三船敏郎の映画 第38作 「天下泰平」 源氏鶏太原作のサラリーマン物語! | 人生・嵐も晴れもあり!

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「天下泰平」

 

杉江敏男 「天下泰平」 (1955) | It's not about the ski  遅れて来た天才スキーヤー???、時々駄洒落(笑)、毎日ビール!(爆)

 

1955年1月29日公開。

源氏鶏太原作のサラリーマン物語。

 

原作:源氏鶏太 「天下泰平」

脚本:八田尚之 

監督:杉江敏男 

出演者:

三船敏郎、久慈あさみ、佐野周二、笠智衆、川崎弘子、司葉子、見明凡太朗、宝田明、上田吉二郎、村上冬樹

 

天下泰平』(1955年)立春大吉役のミフネ。 | 昭和 俳優, 俳優, 三船

 

あらすじ:

森製作所の社員であった立春大吉(三船敏郎)は、シベリアから復員したが、会社は東洋電機製作所と名称を変え、社長の森信吾(笠智衆)は総務部長となっていた。

終戦のどさくさに社の株券の大半を大和機械の岡崎(見明凡太朗)に握られたからである。

大吉は、社長秘書の日高聖子(久慈あさみ)はじめ森派の社員達に帰還を歓迎され、岡崎一派との対決を決意した。

或る日、先代森社長の銅像が取り払われた跡に、誰かがビゼン焼の狸を立てた事で、タヌキという仇名の赤座社長(上田吉二郎)が怒って、これを撤去させるという事件があった。

その数日後、大吉等は今度は先代社長の銅像を立てて、折から視察に現れた岡崎に森社長の復帰を迫ったが一蹴されてしまった。

大吉は聖子と共に、闇ブローカーから商事会社の社長となった親友の杉村(佐野周二)を訪れ、善後策を相談した。

その頃証券処理法の制定で、東洋電機の株も一般に放出されることになった。

資金集めに苦慮する大吉を見て、日和見主義者の柳川が罪減しに援助を申し出て、以前の得意先から一千万の資金提供の約束に成功した。

大吉は森派の社員達に株券購入の申込みをさせ、明るい希望に燃えたが、いよいよ株式払込期日となると、以外にも約束は総て断わられてしまった。

岡崎が脅迫して業界の金融の門戸を閑させたのである。

男泣きに泣く大吉を、杉村は聖子と共に励まし、五十万円を工面して大吉に与えた。

一敗地にまみれた大吉は、森派社員に金を渡すと、赤座社長の机上に辞表を置き、捲土重来を期して東洋電機を遠去かって行った。

 

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コメント:

 

戦後の日本映画で最も多く映画化された作家の一人で、サラリーマン小説の第一人者・源氏鶏太の原作。

復員したサラリーマンを描いた異色作。

 

シベリアに抑留されたのち、悪徳な黒幕に乗っ取られた会社に10年ぶりに戻った男・三船が、元の社長である笠智衆に会社を取り戻させるべく奮闘するという、まさに源氏鶏太らしい題材。

復員帰りのダイナミックな男というキャラクターは、三船敏郎に似合っている。

 

本作では、三船敏郎が一敗地にまみえる結果となり、ビターテイストな印象で終わるが、続編ではその敵討ちが成功する明るいストーリーになっている。

 

この作品もまぼろしになっているようだ。

時々映画館での上映があるようだが。

DVD、VHSは無し。