「極道戦争 武闘派」
1991年11月9日公開。
松山千春の映画初出演。
脚本:大津一瑯
監督:中島貞夫
キャスト:
- 中井貴一(衣笠誠)
- 松山千春(大東勝司)
- 増田恵子(貴島冴子)
- 永島暎子(夏絵)
- 千葉真一(笠井高次)
- 丹波哲郎(神崎忠虎)
- ジョニー大倉(鶴木次郎)
- 品川隆二(城戸健介)
- 西岡徳馬(黒岩彦一)
- 中尾彬(深沢巌)
- 火野正平(波多野省三)
- 綿引勝彦(持丸宗男)
- 奥村雄大(入江長一)
- 立花理佐(本城美幸)
- 乃木涼介(小金丸弘)
- 内藤剛志(梅崎徹)
- 成瀬正孝(岩佐憲義)
- 稲川淳二(宮西正剛)
あらすじ:
九州全土を揺さぶった暴力抗争の真只中。
その最前線を突っ走る若き野獣達。
いつしかその若者達は“九州武闘派”と呼ばれるに至った。
博多の縄張りをねらう後進の戦闘的組織・神崎会に属する沈着冷静な切れ者タイプの誠(中井貴一)と、怖い者知らずの戦闘派タイプの勝司(松山千春)。
タイプは違うものの、共に壱岐島から出て来た幼なじみ。
二人には冴子(増田恵子)という女友達がおり、彼女もまたそんな二人の愛に揺れ動くのだった。
やがて神崎会は、博多を長く仕切ってきた城戸組と全面戦争を始める。
報復に次ぐ報復の中でドロ沼化していく抗争。
そんな折、神崎会会長(丹波哲郎)が警察へ連行される途中で倒れてしまう。
頭が倒れて突然弱気になった神崎会の幹部連中だったが、唯一、笠井組々長の笠井(千葉真一)だけが誠を励まし、猪突猛進型の勝司の身を心配していた。
しかし笠井はかつて神崎会に潰された箕輪組の生き残り波多野(火野正平)に撃たれて悲壮な死を遂げる。
そんな中で幹部の黒岩(西岡徳馬)の画策によって神崎会は城戸組と手打ちが決定。
だが勝司は「親分を殺されて何が手打ちだ!」と、城戸(品川隆二)と黒岩が会食している所へマシンガンをぶち込む。
それによって勝司は神崎会から絶縁状が出され、ヒットマンが飛ばされる。
誠は、敵からも味方からも狙われる勝司を自らの手で殺ることを決意。
そして悲しみのこもった誠の拳銃は、勝司めがけて発射されたのだった。
コメント:
極道に生きる男の友情と離反を描いた任侠アクション映画。
九州を舞台に、抗争の最前線をひた走るふたりの男の熱い生きざまを、主演の中井貴一と松山千春が熱演。
ヒロイン役の増田恵子の演技にも注目。
中井貴一と松山千春は、幼なじみのヤクザだが、組の抗争事件で対立することになるという話。
そこに故郷で中井と恋仲だった増田恵子(ピンクレディーのケイ)が絡むというヤクザ映画らしい展開。
中井は前年('90)の「激動の1750日」に続くヤクザ役。
監督も前作と同じ中島貞夫。
出演者のメンツも含め、安心して観ていられる東映ヤクザ映画らしい映画である。
永島暎子と内藤剛志がいい脇役ぶりだった。
エンドで、中井貴一が幼馴染の松山千春を撃ち殺すシーンでの哀しみの籠った表情がこの映画の全てを物語る。
中井貴一の役者としての成長が感じられる場面だ。
松山千春にとってデビュー作となった映画。
初出演とは思えない度胸の良さがある。
やはりやくざ映画は、丹波哲郎や千葉真一が登場しないと雰囲気が出ない。
この二人の存在感を改めて納得する作品だ。
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