松本清張の映画 「風の視線」 男女の不倫に次ぐ不倫の行方は? 女性向けネタ満載! | 人生・嵐も晴れもあり!

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「風の視線」

 

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「風の視線」 予告編

 

1963年2月17日公開。

松本清張原作のメロドラマ。

 

原作:松本清張「風の視線」

脚本:楠田芳子

監督:川頭義郎

 

キャスト:

  • 新珠三千代(竜崎亜矢子)
  • 岩下志麻(野々村千佳子)
  • 佐田啓二(久世俊介)
  • 園井啓介(奈津井久夫)
  • 山内明(竜崎重隆)
  • 毛利菊枝(竜崎總子)
  • 中村たつ(重隆の妹・啓子)
  • 奈良岡朋子(久世英子)
  • 小林トシ子(山岡ミチ)
  • 滝田裕介(長沖保)
  • 松本清張(富永弘吉)
  • 矢野宣(角谷)
  • 野々村潔(窪田編集長)
  • 加藤嘉(R紙部長)
  • 細川俊夫(土山)
  • 遠山文雄(望洋閣番頭)

 

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あらすじ:

亜矢子(新珠三千代)は夫・重隆(山内明)との愛なき結婚にすっかりつかれ果てていた。

外国に赴任している夫の留守を、視力を失った母堂・總子(毛利菊枝)と暮らしていた。

そうした美貌の人妻・亜矢子に、新進のカメラマン・奈津井(園井啓介)は憧れを持っていた。

だが、彼女のすすめるままに千佳子(岩下志麻)と簡単に見合結婚をしてしまった。

千佳子は亜矢子の夫・重隆に誘惑されて、短い愛の交渉をもった暗い過去があった。

この結婚にはこういった暗い影があった。

亜矢子は、夫の留守中に知り合った大新聞の事業部の次長・久世(佐田啓二)が心のよりどころとなり、それが愛にかわっていた。

久世は、画期的な企画に敏腕をふるって業界にその名を知られていたし、若い芸術家達に絶大な信頼があった。

しかし、彼もまた亜矢子と同じように、愛なき結婚で結ばれた名前だけの妻と別居した生活を送っていた。

そんなところへ、重隆が突然帰国してきた。

この帰国は複雑な人間関係に大きな波紋を投げかけた。

この帰国を知った千佳子は、荒廃した自分の中に真実の愛を確かめようとして重隆を訪れた。

しかし、彼はただ千佳子の身体を求めるだけだった。

彼女は現在の生活までも捨てようとした自分の愚かさを知って、奈津井のアパートから姿を消した。

一方、久世の妻・英子(奈良岡朋子)は夫と亜矢子の仲に嫉妬心をもやし、帰国早々の重隆に中傷した。

重隆は亜矢子との離婚を認めず、最後まで彼女を苦しめようと図った。

そんな時、重隆は密輸であげられた。

亜矢子はこれで夫とは絶対別れられないと決心し、久世を川治温泉に誘って一夜を過ごした。

そうした亜矢子の心を知って久世は、みずから進んで、佐渡の支局へ転勤した。

そんな頃、荒んだ生活の奈津井のもとに千佳子が帰ってきた。

若い二人はお互の愛の傷を見詰め合うことによって、新しい愛の生活に出発しようとする勇気と意志を持ったのだ。

一方、英子は東京から佐渡へ渡る気になれず、自分から久世に別れを告げた。

そして、獄窓の重隆も亜矢子との離婚に心から同意するようになっていた。

亜矢子と久世の結ばれる日は、もう間近なのだ。

 

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コメント:

 

松本清張の長編小説。

『女性自身』の1961年1月3日号から12月18日号に連載され、1962年8月に光文社(カッパ・ノベルス)から刊行された。

都会に暮らす孤独な男女の、さまざまな愛の交錯を綴る、ロマンチック・ラブストーリー。

 

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オープニングクレジットには、新婚夫婦役の園井啓介と岩下志麻の名前が一番先に出るが、物語上の主役は、彼らの運命を左右するような不遇の人妻亜矢子役の新珠三千代と彼女と心の支えとなっている男性・久世役の佐田啓二。

また登場人物たち皆に暗い影をさすのがシンガポール駐在の亜矢子の夫(山内明)。

公爵家を破滅させることになる彼の存在はおそらく男性社会に根付く強権を表現している。

 

風の視線」 - Kiki's random thoughts

 

 

新旧3組の夫婦、愛のない結婚を続ける6人の男女がそれぞれ織りなす糸のように絡み合い、ドロドロの世界で出口が見えないまま終わるのかと思いきや、新婚カップルは新たな気持ちで再出発。

中年の2カップルは離婚し、新しいカップルを組むという変形ハッピーエンドになっている。

「奥さんっ」「いけませんわっ」「僕は二度と君を離さないぞっ!」などと
加山雄三の歌詞みたいなセリフが出てくる不倫の展開が見られる。

佐田啓二と新珠三千代のキスシーンだけでも美しくて見応えある。
まだ極妻じゃなかった頃の若く初々しい岩下志麻もキレイだ。


今ほど海外はもちろんのこと、国内旅行もそう気軽に行けなかった時代に、
「夫がシンガポールに転勤で・・・」とか、松島で密会とか、旅の情緒を味わえるのも魅力。
佐渡への転勤が島流しだなんて言われ方もあって、この時代を感じさせる。

夫も浮気者なら、妻も不倫。

その相手はバーのママとも関係してたりと、かなり身近なところでこれだけ絡みあっていたらバレないはずはないだろうというくらい、複雑な人間模様。
原作者の松本清張もチラっと出演しているのも面白い。

ヒッチコックのような存在になりたかったのだろうか。

 

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