万太と一の祖父で本鬼頭の先代・嘉右衛門が揮毫した3句の俳句屏風を目にする。「むざんやな 冑(かぶと)の下の きりぎりす」「一つ家に 遊女も寝たり 萩と月」の2句は読めたが、残る1句が判読できなかった。

残る2人の姉妹も千万太の遺言通りになることを恐れた金田一だが、挙動不審者として清水巡査に留置場に入れられてしまい、その間に次の殺人が起こる。

今度は三姉妹の次女の雪枝が首を絞められて釣鐘の中に押し込まれていた。

勾留されていたためにアリバイがあり、釈放された金田一は現場に赴き、そこで了然が「むざんやな」の句をつぶやくのを聞く。金田一が釣鐘をテコの原理で持ち上げる方法を実演してみせた後、復員兵の海賊が潜入したとの報告を受けた磯川警部が島を訪れ、金田一と再会する。

花子や雪枝が殺された日、何者かが屋敷や寺に侵入した形跡が見つかる。

海賊や殺人犯人の仕業ではないかと目され、山狩りが行われることになった。

その最中、金田一は床屋・清公から、三姉妹の母のお小夜は「道成寺」が得意な旅役者で、与三松が見初めて後妻にしたものの先代の嘉右衛門との折り合いが悪く狂死、そのあと与三松もおかしくなり座敷牢に入れられたという顛末を聞く。

その直後、復員兵が転落死するが、転落する前に何者かに頭を殴られていた。

早苗はその男が兄の一かもしれぬと思い、ひそかに食物を差し入れていたのだが、別人と判明する。

その夜、本鬼頭では雪枝の通夜が行われた。

三姉妹の長女である月代は白拍子姿となり母から伝授されたという祈祷を行っていたが、祈祷の鈴の音は途中から猫が鳴らしており、月代は絞殺されて辺りには萩の花が撒かれていた。

金田一は、雪枝が殺された日に釣鐘が移動したという目撃情報を聞く。

さらに月代がこもった祈祷所を先代が「一つ家」と呼んでいたことを聞かされて、月代の死が「一つ家に」の句の見立てであることに気付き、読めなかった屏風の句が「鶯(うぐいす)の身を逆(さかさま)に初音かな」であること、そして三姉妹はすべて屏風の句の見立てで殺されたことを知る。

金田一は獄門島の人間は気がちがっていると興奮し、その瞬間「きちがい」という言葉に関する謎が解ける。

金田一はこの事件に先代の影が差していることから、分鬼頭の当主・儀兵衛に話を聞く。そこで嘉右衛門が見立て遊びを好んだこと、孫息子を2人とも戦争にとられ、忌み嫌っていたお小夜の血が残る本鬼頭の将来を憂い、島の三大長老である住職の了然、村長の荒木、医者の幸庵に何かを託したこと、また彼らも嘉右衛門に同情的だったことを知る。

それまで金田一は警察が来たことで自分の素性が知れたと思い込んでいたが、かつて自分が関わった「本陣殺人事件」の新聞記事を村長が読み返しており、それを目撃した助役が儀兵衛にも耳打ちしていたことを知り、彼らがずっと以前から自分の素性を知っていたことに愕然とする。

金田一は磯川警部立会いのもと了然と面談し、一連の殺人事件の真相を語る。

花子(と復員兵)は了然、雪枝は荒木、月代は幸庵に殺されたのであり、俳句の見立てによる殺害方法も含めて、すべては死んだ嘉右衛門の差し金によるものであった。

了然が念仏を唱えながらつぶやいたのは「季違いじゃが仕方がない」であり、「鶯の身を逆に初音かな」は春の句であるのに対し現在は秋で、季節が違うということを指していた。

出征した千万太が死亡すれば、気の狂った与三松とその子供である三姉妹が本鬼頭を継ぐことになるが、嘉右衛門は三姉妹のうち誰が跡を継いでも本鬼頭の家が危うくなるうえ、三姉妹の母親であるお小夜に対する憎悪も手伝って、千万太が死に、一が帰った場合には、一に本鬼頭の家を継がせるために邪魔になる三姉妹を殺害しようと考えた。了然は、そのことを嘉右衛門が死の直前に自分たち3人に依頼したこと、「むざんやな」に使う釣鐘が戦時物資として供出させられているため嘉右衛門が指定する殺人方法は成立しないと安易に考えていたところに、釣鐘が帰ってきたうえ、千万太の死と一の生還という条件まで揃ってしまったため、実行に踏み切ったことを語る。

