「サイレント・トーキョー」
2020年12月4日公開。
秦建日子(はた たけひこ・男性)のサスペンス小説を映画化。
興行収入:4億4000万円。
原作:秦建日子『サイレント・トーキョー And so this is Xmas』
脚本:山浦雅大
監督:波多野貴文
キャスト:
- 朝比奈仁:佐藤浩市
- 山口アイコ:石田ゆり子
- 世田志乃夫:西島秀俊
- 須永基樹:中村倫也
- 高梨真奈美:広瀬アリス
- 来栖公太:井之脇海
- 泉大輝:勝地涼
- 里中:毎熊克哉
- 印南綾乃:加弥乃
- 里中の妻:白石聖
- 朝比奈仁 青年期:庄野崎謙
- 自衛隊員の子:川口和空
- 高沢雅也:金井勇太
- 鈴木学:大場泰正
- 探偵・田中:野間口徹
- 須永尚江:財前直見
- 磯山毅:鶴見辰吾
あらすじ:
12月24日、クリスマス・イブ。
幸せな気分に包まれ、人々が色めき立つ。
東京・恵比寿に爆弾を仕掛けたという電話がテレビ局にかかってくる。
半信半疑で中継に向かったテレビ局契約社員・来栖公太(井之脇海)と、買い物に来ていた主婦・山口アイコ(石田ゆり子)は、騒ぎのさなかで爆破事件の犯人に仕立て上げられてしまう。
その様子をひとりの男が静かに見つめていた……。
そんな中、新たに犯行予告が動画サイトにアップされる。
次なる標的は渋谷・ハチ公前付近。
犯人の要求は「テレビ生放送での首相との対談」、それが受け入れられない場合は18時に爆弾が爆発するという。
渋谷署刑事課・警部補の世田志乃夫(西島秀俊)は、新人刑事・泉大輝(勝地涼)とともに犯人の行方を追う。刻一刻と爆破予告のタイムリミットが迫るなか、クリスマスに沸き立つ群衆は事件の物珍しさもあり、続々と渋谷スクランブル交差点に押し寄せてくるのだった……。
コメント:
秦建日子による小説『サイレント・トーキョー And so this is Xmas』を映画化。
本作は、クリスマスイブに巻き起こる爆弾テロ事件に巻き込まれた人々の姿を描くサスペンス。
連続爆発事件が起こり、主婦とテレビ局の契約社員が犯人の強制により政府への要求動画をアップする。
この爆弾テロをどう防ぐのかがメインディッシュかと思いきや、あっさりと爆弾は渋谷スクランブル交差点を急襲する。
このあっさりと事件が起こる描写はホラー感一杯だ。
そして犯人捜しに軸足を移し、その動機の描写に専念してゆく。
日本では珍しいド派手な爆破シーンが満載の映画。
それが「サイレント・トーキョー」である。
秦建日子がジョン・レノンとオノ・ヨーコの楽曲「Happy Xmas(War Is Over)」にインスパイアされて執筆した小説「サイレント・トーキョー And so this is Xmas」を映画化したクライムサスペンスだ。
クリスマスイブの東京。主婦の山口アイコ(石田ゆり子)が恵比寿で買い物をしている。
その後彼女はベンチに腰を下ろす。
ちょうどその頃、テレビ局に爆弾テロの犯行予告の電話が入り、来栖公太(井之脇海)は先輩とともに恵比寿の指定の場所へと向かう。
そこでベンチに座ったまま動けずにいるアイコと出会った2人は、そのベンチに爆弾が仕掛けられていると告げられる。
序盤は恵比寿の爆弾騒動。
たまたま買い物に来たらしいアイコと、テレビ局のバイト社員の公太が事件に巻き込まれていく。
それがこの映像:
事件の真相がわからないままに、事態だけが動いていく不安がスクリーンを覆いつくす。
刑事・世田を演じている西島秀俊の事件を追う姿には存在感がある。
犯人は、恵比寿に次ぐターゲットとして、渋谷・ハチ公前を狙う。
爆弾を午後6時にセットし、首相との生対談を要求してくる。
もちろん要求を飲まなければ爆弾は爆発する。
だが、人々は興味本位で現場近くへと集まってくる。
そして、実際に爆弾は爆発する。
この爆破シーンが圧巻だ。
それにしても渋谷の街の真ん中でこんな場面を撮影するとは!
と思ったら、驚くことにこのシーンは、渋谷スクランブル交差点の巨大オープンセットを建設して撮影したものだという。
どこから見ても、本物にしか見えない迫真性を持ったシーンである。
この場面だけでも観る価値があるだろう。
この爆破シーンは、足利市に作られた渋谷のスクランブルのオープンセットで撮影されたが、この渋谷の光景は実にリアルで、ここの雑踏シーンとそれに続く騒乱シーンはよくできている。
この爆破の後、犯人は東京タワーに狙いを定める。
警察は須永基樹(中村倫也)という若き起業家をマークするが、彼は犯行の片棒を担がされていただけで、本当の犯人は別のところにいることがわかる。
それが朝比奈仁(佐藤浩市)という人物だ。
さっそく警察は朝比奈のもとに向かうのだが……。
この映画のメイキング映像はこちら:
本作が一番伝えたかったことは、平和ボケしてる国民への意識改革かも知れない。
渋谷でたむろしている国民の愚かさは、誰が観ても同じ国民として落胆を隠せないものだ。
同情の余地すらない程に。
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