菅原文太の映画 「仁義なき戦い 代理戦争」 小林旭初登場! 渡瀬恒彦再登場!  | 人生・嵐も晴れもあり!

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「仁義なき戦い 代理戦争」

 

 

「仁義なき戦い 代理戦争」

 

1973年9月25日公開。

シリーズ第3作。

広島内部から神戸との全面戦争に発展。

 

脚本:笠原和夫

監督:深作欣二

出演者:

菅原文太 、 小林旭 、 渡瀬恒彦 、 加藤武、山城新伍 、 池玲子 、 堀越光恵 、 中村英子、 金子信雄 、丹波哲郎 、遠藤辰雄 、鈴木康弘 、 木村俊恵 、 成田三樹夫

 

 

あらすじ:

昭和三十五年四月。

広島市最大の暴力団村岡組の第一の実力者・杉原(鈴木康弘)が、博奕のもつれから九州のやくざに殺された。

杉原の兄弟分打本組々長・打本(加藤武)はこの時、きっちりと落し前をつけなかったために、村岡組の跡目をめぐって熾烈な抗争が起こることになった。

山守(金子信雄)も村岡組の跡目に野心をもつ一人で、広島に顔の利く広能(菅原文太)を強引に山守組傘下に復縁させた。

一方、打本も、村岡組の幹部・江田(山城新伍)と共に広能と兄弟盃を交わし、更に日本最大の暴力団、神戸の明石組へ広能を介して盃を申し入れた。

そして、打本は明石組々長・明石辰男(丹波哲郎)の舎弟・相原(遠藤辰雄)と兄弟盃を交わした。

しかし、明石組の勢力をバックに村岡組の跡目を狙う打本の思惑は村岡の気分を害することになり、跡目は山守に譲られた。

かくして、山守組は広島最大の組織にのし上った。

その頃、山守系の槙原の舎弟分浜崎と打本の舎弟分小森が岩国でもめていた。

山守は傘下の者を督励して岩国へ兵隊を送った。

打本と兄弟分の広能や江田はそれには参加しなかったが、筋目を通すために松永(成田三樹夫)、武田(小林旭)と共に打本に盃を返した。

孤立無援になった打本は指を詰め、明石組へと逃れた。

明石組は早速、最高幹部の宮地や相原を広島に送った。

やむなく広能たちは打本に詫びを入れ、浜崎と小森は打本の仲裁で手打ち、という事になった。

これは事実上山守組の敗北である。

やがて、打本は兼ねての念願が叶って明石辰男から盃を受け、その傘下に加わった。

結果、明石組は遂に広島にくさびを打ち込んだことになった。

山守は対抗上、明石組に対抗できる唯一の暴力団、同じ神戸の神和会と縁組みすることにして、その斡旋を広能に依頼するが、広能は冷たく拒否した。

数日後、広能は槙原の若い者に命を狙われた。

広能ははっきり山守の存在がこの世界のためにならぬと思い、罠にはめるべく、神和会との渡りをつけた。

神和会は山守組と兄弟盃を交わした。

これによって広島に於いて二大勢力の対決という事になったが、明石組は広能らに打本との盃を復活するようにと強硬に申し入れてきた。

広能は打本との盃を復活した。

それを知った神和会は山守の責任を厳しく追求してきた。

広能の思惑は見事に当ったが、しかし老獪な山守は、全ての責任を広能におしつけ、破門することで逃れた。

明石組は、広能の窮地を救うため、打本に命じて武田、松永らを絶縁させた。

しかし武田は、元打本組の早川を抱き込み、打本を襲撃した。

昭和三十八年五月、遂に広島抗争事件の幕が切って落された。

 

 

コメント:

 

仁義なき戦いの第3作。

第1作が1月公開で、第3作は9月公開である。

いかにすごいスピードで製作されたかが分かる。
ここからは山口組(映画では明石組) が絡んで映画化しにくいので、笠原和夫は逃げ回っていたが、 映画のあまりのヒットに観念してシナリオを書き出したという。
 

第1作や第2作のように個人のドラマではなく、本作は組織のドラマであり、その背後関係も複雑怪奇。

これをどのように見せるかがポイントとなるが、この作品と次作「頂上作戦」での笠原和夫の脚本のさばきは本当に素晴らしい。

メインの筋立てとしては、山守(金子信雄)と打本(加藤武)の跡目争い、そこに明石組の介入、そして広島と神戸の全面戦争へというもの。

 

そのなかで、広能組の若い衆の倉元猛を演じた渡瀬恒彦が際立っている。

昌三の恩師からの紹介で母親も伴い、昌三の元へ預けられヤクザの道へ入る無鉄砲な若者という役を渡瀬恒彦が熱演。

無残な死を遂げるまでの数々のシーンが実に印象的だ。

倉元が広能組に加入するシーンでは、母親の履物を揃え、最敬礼で母親を見送るところで、母親が思わず嗚咽して去っていくところは実にうまい。

 

ZERO系ハカイダー on Twitter: "役者 : 渡瀬恒彦 役名 : 倉元猛 仁義なき戦い 代理戦争 鉄砲玉役の演技が最高でした。R.I.P.  #仁義なき戦い #渡瀬恒彦… "

 

その後、倉元は槇原の命を狙うが、兄貴分の西条に裏切られ殺されてしまう。

葬儀の斎場に刺客が送り込まれ、混乱の中で骨壷と中身が無残に路上に飛び散り踏みにじられる。

倉元の母が慟哭する姿に身を切られる広能は、熱いままの遺骨を握りながら目の前にある怒りと悲しみを噛みしめるしかなかった。

そして、最後に倉元の骨が車に轢かれるシーンへと見事につながるのである。

殺伐としたシーンが連続する中でこの倉元のエピソードが光っている。
 

シリーズ初登場の小林旭が菅原文太の向こうを張って貫禄を見せる。
村岡組幹部、広能昌三(菅原文太)のライバルとなる才覚ある男を小林旭が貫禄たっぷりに演じている。

 

関東同盟理事長・松風会会長 大石剛介 真っ当な政党、政権支持。 sur Twitter : "#今日の仁義なき戦い #武田明 #小林旭 #映画 #東映  #仁義なき戦い代理戦争 #深作欣二… "


神戸の明石組幹部・岩井を演じる梅宮辰夫。

2度目の登場だが、今回、眉毛無しで、怖いっ!

 


謝罪のため指詰めでなく手首詰めをしたり、倉元に槇原(田中)を襲わせたり、密告したりという面白い役どころを、川谷拓三が惨めったらしく好演。
山守組長を演じる金子信雄の嫌な奴全開の演技が秀逸だ。

 

古賀慎一郎 on Twitter: "仁義なき戦い 代理戦争 山守親分役の金子信雄、恒例の嘘泣きシーンは最高。… "

 

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