金田一はすべてが明らかになった後、前夜に荒木が島から逃亡したことと、幸庵も面談の前に発狂したことを知らせ、さらに一の生存が「復員詐欺」による偽りであったことを伝えたところ、了然はその場で急死する。

金田一は残された早苗に東京に出る気はないかと誘うが、早苗は本鬼頭を継ぐ意志を固めていたため、ひとり島を去る。

 

このドラマは、原作から次の変更がある。

  • 「きちがいじゃが仕方がない」を「きがかわっているが仕方がない」に変えたため同音異義語の聞き違いというトリックが無くなり、金田一は単に意味が解らなかっただけである。関連して、与三松が発狂して座敷牢に入れられている設定も無くなり、嘉右衛門の折檻により体を壊したため病弱で動きづらく、また猜疑心も強くなって引きこもっている。与三松が叫び声をあげる場面はあるが、復員兵(海賊)の侵入に驚いたり娘たちの死を大袈裟に嘆いたりしたことによるものである。
  • お小夜が祈祷を直接の理由として了然や幸庵と対立した設定は無い。病臥した与三松を祈祷で治そうとしたが、お小夜が原因の祟りとの噂が広がったため入水自殺した。
  • 冒頭に昭和19年の場面が追加されている。実行犯3名が遺言を聞いている様子を志保が盗み見し、気付いた嘉右衛門と争っているところへ3姉妹が乱入、ドタバタの中で嘉右衛門は絶命する。
  • 幸庵は一般的な漢方医ではなく鍼医師であり、泥酔する描写は無い。花子殺害前後に寺の方へ向かった鵜飼を目撃したのは幸庵ではなく金田一である。
  • 清水巡査は海賊退治には出ておらず、花子殺害の夜にも島に居た。アリバイ調べにより単独で分鬼頭へ行っていた金田一が怪しいと判断して、翌朝早々に連行して取り調べる。そこで磯川警部来島(殺人捜査のためで海賊とは無関係)の予定時刻になり、金田一を留置場に閉じ込めて迎えに行く。しかし、磯川警部が直ちに解放させたため、留置中に雪枝が殺害されたという設定にはなっていない。なお、磯川警部は金田一を「『蝶々殺人事件』を解決した」と紹介している。
  • 雪枝は殺害される直前の昼に、鵜飼に逢いに行って行方不明という騒ぎを起こしており、このとき復員兵(海賊)に遭遇する。
  • 屏風に貼られていた色紙は扇の形である。花子殺害後、金田一と磯川警部が協力して3句とも解読するが、その役割に気付くのは終盤で祈祷所が「一つ家」と呼ばれていることを知ってからであった。
  • 月代は雪枝殺害の夜にも祈祷をしていた。釣鐘から振袖が出ていないことを確認したのは竹蔵である。夜が明けてから振袖が出ていることを発見したのは鵜飼だが、その前に本鬼頭へ泊った経緯は無い。
  • 釣鐘は地蔵を撤去した跡の穴の上にあって穴の一部が棒を差し込める形になっており、支点には付近に転がっていた石を利用している。金田一が解明した方法で釣鐘を持ち上げた棒は長時間耐えることができず折れ、雪枝の死体は改めて櫓を組んで釣鐘を吊り上げて出された。
  • 雪枝殺害後、鵜飼と月代が一緒にいたところ復員兵(海賊)に遭遇し、ちょうど墓地の準備で集まっていた人たちが追いかけるが逃げられる。このとき復員兵が本鬼頭の風呂敷を持っていたことが判明する。その日のうちに山狩りが実施され、明るいうちに殺害されて一(ひとし)ではないことが確認される。その夜、祈祷中の月代を竹蔵が警護していたが、与三松が行方不明になったため持ち場を離れる結果になり、その間に月代が殺害された。これは、殺害動機に気付いた早苗が一への相続を実現するために月代殺害を助けようとして与三松が脱走するよう仕向けたためであった。なお、月代は萩の花を口に咥えさせられていた。
  • 鵜飼は、全ての真相が明らかになる前に、三姉妹が全員殺された段階で用済みになったと自ら判断して島を去った。
  • 舞台用釣鐘を海から引き揚げる場面は省略されており、金田一は竹蔵たちに実際に天狗の鼻へ持って来させてトリックを実演再現する。
  • 千万太と一が共に戦死した場合には早苗に継がせるためにやはり三姉妹を殺害することになっていたという金田一の推理は否定されない。
  • 了然は花子殺害時に鼻緒の切れていない下駄を別に用意しておいて時間を稼いだ。また、原作とは逆に、幸庵が雪枝を、村長が月代を殺害した。なお、幸庵は骨折ではなく筋を違えて左腕が使えなくなっていた。
  • 了然は磯川警部が連行しようとする直前に死亡(服毒自殺か病死か不明)し、村長と幸庵は各々の殺害現場で該当の句を詠みながら首吊り自殺あるいは投身自殺した。
  • 一の戦死を知った早苗は服毒自殺しようとするが金田一に制止され、与三松の説得で思いとどまった。金田一が早苗を島外へ誘う設定は無い。なお、一が生存しているという誤報が復員詐欺だったのかどうかは明らかにならない。

