「記憶にございません!」
2019年9月13日公開。
総理大臣が記憶喪失してしまったという群像コメディ作品。
フジテレビ開局60周年記念作品。
興行収入:36.4億円。
監督・脚本:三谷幸喜
キャスト:
- 黒田啓介
- 演 - 中井貴一
- 第127代内閣総理大臣。傲慢不遜な態度をとり、国会答弁で度重なる暴言や失言などを行った結果、憲政史上最悪となる内閣支持率2.3%を記録していた。しかし、演説中に一般人からの投石を受けて、少年期以降の記憶を失う。
- 井坂
- 演 - ディーン・フジオカ
- 首相秘書官。啓介の記憶喪失を国家最高機密として扱い、記憶を失っている啓介を補佐する。
- 黒田聡子
- 演 - 石田ゆり子
- 啓介の妻。夫の秘書官である井坂と不倫をしているとの噂がある。
- 番場のぞみ
- 演 - 小池栄子
- 事務秘書官。首相秘書官の井坂とともに啓介を支える。
- 寿賀さん
- 演 - 斉藤由貴
- 首相官邸料理人。何事にもマイペース。
- 山西あかね
- 演 - 吉田羊
- 野党第二党の党首。啓介とは初当選同期であり、かつては同じ党に所属していた。
- 大関平太郎
- 演 - 田中圭
- 職務熱心な警察官。かつてはセキュリティポリスになることが夢だった。啓介と出会った際にセキュリティポリスに任命することを約束され、後にこの約束が果たされた。
- 南条実
- 演 - 寺島進
- 現役の中年大工。啓介に投石し、記憶喪失を招いた実行犯。
- 黒田篤彦
- 演 - 濱田龍臣
- 啓介の一人息子。悪徳総理大臣になった嫌われ者の父に呆れている。深夜に警察に補導されるなどの問題行動を起こしている。
- 夜のニュースキャスター(近藤ボニータ)
- 演 - 有働由美子
- ニュースキャスター。啓介のあらゆる行動を、徹底的にこき下ろす。
- 小野田治
- 演 - 梶原善
- 小野田建設社長。啓介の小学校からの幼なじみ。また、とても口臭が臭い
- 古賀
- 演 - 藤本隆宏
- SP。常に啓介を護衛するが、悪徳政治家である啓介には失望している。
- 野々宮万作
- 演 - 迫田孝也
- 秘書官補。井坂、番場とともに、啓介が記憶喪失であることを知りながら、彼を支える数少ないひとり。
- 鰐淵影虎
- 演 - ROLLY
- 衆議院議員。聡子の兄で、啓介の義兄。実父は総理大臣だったが、父が後継として、自身ではなく啓介を指名したことに複雑な思いを持つ。ギターの演奏を得意としている。
- 八代
- 演 - 後藤淳平(ジャルジャル)
- 鶴丸官房長官の秘書官。父親は、八百屋を営んでいる。
- ジェット・和田
- 演 - 宮澤エマ
- ナリカワ米国大統領に同行する通訳。
- 桜塚
- 演 - 市川男女蔵
- 厚生労働大臣。国会を休んでフィリピンパブに行ってしまう。
- 森崎
- 演 - 小林隆
- 財務大臣。スーツもモーニングも半ズボン。
- 牛尾
- 演 - 飯尾和樹(ずん)
- 外務大臣。福耳。
- 戸波
- 演 - 小澤雄太(劇団EXILE)
- 啓介の記憶喪失を診断した脳外科医。
- 定食屋の店長
- 演 - 阿南健治
- 定食屋の店主。啓介を嫌っている。
- 中年のサラリーマン
- 演 - 近藤芳正
- 通りすがり。啓介を嫌っている。
- 高級レストラン店長
- 演 - 栗原英雄
- 啓介行きつけの高級レストラン店長。
- スナイパー
- 演 - 川平慈英
- ドラマ「女西郷」主演女優
- 演 - 天海祐希
- さまざまな声
- 声 - 山寺宏一
- スーザン・セントジェームス・ナリカワ
- 演 - 木村佳乃
- 米国初の日系女性大統領。
- 柳友一郎
- 演 - 山口崇
- 元小学校教師。啓介の恩師であり、悪徳政治家である彼のことを「あれはあれでよかった」と評す。
- 鶴丸大悟
- 演 - 草刈正雄
- 内閣官房長官。国民人気が高く、過去10年間、総理大臣は5回変わったが、官房長官を一貫して務め続けている。これにより「影の総理」とも称されている。日本ゴルフ協会の名誉会長でもある。
- 古郡祐
- 演 - 佐藤浩市
- フリーライター。裏社会に通じている。今は金で動き、ゆすりたかりも行うが、元は情熱に燃える政治記者だった。
あらすじ:
病院のベッドで目が覚めた黒田啓介(中井貴一)。
自分が誰だか、ここがどこだか分からない。
こっそり病院を抜け出し、テレビのニュースを見る。
演説中に投石を受け、病院に運ばれている首相、それが自分だった。
しかも石を投げつけられるほど、すさまじく国民に嫌われているようだ。
部下らしき男が迎えにきて、官邸に連れて行かれる。
「あなたは、第百二十七代内閣総理大臣。国民からは、史上最悪のダメ総理と呼ばれています。総理の記憶喪失は、トップシークレット、我々だけの秘密です」
真実を知るのは、井坂(ディーン・フジオカ)ら秘書官3名のみ。
進めようとしていた政策はもちろん、大臣の顔と名前、国会議事堂の本会議場の場所、自分の息子の名前すら思い出すことのできない総理。そんななか、記憶にない件でタブロイド紙のフリーライター・古郡(佐藤浩市)にゆすられ、記憶にない愛人にホテルで迫られる。
妻・聡子(石田ゆり子)も不倫をしているようだし、息子の篤彦(濱田龍臣)は非行に走っている気配。
そしてよりによってこの時期に、アメリカ大統領スーザン・セントジェームス・ナリカワ(木村佳乃)が来日。
他国首脳や政界のライバル、官邸スタッフ、マスコミ、家族、国民を巻き込みながら、黒田は捨て身で自らの夢と理想を取り戻そうとするのだが……。
コメント:
三谷幸喜監督が放つポリティカルコメディ。演説中に石を投げられ記憶を失ってしまった総理大臣・黒田啓介。
史上最低の支持率を叩き出した彼の記憶喪失は極秘事項で、知るのは秘書官3人のみ。
人の顔も政策も家族も思い出せないなか、アメリカ大統領が来日する。
三谷幸喜ワールド全開だ。
三谷幸喜は中井貴一と佐藤浩市がとにかく好きらしい。
記憶喪失のドタバタ劇はよくあるが、時の総理が完ぺきな記憶喪失になったら、どうなるだろうという実験的作品である。
これまでの記憶を完全に失ってしまったせいで、汚職から離れて清廉潔白な政治を志すようになるという展開が楽しい。
三谷幸喜が今の政治を徹底的に皮肉っているところが最高だ。
佐藤浩市は、タブロイド紙のフリーライター役で登場し、中井貴一をゆするワルを演じている。
やはり佐藤浩市にはワルの役が良く似合う。
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