豊川悦司の映画 「居酒屋ゆうれい」 萩原健一主演! トヨエツは幽霊の室井滋に呪い殺される! | 人生・嵐も晴れもあり!

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「居酒屋ゆうれい」

 

居酒屋ゆうれい | 内容・スタッフ・キャスト・作品情報 - 映画ナタリー

 

「居酒屋ゆうれい」 全編

 

1994年10月29日公開。

小さな居酒屋を舞台に、主人と新妻、ユーレイとなった先妻が繰り広げるコメディ。

キネマ旬報年間ランキング第3位。

 

原作:山本昌代

脚本:田中陽造

監督:渡邊孝好

 

キャスト:

  • 壮太郎:萩原健一
  • 里子:山口智子
  • しず子:室井滋
  • 辰夫:三宅裕司
  • 幸一:西島秀俊
  • 魚春:八名信夫
  • 佐久間:橋爪功
  • 理恵:渋谷琴乃
  • 杉本延也:豊川悦司
  • 豊造:尾藤イサオ
  • ちづる:角替和枝
  • カスミ:余貴美子
  • 翼:比嘉武尊
  • 里子の母:絵沢萌子
  • 骨董屋:大竹まこと
  • 掛け軸泥棒:深沢敦

 

新 居酒屋ゆうれい : 作品情報 - 映画.com

 

あらすじ:

居酒屋「かづさ屋」の主人・壮太郎(萩原健一)は妻・しず子(室井滋)が息を引き取る前に、決して再婚はしないと約束した。

だが、それを破ってしまった。

兄の豊造(尾藤イサオ)夫婦の強引な勧めで見合いをしたところ、相手の里子(山口智子)にクラッときて、一緒になったのだ。

ところが、しず子はそれを恨んでこの世に戻って来た。

あなた、やっぱり嘘をついたのね、と壮太郎を問い詰める幽霊・しず子。

オレはおまえも確かに愛していたけど、里子も愛しているんだ、という壮太郎の胸のつぶやきも、しず子には通じない。

彼をめぐって、この世の女とあの世の女が壮絶な戦いを繰り広げることとなり、「かづさ屋」は壊滅状態に。

とはいっても、他人の眼にはしず子は見えず、「かづさ屋」は若い美人のおかみさん目当ての客が増えて毎晩大にぎわいとなる。

幼ななじみのバクチ打ちの辰夫(三宅裕司)、三河屋酒店の幸一(西島秀俊)、魚春のオヤジ(八名信夫)、家族を捨て蒸発した佐久間(橋爪功)、父を探し歩く娘…そんな人間たちが束の間の寂しさを忘れるために集まる溜まり場となっていった。

一方、ユーレイ騒動に疲れた壮太郎と里子は、寺へ相談に行く。

和尚は幽霊画の掛け軸を2人に渡しながら、あの世とこの世との出入り口になっている掛け軸の絵の中に幽霊を入れてしまえばもう悩まされることはないと言うのだが、計画は失敗し、壮太郎は掛け軸をうっかり電車の中で盗まれてしまう。

しず子の復讐が始まった。

彼女は里子の体に乗り移り、壮太郎を誘惑する。

ところが、さらに事態は急転し、辰夫が別れた妻子とヨリを戻す心機一転のためと、借金をして野球のナイター戦の賭けをしてしまう。

また里子は、元情夫でヤクザの杉本(豊川悦司)から呼び出しを受け、行方をくらましてしまった。

壮太郎は辰夫のために、しず子に懇願してナイター戦の結果を前もって教えてもらう。

それを教えることはしず子にとってはこの世にいられなくなることだったが、彼女は壮太郎にナイター結果を教え、また里子を杉本の手から救う。

どこかでしず子が見守る中、壮太郎のもとに里子も帰って来た。

 

居酒屋ゆうれい −ショーケン追悼− | ハナガタTV

 

コメント:

 

山本昌代の同名小説が原作。
後妻を娶った居酒屋の主人が、死んだ先妻の幽霊に祟られるというコメディだが、先妻の幽霊を演じるのが室井滋なので、少しも怖くない。
 

居酒屋ゆうれい」: まぁ ぼちぼちと・・・Part2

 

余命幾許もない妻に尋ねられて再婚する気はないと断言した気弱な亭主(萩原健一)に、病死した妻が言い遺した言葉が「再婚したら化けて出てやる」というもので、後妻が山口智子となれば、室井が嫉妬するのも無理はないというベストなキャスティングが功を奏して、楽しめるドラマになっている。


山口が女将さんとなった居酒屋が繁盛するのも道理で、しかも室井が化けて出るのは店が引けた後の新婚夫婦の閨という、商売の邪魔はしないという元女将なりの配慮。


店に集う常連客に魚屋の八名信夫、博打好きのマンションの大家・三宅裕司、酒屋の西島秀俊で、端役の西島がまだ若い。
そこにふらりとやってきた蒸発男の橋爪功が加わり、グランドホテル形式で物語は進行。

三宅が逃げた女房(余貴美子)の借財のために、巨神戦の野球賭博に有り金をはたくのを見た主人が、先妻に霊力で試合結果を教えてくれるように頼む。


教えれば二度と化けて出ることが出来ないと断るものの、そこは気のいい室井の幽霊。

山口が後妻となったのも訳ありで、出所した元情夫(豊川悦司)に付き纏われているのを知って呪い殺し、亭主に試合結果を教えて霊界に身を引くという美談に仕上がっている。
 

嫉妬から成仏できなかった室井が、功徳を積むことで煩悩を離れて成仏するというのがミソで、蒸発男も家族のもとに帰り、居酒屋らしくホロリと酔える人情噺となっている。

 

それに引き換え、この映画は、先妻が幽霊になってこの世に戻ってきて、「なんで再婚したんだ」とクレームするが、その後の展開はコミカルで、最後まで楽しいハッピーな作品にまとまっている。

ショーケンや山口智子の軽妙な動きと、お人好しで可愛い幽霊を演じる室井滋の存在が微笑ましい。

 

実生活では決して幸せではなかったショーケン。

だが、こんなに明るい表情を映画では見せてくれていたのだ。

 

当時のショーケンは、俳優業と歌手を併行して活動をしていた。

この時期は独身だった。

本作の前年に当たる1993年には、四国八十八箇所をお遍路し、1400-1600キロメートルを37日という驚異的な早さで踏破したという。

お遍路の功徳もあったのか、すっきりした表情だ。

 

我らがトヨエツは、ショーケンの後妻・里子(山口智子)の元情夫で、ヤクザ者の杉本を演じている。

この男は刑務所にぶちこまれていたが出所して、里子につきまとう。

ゆうれいとなっている先妻の室井滋は、後妻の山口智子とショーケンが仲睦まじく暮らせるよう、トヨエツを呪い殺してしまうのだ。

このあたりが実に面白い。

 

居酒屋ゆうれい」 (1994) | 昼下りのサブリナ(昼下がりのサブリナ:since 2006) - 楽天ブログ

 

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