梅宮辰夫の映画 「夜の歌謡シリーズ 伊勢佐木町ブルース」 シリーズ第4作! | 人生・嵐も晴れもあり!

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夜の歌謡シリーズ 伊勢佐木町ブルース」

 

 

「夜の歌謡シリーズ 伊勢佐木町ブルース」

 

1968年12月7日公開。

夜の歌謡シリーズ第4作。

青江三奈が本人として出演。

 

脚本:舟橋和郎

監督:村山新治

 

キャスト:

  • 宮田 - 梅宮辰夫
  • れいこ - 宮園純子
  • 大倉 - 伴淳三郎
  • 竹村 - 吉田輝雄
  • 房子 - 清水まゆみ
  • 小滝 - 佐々木功
  • 百合 - 紙京子
  • 根本 - 大泉滉
  • 照代 - 高毬子
  • ゆかり - 和田みどり
  • 笹井しげ子 - 山口洋子
  • 青江三奈 - 青江三奈
  • 土居 - 南原宏治
  • 園江 - 伊藤慶子
  • ハゲの男 - 久保一
  • 安蔵 - 小松方正
  • 茂吉 - 滝島孝二
  • 女 - 三笠れい子、織田英子、鈴木暁子
  • 運転手 - 小林稔侍
  • 「マルセーユ」店主 - 久保比佐志
  • 装飾点の主人 - 相馬剛三
  • 子分 - 佐藤晟也、山浦栄

あらすじ:

宮田(梅宮辰夫)は、バーやキャバレー新開店の諸準備を請負うオープン屋をしていた。

土地成金の大倉(伴淳三郎)は、宮田に千五百万円でバー開店を依頼した。

ただし、ママになる女を二号にしたいとの条件つきだった。

二つ返事で引き受けた宮田は伊勢佐木町裏のバーを買収し、酒場のホステス・れい子(宮園純子)を強引に口説き落とした。

バー「れい子」の開店日は大盛況だった。

その日、大倉は希望に胸ふくらませてれい子を誘惑した。

だが、二号話を聞かされていなかったれい子に、にべもなく断られてしまった。

怒りを心頭に発した大倉は、愚連隊を雇い、宮田に迫った。

宮田は、いつもの調子よさで、自分に熱を上げているホステスの房子(清水まゆみ)を、ホテルに待たせてある大倉に送った。

その夜宮田は、刑務所から出たばかりの竹村(吉田輝雄)がれい子と情事にふけっているのを見て愕然とした。

竹村は、れい子をヒモとして、ふたたび昔の生活を始めようとしていた。

宮田は、れい子が自分には欠かせぬ女であることを悟った。

竹村は二百万円の代償を請求した。

金策に困った宮田は、女実業家・笹井(山口洋子)に委託されたクラブのオープンを引受け、ママにれい子を推薦した。

だが、れい子引き抜きを怒った大倉が、宮田の行手に待っていた。

愚連隊に襲われ、二百万円を奪われた宮田の話を聞いた竹村は、大倉から金を取い戻した。

しかし、そこにはれい子をふたたび大倉のバーに戻すという契約がなされていた。

房子からこの話を聞いた宮田は、れい子をバーテン・小滝(佐々木功)に預けると竹村と対決した。

この事件により竹村は刑務所に逆戻り、宮田は大倉に二百万円を渡し、れい子の移籍を了承させた。

宮田とれい子の間の障害は消えさった。

だが、れい子は小滝との結婚を打ち明けるのだった。

宮田を慕い、彼のために大倉に身を任せた房子の献身が、れい子に全てを諦めさせたのだ。

それから間もなく、泥酔した宮田と寄り添う房子の姿が波止場に消えていった。

 

 

コメント:

 

「夜の歌謡シリーズ」の第4作。

青江三奈の大ヒット曲を主題歌にしたヒット作。


今回の梅宮辰夫はクラブのオープン屋という職業。

クラブの内装からホステスまで揃える仕事だ。
伴淳扮する土地成金からクラブのオープンと店のママ兼愛人の手配を依頼される。
それを機に、辰兄いと他の男たちが、夜の女性たちを巡って繰り広げる金と色をめぐる愛憎劇。

前作と同じようなストーリーだが、本作での辰兄いは前作ほどひどいスケコマシじゃない。
職業柄、ホステスの転職先を世話したりするが、もうどんな女からも色と金を頂くみたいなノリだったけど今回はすこしましだ。

女によっては無私の思いやりで接したりもする場面があるのだ。
少し好感が持てるスケコマシになっていると評価できる。

 

「命かれても」では、結婚を餌に女性の親が遺してくれた預金を全額騙し取ったり、あまりにやりたい放題だったので、今回は修正したのかも知れない。

だが、エンドでは一番気にいった宮園純子は他の男と結婚してしまうことに。

それでも、他の女が寄り添ってくれるからまだましだ。

 

女を利用して金儲けをしようとするこんな男が、どうして女に惚れられるのか理解に苦しむ。

だが、色男というのはこういうものなのだ。

たくさんの映画があるが、ろくでなしだが、カッコいい男に貢いだり、男の為に体を売ったりという女性たちが当時は世の中にたくさん存在したのだろう。

男尊女卑の続く古い日本では当たり前だったのだろう。

昔の日本の庶民について良い社会勉強になる秀逸な作品だ。

 

前作に引き続き、伴淳三郎が女好きの金持ちを演じていて存在感を出している。

こういう味のある役者がいてこそこの映画が成り立っているのだ。

 

 

「噂の女」や「よこはま・たそがれ」などの作詞で有名な山口洋子が女実業家として出演している。

この人は、若かりし頃東映ニューフェースとして映画界にデビューしたが、2年で辞めている。

本作にはゲストとして出演したのだろう。

 

 

宮園純子扮するれい子の結婚相手として選んだ相手であるバーテン・小滝を佐々木功が演じている。

佐々木功といえば、「宇宙戦艦ヤマト」「銀河鉄道999」などアニメソングで多くのヒット曲を持つことから「アニメソング界の大王」として有名だが、この人は、俳優として多くの映画やテレビドラマに出演し、アニメの声優も務めたマルチタレントなのだ。

 

 

青江三奈の「伊勢佐木町ブルース」は、横浜市中区の繁華街・伊勢佐木町を歌ったご当地ソングとして昭和を代表する演歌のひとつ。

出だしの「ハーア、ハーア、」という、色気たっぷりの青江三奈のため息で一世風靡した。

 

この曲の大ヒットにより、全国に知られるようになった伊勢佐木町には記念の看板が建てられた。

2021年3月27日に描き換えられてこのように新しくなったようだ。