 

第2話 | 横溝正史・金田一耕助シリーズ「獄門島」 | 無料ドラマ・映画 | BS無料放送ならBS12(トゥエルビ)

 

コメント:

 

この「獄門島」という横溝正史の作品は、何度も映画化、ドラマ化がなされている。

なんとこのドラマの直前にも映画化されているのだ。

1977年(昭和52年)8月27日に公開された、市川崑監督・石坂浩二主演による映画だ。

市川崑・石坂浩二のタッグによる金田一耕助シリーズの3作目にあたる。

 

なぜこんな映画公開をしたのだろうか。

おそらく、古谷一行の人気に恐れをなした市川崑が、逆にそれを利用しようと、ドラマ終了の1週間後に封切にしたのだろう。

えげつないことこの上なし。

 

このドラマは、最も原作に近いと言われている作品。

 

三善英史演じる鵜飼は、原作では用済みとばかりに、島を追い出されるが、この作品では自ら出ていく。
三善英史という人の本職は歌手だったが、数本ながらドラマ数本にも俳優として出演している。

歌手デビューした時から、女っぽいと言われていたが、2007年に同性愛者だとカミングアウトしたらしい。

 

うえまる auf Twitter: „「獄門島」は古谷一行版が一番原作に近くて好き。浜木綿子のお志保と三善英史の鵜飼さんがめちゃめちゃハマってた。  三善英史はもっと俳優業やってほしかったな。今でも人気が出そうな顔立ちしてるよねこの人。 https://t.co/NHgEoWXahy“ /  Twitter

 


同年の石坂浩二の映画版と比較すればこっちの方が好感が持てる。
原作のムードもよく出ている。

 

浜木綿子が美しい。

この女優が、2022年芸能界で最大のスキャンダルの主役になった香川照之のお母上だ。

 

 

横溝正史シリーズ「獄門島」 - 美女・特撮・ドラマ


ドラマ冒頭から登場する、了然(中村翫右衛門)、村長(河原崎国太郎)、幸庵(金子信雄)のトリオが良い。

この作品のベストキャスティング。

 

ochichan on Twitter: "古谷一行金田一の『獄門島』('77 監督斎藤光正)。了然:中村翫右衛門(前進座)村長:河原崎国太郎(前進座) 幸庵:金子信雄(青俳)に嘉右衛門:滝沢修(劇団民藝)という思わず正座したくなるような4ショットだが、ヒーローは江幡高志さん ...

 

 

映画版は犯人を変えたのがよくなかった。
まあそのあたりは好みの問題でもあるが。


有島一郎の磯川警部ってのは何となく合う。
合うだけど、インパクトは弱い。

 

釣鐘のトリックは実に面白い。
金田一は相変わらず人死にまくってからしか解決できないが。
まあ、今回は早苗を助けるだけでもマシかも。

しかし、血の争いというか怨念というのはいつの時代も醜い。
ムラ社会の恐ろしさ、ここに極まれり。

 

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