「XX(ダブル・エックス) 美しき凶器」
1993年12月22日公開。
殺し屋という裏の顔を持つピアニストの危険な駆け引きを描くエロティック・サスペンス。
R-15指定。
原作:大沢在昌『眠りの家』
監督・脚本:小水一男
出演者:
宮崎萬純(ますみ) 、 村井国夫 、 草刈正雄 、 加藤武 、 荒井紀人 、 大杉漣 |
あらすじ:
日本のフィクサーである国分(加藤武)は腹心の吉沢(村井国夫)に殺し屋の手配を任せていた。
吉沢は坂上(草刈正雄)という殺し屋を雇っていたが、坂上は酒で身を持ち崩し、今ではしがないピアノ弾きとして暮らしていた。
そこで、大木という別の殺し屋を山奥の一軒家に送り込んだ。
坂上は、そこで大木が女(宮崎萬純)を抱いた直後に殺される様子を目撃した。
女もまた吉沢の殺し屋だったのだ。
すると、坂上のもとへ吉沢から殺しの依頼がくる。
ターゲットは例の女だった。
自分の命が危ないことを知りつつも、女の美しさに惹かれ、抱いてしまう吉沢。
だが国分のために殺しを遂行してきた女もまた命をねらわれている身であった。
部屋にいた吉沢が銃口を女に向ける。
女はそれに気づかない。
実は、彼女は盲目だった。
銃声が響く。
血まみれになって倒れている吉沢の前に、坂上が立っていた。
吉沢は国分と女の関係を語り、息絶えた。
国分を崇拝してきた女は、その時初めて自分自身の人生を歩き始める決心をした。
コメント:
村井国夫と草刈正雄のダンディ対決と、萬純(ますみ)姐さんの渾身の濡れ場とプロポーションを堪能する映画だ。
分かってはいたけど深夜枠のVシネドラマ。
本作は、新宿鮫シリーズ等で知られるハードボイルド作家・大沢在昌原作のハードボイルド作品といわれている。
実際は、様式はハードボイルドを継承しているが、演出が甘く、ハードではなくソフトボイルドというべきか。
演者は決して悪くないが、シナリオがイマイチだ。
演者は全然悪くない。
草刈正雄は適役で色気もあり素晴らしかった。
村井國夫も美味しい役だった。
主演の宮崎萬純が、体当たりのヌードを披露しており、美しい。
ハードボイルドではなく、ファンタジーだとすれば、80点くらいか。
小水監督はポルノ畑の監督らしく、主演女優を美しく撮るのが上手い。
この盲目の女殺し屋というヒロインを演じたのは、宮崎萬純(ますみ)という女優。
ある時期は相当人気があった色っぽい女優だ。
江戸川乱歩の『屋根裏の散歩者』(1994年)でも妖艶な姿を見せている。
令和の若い方々はご存じないかも知れない。
しかし、「世田谷自然食品」の「青汁」のCMの女性だといえばお分かりだろう。
現在54歳だが、このCM撮影当時は50歳前後だったかも。
この大げさなセリフを懸命にアピールする不自然な語り口こそ、ますみ姐さんならではなのだ。
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