ビートたけしの映画 「GONIN」 五人のはぐれ者と殺し屋たちのヴァイオレンスを描いた異色作! | 人生・嵐も晴れもあり!

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「GONIN」

 

 

「GONIN」 予告編

 

「GONIN」 主題歌:「紅い花」 by ちあきなおみ

 

1995年9月23日公開。

五人のはぐれ者と殺し屋たちのヴァイオレンスを描いた異色作。

 

監督・脚本:石井隆

主題歌:ちあきなおみ「紅い花」

出演者:

佐藤浩市、本木雅弘、根津甚八、竹中直人、椎名桔平、ビートたけし、木村一八、鶴見辰吾、永島敏行、室田日出男、横山めぐみ、川上麻衣子

GONIN】5人の男たちの死に様を振り返る。 - Middle Edge(ミドルエッジ)

あらすじ:
かつてはヤングエグゼクティブとして雑誌に紹介されたこともあったディスコのオーナー・万代(佐藤浩市)は、バブル崩壊で多額の借金を背負い、暴力団大越組の借金の取り立てに苦しんでいた。
ある夜、万代は新宿のバッティングセンターで、サラリーマン風の男・荻原(竹中直人)に執拗にからまれ、反対に殴りつけると、荻原は呆気なく倒れて泣き出した。
リストラで会社を解雇された荻原は、職を求めて夜の街をさすらっていたのだ。
怪我をした荻原を車に乗せて店に帰った万代を待っていたのは、大越組組員による嫌がらせだった。
調子に乗って暴れる組員を、美貌の青年・三屋(本木雅弘)がナイフで刺した。
三屋は過去に傷害罪で刑務所に入ったことがあり、それが万代の密告によるものと思い込み、付け狙っていたのだ。
三屋の誤解をとき、万代は一緒に仕事をしないかと持ちかける。
万代は、大越組の金庫に眠っている大金強奪を計画し、仲間を探している最中だった。
万代に憎しみとともに憧れも抱いていた三屋はそれを承諾する。
翌日、万代は借金の返済を延ばしてくれるよう、大越組に頼みに行った。
そこへ組員の金髪の青年・ジミー(椎名桔平)が、女の借金のことで文句を言いにきて幹部と大もめになってしまう。
ジミーは、タイ人の売春婦ナミィー(横山めぐみ)のヒモだった。
その夜、ジミーを探しに行ったバーで、万代は用心棒をしている刑務所帰りの元刑事・氷頭(根津甚八)に出会う。
氷頭は万代が現金強奪を計画した時から、仲間にしようと思っていた男だった。
事務所の内部に詳しいジミーも仲間に引き込んで、打ち合わせを行っているところへ荻原が現れ、なかば強引に仲間入りし、計画は五人で遂行される。
決して思い通りには運ばなかったものの、まんまと大金を手に入れた五人。
だが、荻原が大金と一緒にナミィのパスポートを盗んでいたことから、大越組はナミィーと一緒にタイ逃亡を企てていたジミーを拉致、拷問する。
すぐに、主犯が万代らしいことを突き止めた組長・大越(永島敏行)らは、万代のディスコを襲撃するなど報復を開始。
総長が雇った殺し屋の京谷(ビートたけし)と柴田(木村一八)も、精神に異常をきたして自らの手で一家を惨殺していた荻原や、氷頭の別れた妻子を次々に始末していくのであった。
いよいよ自分たちの身に危機が迫っていることを知った万代と三屋は、万代の故郷・飯田へ身を隠そうとするが、京谷たちに逃亡途中で発見され、万代が殺されてしまう。
万代との間に愛が芽生え始めていた三屋は、氷頭と共に捨て身の覚悟で大越組を襲撃。
氷頭は命を落とすが、京谷以外の皆殺しに成功する。
こうして三屋は、金と万代の遺骨を持って再び飯田へと長距離バスで向かうが、警察に捕まったと思われていた京谷が現れ、バスの車中で相討ち。
命を落とすのだった。



コメント:

タイトルの「GONIN」は、「五人」。
「誤認」ではない。
 

胸にズシンと来るディープなヴァイオレンス映画。
独特の斜め文字が、怪しげな夜の繁華街の灯りをバックに浮かび上がるオープニング。
そこから始まる男たちの惨劇。

五人の男たちが見た夢のなれの果ては、血と憎しみが辿る墓場だ。
このGONINの抱いた儚い夢は決して叶うことはない。
その哀愁を殺戮を残酷に、美しく魅せる石井隆監督。



煌めく若さをみずみずしい肢体を武器に演じ切った本木雅弘のファーストショットにヤられる。
ラストシーンのビートたけしとの対峙までに物凄いスピードで成長しているのがわかる。

バイオレンスという枠組みの中では目立って激しい描写はないものの、作品全体の威圧感は他を圧倒するものを常に感じる。

それもそのはず、どのシーンで何が起こってもおかしくない雰囲気が漂っているからである。
面白いのは社会から見放された男たちが組の金を強奪するという大胆な行動がコンセプトになっていること。


主役の佐藤浩市をはじめ、今では大御所と呼ばれる俳優が多く出演している。

中でも秀逸なのは竹中直人。

組に立ち向かう男たちの中でも群を抜いて狂っている役を演じている。

 

 

やはり、殺し屋を演じるビートたけしの存在感は主役のはずの五人の男たちをも圧倒する。

もうこういうヴァイオレンスの映像の世界においては、他の俳優を寄せ付けないオーラがたけしから出始めているのだ。

本作への出演は、その後の北野武監督作品にもおおいに好影響をもたらしたのであろう。

 

 

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