「人魚の眠る家」
2018年11月16日公開。
事故で脳死状態になった娘の回復を願う人たちの苦悩を描く異色作。
興行収入:10.0億円。
原作:東野圭吾「人魚の眠る家」
脚本:篠崎絵里子
監督:堤幸彦
キャスト:
- 播磨薫子:篠原涼子
- 播磨和昌:西島秀俊
- 星野祐也:坂口健太郎
- 川嶋真緒:川栄李奈
- 美晴:山口紗弥加
- 進藤:田中哲司
- 薫子の父:斉木しげる
- 門脇:大倉孝二
- 江藤:駿河太郎
- 警察官:ミスターちん
- 池内徹也:遠藤雄弥
- ハリマテクスの役員:利重剛
- 播磨瑞穂:稲垣来泉
- 播磨生人:斎藤汰鷹
- 若葉:荒川梨杏
- 宗吾:荒木飛羽
- 播磨多津朗:田中泯
- 千鶴子:松坂慶子
あらすじ:
二人の子を持つ播磨薫子(篠原涼子)と、IT機器メーカーを経営する夫・和昌(西島秀俊)。
そんな二人は、娘の小学校受験が終わったら離婚すると約束していた。
だがある日、娘の瑞穂がプールで溺れ、意識不明になったという悲報が届く。
意識不明のまま回復の見込みがない娘を前に、生かし続けるか、死を受け入れるかという究極の選択を迫られた二人は、和昌の会社の最先端技術を駆使して前例のない延命治療を開始。
治療の結果、娘はただ眠っているかのように美しい姿を取り戻していくが、その姿は薫子の狂気を呼び覚まし、次第に薫子の行動はエスカレートしていくのだった。
やがて、和昌の父・多津朗(田中泯)や、薫子の母・千鶴子(松坂慶子)、技術研究者の星野祐也(坂口健太郎)とその恋人・川嶋真緒(川栄李奈)らを巻き込み、彼らの運命を狂わせていく……。
コメント:
原作は、東野圭吾のデビュー30周年記念作品となった同名ミステリー小説。
事故で脳死状態になった娘と、その回復を願う人たちの苦悩を描いている。
まず第一の試練は、プールでの事故のため脳死状態になった娘の臓器提供をするかどうかという判断である。
15才以下の場合は両親の承諾がいるのと、臓器提供の意思がないと医者としても脳死判定ができないと言うこと。
自発呼吸はできないが、まだ心臓が動いている娘を死人として扱うことができるのか。
二つ目は技術者社長としての父(西島秀俊)が、娘を生かすために部下のエンジニア(坂口健太郎)を私用で使うことについて。成果は上がるが、そのことにより、エンジニアの恋人との仲を裂きかねないこと、株主に対しての責任など。
また意識のないものが本当に生きているのかという問題。
三つ目は子供のいじめ。
仲の良い兄弟ではあったが、弟の入学式に意識のない娘を連れて行ったことから学校でいじめに遭う。
息子は「お姉ちゃんは死んでいるじゃないか」と言う。
母(篠原涼子)は外部からの声に惑わされず、自分の考えを貫き、娘を外に連れて行く。
みんなが死んでいると言っても親にとってはその子は生きているのだ。
圧巻は母親が刃物を持って娘を殺すと言って警察を呼ぶところ。
「死んでいる娘を殺せば殺人なのか」という場面はすごい迫力がある。
確かに理屈通りである。
父親の言い分も分かるし、母親の言い分も分かる。
見応えのある、死というものを考えさせる映画。
原作が良いのだろうが、それをうまく映像化した堤幸彦もすごい。
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